見出し画像

【一幅のペナント物語#59】日本人にとってのアイドル・アニマル

新しい年度がはじまり、僕の人生にも少しばかり変化が訪れましたが、noteのほうはこれまで通り継続していきたいと思います。というか4月の間に所有状況をちゃんとリスト化して、夏頃までに展示会をできるように準備を進めたいですね。ということで、今回はニュースに題材をいただいて、こちらのペナントを採り上げたいと思います。あ、そうそう、今日から文章を「です・ます調」で統一です!


◉ペナント観察:ペナント終末期の量産型厚紙印刷タイプ

個人的にはあまりトキメかない、ペナント白亜紀世代の厚紙写真印刷の一幅。縁取るモールは輪っか加工された黄色リリアン紐で、つくりとしては非常にオーソドックスで、面白みはありません。真っ赤な「PANDA」の文字がやたらとポップで、陽気でファンシーなとこもこれ見よがしでツマラない。どうしてかわかりませんが、ペナントってもっと厳めしくて地味じゃないと駄目!という偏見がハンパない僕です(笑) もう、このペナントの価値は写真のパンダに支えられているようなものです。キャプションによればこのパンダは日本の動物園に初めてやってきた「康々(康康:カンカン)」。右に表示されているように上野動物園に居たやつですね。ちなみにペナントのオーナーさんは外袋のビニールごと壁に貼っていたようで、錆びた画鋲がひとつだけ袋の上から刺さったままでした。

◉日本人がパンダ好きなのか、日本がパンダに適しているのか

ペナントに「世界の珍獣」と書いてあるように、中国にしか野生で生息していないパンダちゃん。写真の康康(カンカン)が蘭蘭(ランラン)と一緒に上野動物園にやってきたのが、1972年(昭和47年)のこと。田中角栄先生が奔走して実現させた日中国交正常化を記念して贈呈されたという経緯をぬるっと知っていたので「なにやら政治的な匂いがパンダにはするなあ」と思っていたんですが、よくよく調べてみると最近はWWFの監視のもと、商業的な目的で発生したお金は全てパンダのために使われているとか、いろいろ規制がしっかりされてるようなので、パンダを出汁にあくどいことをするとかは難しくなっているようで一安心。それにしても日本人はなぜにパンダが大好きなのでしょう。日本以外ではアメリカとフランス、シンガポールなど10数か国にしかパンダいないようですが、その中でも日本はズバ抜けてパンダの数が多い。下のサイトを見る限り貸し出するにあたって気候条件とかがクリアしやすいってのがありそうですが。僕もアドベンチャーワールドで2回くらい見ました。まあ、確かに愛くるしいっちゃ愛くるしいですけどね。

◉確かにいわゆる熊とは、やっぱり可愛げが違うんだよなあ

今回は、神戸・王子動物園のタンタンがお亡くなりになったというニュースを聞いたので、このペナントを採り上げています。享年28歳ということで、人間に置き換えると100歳近いお婆ちゃんだったそうで、ある意味大往生なのかな。震災復興の活力にもなった四半世紀の人生・・・いや猫熊生は満ち足りたものだったのでしょうか。愛護団体の皆さんは異論があるとは思いますが、子どもたちをはじめ、多くの人たちの心をハッピーにしたことは間違いないでしょうね。タンタン自身も安らかに逝ったと信じたいですね。

◉これからのニッポンのパンダはどうなる?

ワシントン条約などの関係で輸出そのものの条件も厳しくなっているようだし、新鮮な笹しか食べないため食費がかさんだり、レンタル料そのものも高額になっていて飼育を断念する国が増えているようです。一部では「レンタル外交」というビジネスになってしまっているという話もあって、今の日中関係などを見るにつけ、新たに日本にパンダがやってくるのはなかなか難しいのかなと思ったりします。見に行くなら今のうち!かもしれませんね。ただでさえ日本で2カ所でしか観れなくなっちゃったので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?