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「誰でも受け入れる環境で、これからも途上国の教育支援を」 - STUDY FOR TWOインタビュー

概要:

STUDY FOR TWO 
勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界にという理念を掲げ大学生から使い終えた不要な教科書を寄付してもらい、再販売して得た利益を途上国の子どもたちへの教育支援に充てている。
これまで40000冊以上を集めており、過去にはバングラデシュやラオスに支援を行ってきた。現在はネパールとタンザニアを支援している。

インタビューをお受けいただいた方:
佐々木那桜(ささきなお)さん
広島大学教育学部の4年生(2021年 10月時点)
団体では広報のリーダーを担っている

寺松怜央 (てらまつれお)さん
熊本大学理学部の3年生
同じく広報チームの一員

インタビュアー・執筆:茶谷力丸(Shakr Inc.)
編集:尾本将太(Shakr Inc.)


本文:


団体の概要を教えてください

佐々木)
まず私たちSTUDY FOR TWOの理念は2つあります。

「勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に」というのと、「大学の教科書をより安価に購入できることが当たり前の世界に」です。 

次に具体的な活動としては、大学生から使い終えた教科書を寄付していただいて、安価に半額以下で再販売して、得られた利益を途上国の子どもたちに教育支援という形で寄付させていただいています。


実際に教科書というのは今までどれくらい集めたんですか?

佐々木)
今まで4万冊以上の教科書を提供してきました。


広報以外の部署を教えてください

寺松)
学生代表と副代表が1名ずつ、全国に支部があるんですけど、北部、関東、関西2つ、中四国、九州という風に分かれていて、各地区代表が7名と、会計チーム、営業チーム、支部設立チームがあります。

そして、PRチームの中にはブランディングチーム、デザインチーム、SNSチームの3つがあります。その他にHRというヒューマンリソースを担当している部署に加え、支援先調査という部署があります。


メンバーの募集方法を教えてください

佐々木)
既に支部がある大学が全国に現時点で47くらいあるんですけど、そこはTwitterやInstagramといったSNSを使います。加えて学校毎の新歓のイベントを行ってメンバーを集めています。

支部の無い大学で活動に参加したいという希望に対しては、団体の公式ホームページであったり、activoという募集サイトを使って新メンバーを募集しています。 

※activo ボランティア募集情報サイト https://activo.jp/users/110593


お二人はどうして入られたんですか?

寺松)
僕の場合は、まだコロナが無くてちゃんと新歓ができた年だったのでその時の新歓のイベント、学内のイベントで先輩に誘われて入りました。


佐々木)
私はボランティアがしたいと思っていて大学のボランティアサークルだけが集まる合同説明会に行き、そこで入ることを決めました。

1番の決め手は同じ学部の先輩がいたというところなんですけど、仕組みが面白いなということもありました。色々経験できるという風に教えてもらったので、さっきのようにチームがたくさんあるところも含めて、面白そうだなと思って入りました。


支援する上で企業の協力を受けているんですか?

寺松)
そうですね。以前まではRoom to ReadさんというNPO団体を通してバングラデシュだったりラオスに寄付を行ったりしています。


コロナ禍で変わったことはありましたか?

寺松)
活動の指針自体は変わっていないです。ただ去年は僕らも戸惑っていました。というのも、寄付額がかなり落ちた中で活動をどうやっていこうかってなったんです。

今年は去年1年分の経験を糧にオンラインでの郵送販売だったりとか、あとはDMで受け付けて寄付を募ったりしました。そういう形で去年は本当に落ち込んだんですけど、今は以前と変わらないくらいの活動はできてはいるかなという風に思っています。

ただ対面での教科書の回収だったり販売ができなかったのはすごく僕らとしても痛くてですね、中々難しい部分が多かったなというのが印象です。今まで寄付額が右肩上がりでどんどん増えていて、新しく支援先増やそうかくらいまで言えてたんですね、3か国まで増やそうかとかまで言えてたんです。そういう風に言える状況じゃなくなってしまって、というところはすごく苦労しました。

合宿とかも今まで対面でできていたものをオンラインでやろう、となった時の工夫もありました。そこら辺はそれぞれ携わった人間はたくさん苦労したんじゃないかなと思います。


オンラインになったことで合宿に変化はありましたか?

寺松)
合宿来るってなった時にまず遠いのと、あとお金がかかるというのがすごくあるんですけど、Zoom通してみんな家での参加になりました。具体的には3日間くらい何時から何時までみんなでやろうね、みたいな感じでした。


距離的な制限がかなりなくなったんですね

寺松)
遠いところの子は増えたかもしれないです。やっぱり合宿ってなると、例えば関東でやるとなれば関東の人は来やすいけど九州の人は来づらいじゃないですか。あとはオンラインなのでこの日だけ参加とか、だいたい3日間くらいやるんですけど、2日だけ参加とかやりやすくなりました。そこはすごく良かったかもなって思います。


大学生以外からも本の回収はあるんですか?

寺松)
そこへの伝手があまり無いというか、元々は学内で例えばテストの終わりの時間とかに食堂前とかでブースを構えていました。テストが終わっていらなくなった教科書をくださいみたいな感じでやってたりとか、福引を行って教科書を今まで集めていたんですけど、それができなくなってしまいました。DMを出してはいるんですけど、大学のOB・OGの方との繋がりというのはやっぱりTwitterやInstagramのSNSではなくて、そこへは全然アプローチはできていないです。


紙の教科書が減っているのはやはり実感するんですか?

