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酔っ払った翌朝

酔っ払って帰宅、先早くシャワーを浴びる、扇風機さえ騒音に聞こえる。暑さを我慢して静けさを取る。アイフォーンのライトだけを頼りにインスタンスの味噌汁を胃に流し込む。
アルコールへの耐性力がほぼ皆無に等しい私は、3杯飲んだだけで気持ちがいい。洗い物も置きっぱなしにそのまま暗闇の中、目を瞑る。

ぁあ、今日はこんな予定ではなかったのに想定外だ。すぐに帰ってきて軽く勉強するつもりだったんだけどなあ、明日出来るかなあ、したいなあ、ああそういえば 昔テスト勉強から目を逸らし、こうしてお酒飲んだなあ、あの人と。今度いつかあの人とも飲みに行きたいなあ、ところで彼は元気だろうか? 明日誕生日じゃないか…そうか1年経つのかあ、あ、ライン読んだのに既読すらつけてないや、明日返そう。そうそう、そういえば…

久しぶりにこんな風に酔っ払った。普段よりずっと温かい気持ちになる、普段は思い出さないようにしている相手について暫く考え込んだ。あの人のああいう所好きだったなあと思ったり。ヘラヘラヘラヘラが止まらない。妄想や瞑想や幻想が脳内を回る。あることを思い、涙が出てきた。不思議と止まらなくなった…

悲しくも悔しくも虚しくも寂しくも、ある。ただそれらがどんな比重になっているのかは分からない。思うだけで涙が出てきた。不思議だなあ、とも。

翌朝、5時過ぎに目が覚めた。「アルコール 目が覚める」と検索すると アルコールを分解し終えたあとに目が覚めるタイプの人がいるらしい。最近知ったのだが、これは完全に私だった。生憎、吹き抜けの窓を開けっぱなしにしていたせいで、1階で朝食をする父親の微かな物音が目覚ましになった。まあ、ラッキー。

布団から起き上がり、確認する。大丈夫、二日酔いにはなってない。歯を磨く、顔を洗う。水と牛乳を胃に流し、勉強する。5時30分、昨夜の想定外を悔いていた私は 早速さと集中して 軽く勉強、合間に朝食をしたら また勉強。時刻、9時、あと少しで切りのいいところ…気付けば10時までやっていた。想定外の早起きと、無駄なやる気に救われた。一昨日理解に苦しんだ章が何故かスッと入ってきた。ラッキー 

今日はいい1日な気がする。ラッキー

前アルバイト先にいた大好きなパートさんと再開した。想像を超越していた。W不倫してた。
「最高かよ〜。 大好きなパートさんは大好きなままの存在だった。」と思った、口には出さないけれど。

めちゃくちゃ笑ってたけど 胸中にポッカリ、と でっかい穴が空いてるのはすぐに分かる。その穴がちょっとでも狭くなるようにと…彼女に私のこれまでのお粗末や人道に反する行為を掻い摘んで話した。二股かけまくったのも、不倫したのも、嘘貼ったりでノウノウと遊び呆けたのも、好きな人がいても余裕で出会いを探し回ったことも、「やっぱりね〜罪悪感こそが興奮要素っすよ」ってヘラヘラを向けたら 「最悪な女だな」って笑われた。

「でも、好きな人がふたり居るとか、結婚してるのに恋してるとか、本当自分にもよく分からないっすよね」って続けたら深めに頷いてた。

それから暫く好きな人について話し合った。良いも悪いも挙げていってたら自然と下い話しになったりもした。「何に惚れたの?」という問いに答えたとき被せるように「それって好きなの??」というパイセンの的を射る一言「たしかに。これって好きってことではないっすなあ!」という返し。''好き''という実態の無い不毛な議論は行わなかった。好き という言葉の意味を十分理解している。知っているが、知らないフリしてる方が、楽なのも知っている。結局この夜は、異性についての話で持ちきりだった。お互い「悪い女っすね」つていいながらも、たったの1時間濃度高い話をした。

どうでもいいけど、この人は絶対にしてはいけないことをしている気がする。ただそれを否定して拒まれるのも怖かった。大好きな人にケッて思われるのが嫌だった。それに覆面つけるように、満面の愛想笑いで受け入れたフリをした。結婚は、 他の異性との関係を遮断しなければならないことになる。当たり前だが、そうなれない大人もいる。むしろ昨今の出会いの数を見渡すと、後者の方が多いのかもしれない。ただ、家庭が出来てしまってはもう後には退けられない。這ってでも死守しなければならないと思う。それでいても、他人に言えないその一線を超えた場合 墓場まで持っていく覚悟を持つべきだ。

どうでもいいな。
ただただ反面教師にするしかない。
おやすみなさい。


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