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映画分析ノック⑬『天使にラブ・ソングを』(1992)

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映画『天使にラブ・ソングを』ログライン


起「殺人現場を目撃するデロリス」
①:聖アン学院。幼少期のデロリス、お調子者で先生に反抗。呆れる先生「どんな大人になるのやら」
②:ナイトクラブで歌う大人になったデロリス。
③:男・ヴィンスと密会中の愛人・デロリス。夫人と別れる気のないヴィンスに呆れて追い出す。
④:ヴィンスと別れるためナイトクラブの仕事を辞めるという。ヴィンスから妻の毛皮コートをプレゼントされ憤慨。
⑤:毛皮コートをヴィンスに返すため、ヴィンスの部屋に向かうデロリス。マフィア・ヴィンスの殺人現場を目撃してしまう。
⑥:慌てて逃げ出すデロリス。追いかけるヴィンス一味。間一髪、タクシーで逃げるデロリス。
⑦:警察に事情を話すデロリス。エディ警部はデロリスを裁判までの2ヶ月間、とある場所に匿うと言う。

承「修道女になるデロリス」
⑧:サンフランシスコのスラム街にある聖キャサリン修道。嫌がるデロリスを説得するエディ警部。
⑨:修道院長もデロリスの受け入れに難色を示すが、警察からの高額な献金に渋々承諾する。
⑩:修道院長から厳しい忠告を受ける。シスターの格好に着替え、メアリークラレンスと名乗るよう言われるデロリス。
⑪:食堂で他のシスターたちに迎えられるデロリス。食事を「まずい」と言い、取り上げられる。
⑫:畑仕事をするデロリスたち。デロリス、空腹からトマトを盗んで食べる。
⑬:ヴィンスが弁護士を打ち合わせ中。デロリスに懸賞金をかけて探すと宣言。「生死は問わない」と。
⑭:質素な居室を案内されるデロリス。PM9時に就寝する規律に不満が募る。
⑮:AM5時に起こされるデロリス。教会の聖歌隊の歌の下手さに、眠かった目が覚める。
⑯:エディ警部に他の刑事たちが居場所を聞くが、内通者の可能性を疑い教えないエディ警部。
⑰:裁縫をするデロリスたち。他のシスターたちと会話。リノにある先進的なムーンライト修道院から来た設定。
⑱:点描・修道院の仕事をするデロリス(街や教会の掃除)。
⑲:デロリス、窮屈すぎる修道院の生活に耐えかねてエディ警部に電話。…が、相手にされず。
⑳:メアリーロバートから目覚まし時計を貰うデロリス、親切なロバートからの好意に嬉しそう。
㉑:デロリス、こっそり居室を抜けてナイトクラブへ。ついていくロバート、パトリック。JUKEBOXで踊る。修道院に帰ると院長に見つかった…。
㉒:院長に叱られて追い出されそうになるデロリス。修道院に残る条件として「聖歌隊に入れ」と命じられる。(👉MP)
㉓:聖歌隊の練習初日。デロリス、指揮者を任される流れに。デロリスが聖歌隊を指揮すると、随分とマシになる。
㉔:居室にいるデロリス。他のシスターたちの歌声練習が聞こえてきて、満更でもない。
㉕:礼拝でデロリス指揮の聖歌隊が発表、見違える歌唱力。軽快な手拍子と楽しげなリズムに、ミサへの訪問者が増える。
㉖:ゴスペル調の聖歌隊にブチギレる院長。が、オハラ司教は聖歌隊のおかげでミサの訪問者が増え、地域の人々との交流が増えると絶賛。シスターたちは地域に奉仕することが許される。
㉗:点描・スラム街の人々と交流するシスターたち/ミサで歌う聖歌隊/増える修道院への募金。
㉘:修道院の取り組みが話題となりニュースの取材が来る。TVに映りこむデロリス。間一髪でヴィンスには見られなかったが、エディ警部には見られていた。デロリスに忠告するエディ警部。
㉙:ミサで発表する聖歌隊。超満員の観客。(納得いかない院長。)
㉚:ミサ後、司教から「来週、ローマ法皇が来ることになった」と伝えられ、歓喜する聖歌隊。院長が厳粛な歌唱にすべきと提案するが、多数決によって、デロリス指揮の歌唱に決まる。
㉛:院長室でエディ警部からの電話をとるデロリス。エディ警部から「もうすぐ自由になる」と言われるが、複雑な表情で…。院長も他の修道院へ移ると言う。「私は時代遅れ」だと。
㉜:深夜。パトリック、ロバート、ラザラスは、こっそり院長に内緒で買ってきたアイスをデロリスに振る舞う。デロリスはエディ警部から伝えられた自由のことを複雑に思っているが、彼女たちの前では「私たちはいつも一緒よ」と取り繕う。

