6歳のボクが、大人になるまで。

今年の初め、私の頭頂部に光るものを発見。一本だけ白髪が生えていた。私は、「!!?」となったものの、少し嬉しかった。ああ、私も歳をとっているんだなぁと、おばちゃんになってきたんだなぁと実感したからだ。こういう目にみえる変化がないと、なんだかいつまでも20代のような気持ちですごしてしまう。

映画『6歳のボクが、大人になるまで。』を見た。

いい意味で、人生ってこんなもんだよなと思わせてくれる映画だった。恋愛って、母親って、父親って、子育てってこんなもんなんだよ。何か起こりそうで、何も起こらない。何か起こったとしても、それを見つめる子供の目はとても冷静だ。起こったとしてもドラマチックな展開にはならない。その脚本と編集が抜群にうまくて、とてもリアルだった。

もちろん、そのリアルさを支えているのは、12年間同じ俳優で撮影し続けたこの映画のうつしだす身体のディテールだ。身体変化は時の流れを雄弁に語っている。そう、わたしの見つめる先の子供たちは1年1年急成長をとげているが、我が子の成長と共に、私のからだも変化し、年老いていっているのだ。

時は流れ、私はいつか死ぬ。そんな当たり前のことを、実感させてくれる映画だった。一本の白髪が、一線の皺が、とても愛おしく感じた。

そして、どれだけ子供を一生懸命育てても、私が親元から離れたように、子供はサラッと巣立って行き、わたしはこんな風に取り乱して泣いてしまうのだろうなぁと思って、ちょっとしんみりした。

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