寺松)
定番の教科書はやっぱり減らないんですけど、ちょくちょく集まっていたよねくらいのとかは、もう扱ってないよ、みたいなことや同じ授業を見た時に無かったりもします。

教科書販売の時のいつもあった欄にその教科書が無かったりとかは、ちょくちょくですけど少しずつ現れてはいます。


広報する上でコロナ禍で大変だったことはありますか?

佐々木)
以前より重要度というか、SNSの広報に依存している部分は増えたのかなとは思います。


新入生に見てもらうにあたって工夫したことはありますか?

寺松)
メンバー内でリツイートはよくしていると思いますし、あとは自発フォローをしていくというのもどこの支部でもよくやってるかなという風に思います。あとは目につくようなアイキャッチといいますか、画像を添付するとかですね、よくやっているかなという風に思います。

新歓期は1年生自身も情報源がSNSに限られているので、あっちからも能動的にやってくれるので、能動的に動いてくれる時に活発になるようにしています。


佐々木)
今年度だと春に1つオンラインイベント、ラオスの現地の方と中継を繋いでお話をするみたいなイベントを企画して、団体に入っていない人でも参加できますよという形にしていました。全ての大学にその宣伝投稿を引用リツイートで、ハッシュタグを「春から〇〇大」みたいな感じでつけてもらって引用リツイートみたいなこともしました。


団体内の雰囲気を教えてください

寺松)
STUDY FOR TWOってうちの副代表がよく言うんですけど、個人個人の付加価値を大事にしているというところがあると思います。全員が自分の意見を言いやすい環境だし、それを絶対に一旦認める文化を持っているし、褒めあう文化を持っているのはSTUDY FOR TWOの良いところだなという風に思っています。

アバウトな言い方になりますけど、初めて会ったけど初めてじゃなくない?くらいの仲にすぐなれるような良い人ばっかりだなとすごく思います。


佐々木)
さっき寺松が言ったのがほとんどその通りかなと思うんですけど、色々真剣に取り組む人が多いかなとは思います。

他の支部の人が困っていることでも一緒に考えてくれたり、自分の時はこうしたよっていう風にアドバイスをくれる同期だったり先輩だったりが沢山いるというところはすごく良い風土だなと思っています。


これからどんなことをしていきたいですか?

寺松)
僕らの販売の基軸の1つが教科書なので、そこが無くなるよって話をずっとしています。そこに関して、じゃあ新しい事業を立ち上げないと立ち行かなくなるので、新規事業を立ち上げようという話はずっとしています。


これからのアイデア出しが楽しみですね

寺松)
そうですね。そういう上でもこの前の合宿で言うと、1〜2年生がたくさん発言しやすい環境だったりとか、考える時間を作ったりとかをしました。

それこそ新規事業を考えようみたいな企画を作ったりとかもして、誰でもが良い案を出せる状況は作っているとは思います。


佐々木)
今やっているのだと、SNSを使って、大学生以外にアプローチしようというので新しくアカウント作っています。読書記録を貯めていくアカウントを作って、後輩を何人か興味ある子に投稿とかしてもらっています。

今まで大学生じゃないから興味なかったとか、STUDY FOR TWOにたどり着かなかった人たちを年齢層幅広くアプローチしようというところで、今年の7月くらいから取り組んでいるところです。


どんな学生に来て欲しいですか?

寺松)
僕としてはSTUDY FOR TWOはボランティアだけじゃなくて、本当に色んなことができる場所で、自分の挑戦したいことをできる場所だと思っています。社団法人ということもあって、本当にそこら辺の団体に比べたら企業でやれるようなこと1歩手前までできると思うんです。

なので何かやってみようかな、みたいな、自分の中で持っている子たちにぜひ来てもらって、自分の試したいことを試してもらう、みたいにやってもらえたらなと思います。挑戦したいなと思っている子はうちにぜひいらしてください。


佐々木)
私はずっと言ってるんですけど、STUDY FOR TWOは自分の好きなことを活かせる、好きなことをできる場所だなと思っています。何か1つでもやりたいこと、国際貢献とかボランティアにそんなに興味ないという子でも、自分がやりたいこと、新規事業の立案だったり広報だったりでやれることが見つかる場所かなと思うんです。ボランティアできつそうとか思っている人でも1回見てみてほしいなと思っています。


最後に学生へメッセージをお願いします

寺松)
1回おいで、という感じですかね。
合わなかったら全然やめてもらって良いからという感じです。(笑)


佐々木)
誰でも、何年生でもお待ちしています。どこの大学でも、何年生でも何の学部でも、ボランティアに興味が無くても、どんな人でも絶対に受け入れる環境があります。

ちょっとでも興味を持っていただけたら1回ホームページに来るなり、私たちがやっているSNSを見て欲しいですね。


編集後記:

お話を聞いていて団体内の意見を出しやすい環境づくりの大切さを改めて実感した。個々人が困っているメンバーを見たらすぐに手を差し伸べることで、コロナ禍で本を回収する苦労に少しづつ対応してきているのだろう。
本が少しずつ減っていく中でも、それらのおかげで生活の助けになる国への支援をこれからも続けていってもらいたい。


◯リンク

ホームページ: STUDY FOR TWO
Twitter: @studyfortwo 
Instagram: @studyfortwo

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