転「居場所がバレるデロリス」
㉝:他の刑事にエディ警部の伝票が渡る。”聖キャサリン修道院”への多額の献金。ヴィンスに報告する刑事、内通者だったのだ。
㉞:聖歌隊の練習中。エディ警部が来てデロリスに「居場所がバレた」と伝える。が、明日のローマ法皇への聖歌発表のため、逃げることを拒否するデロリス。
㉟:デロリス、トイレに入るフリをして裏口から逃走!しかしロバートと共にヴィンス一味に車で連れ去られてしまう。エディ警部が追う。
㊱:デロリス、隙を見て車からロバートを降ろす。エディ警部に保護されたロバート、聖歌隊たちにデロリスが連れ去られたことを話す。院長はデロリスの正体と事情を皆に話す。彼女を救うことにするシスターたち、リノへ向かうと決意。
㊲:ジェット機のパイロットにリノまで飛ぶようにお願いするシスターたち。彼女たちの圧力に承諾するしかないパイロット。
㊳:リノのナイトクラブでヴィンス一味に縛られるデロリス。銃で始末されそうになるが「彼女がシスターである可能性」から、殺せないでいるヴィンス一味。隙を見て逃走するデロリス。
㊴:逃げるデロリス。助けにきたシスターたちが合流。ナイトクラブ内はシスターだらけになり、錯乱するヴィンス一味。
㊵:ヴィンス一味に捕まったシスターたち。デロリスが撃たれそうになった瞬間、エディ警部が突入!ことなきを得る。

結「ことなきを得るデロリス」
㊶:聖キャサリン修道院。ローマ法皇を前に歌う聖歌隊。デロリス、楽しそうに指揮をする。


映画『天使にラブ・ソングを』分析


■主人公は誰で、どこから登場しているか
主人公は、歌手・デロリス。
冒頭「起」①で、幼少期のお調子者なデロリスが登場。
次の「起」②で、大人になった歌手・デロリスが登場。
💡呆れた教師の「どんな大人になるのかしら……」というセリフから、(こんな大人になりました)というシーンに繋いでいる。


■二番目の人物は誰で、どこで登場しているか
(あまり二番目はいないが)修道院長。
「承」⑨、デロリスを修道院に受け入れることに難色を示すシーンで登場。

物語の中で、主人公・デロリスに敵対する存在として描かれる。
→最後にはデロリスを立派なシスターであると認める変化も描かれる。


■主人公の物語が本格的に始まるのはどこか。それはどんな物語か
殺人現場を目撃してしまったデロリスが、修道院で身を隠す羽目になるシーン。
「承」⑧、デロリスはエディ警部に連れられて修道院にいるが、絶句している顔。
ここから物語の舞台は「修道院」が中心となる。

これは【命を狙われる歌手・デロリスが、マフィアから身を隠すために修道女となり、修道院の聖歌隊を改革してゆく物語】


■物語が大きく転換しているのはどこか

転換点は大きく分けて2つある。

「承」㉒
デロリスが院長から「聖歌隊に入りなさい」と命じられるシーン。

このシーンから、デロリスは聖歌隊の指揮として下手くそな聖歌隊を改革してゆく展開になる。
そんな聖歌隊の存在は、デロリスが修道院を好きになるきっかけとなる。
(最初は嫌だった場所が徐々に好きになる。好きになった頃に、離れなくてはならなくなる)

「転」㉝
デロリスの居場所(聖キャサリン修道院)がマフィアにバレてしまうシーン。

このシーンから、デロリスが再び追われる展開になる。
好きになった修道院(聖歌隊)を今すぐ離れなくてはならなくなり、葛藤するデロリス。
聖歌隊のメンバーたちがデロリスの正体を知り、彼女を救おうと動き出す展開につながる。


■クライマックスはどこか

「転」㊳㊴㊵、一連のシーン。
デロリスがヴィンスたちに捕まって命の危機/デロリスのために走る聖歌隊の修道女たち。
そこへ聖歌隊の修道女たちが助けにきて、ナイトクラブは修道女だらけに……!
修道女たち全員の前でデロリスはマフィアに殺されそうになるが、間一髪のところで警察が駆けつける。

👉クライマックスは、画的にも盛り上がる展開(ナイトクラブに大量の修道女たち)を作ると良い。

マフィアが「こいつは修道女じゃない!」と言うのに対して、
仲が悪かったはずの院長が「彼女は立派な修道女ですよ!」と言い返す。

間接的にデロリスへのメッセージとなっており、物語を通したキャラクターの変化でもある。

👉キャラクターたちがどう変化したのかを描くのもクライマックスの役割。


■主人公が困ること、苦しむことはどこでどんなふうに起こっているか
・愛人であるマフィアが、なかなか夫人と別れてくれない。
・マフィアの殺人現場を目撃し、命を狙われてしまう。
・全くの別世界である修道院で、厳しい生活を強いられる(ダサい修道着/質素な食事/早寝早起/狭い居室/街の掃除)。
・院長がとても厳しく、常に言動や行動をチェックされている。
・エディ警部に泣きつくが、相手にしてくれない。
・こっそり修道院を抜け出してナイトクラブに行くが、院長にバレてしまう。
・下手くそな聖歌隊に入ることを命じられてしまう。
・ニュースの取材に顔が映り込み、居場所がバレそうになってしまう。
・聖歌隊が楽しくなってきた頃に、修道院を離れることになってしまう。
・内通者に主人公の居場所がバレてしまう。
・本番前日にマフィアに連れ去られてしまう。
・ナイトクラブ内を逃げ回るが、マフィアに捕まってしまう。


■逆にホッとするようなことや主人公が喜ぶことはどこで起こっているか
・マフィアの追手から間一髪で逃げることができる。
・警察がマフィアから身を隠す場所を手配してくれる。
・修道女の仲間たちが親切で友好的である。
・自分が修道女ではなく歌手であることはバレない。
・聖歌隊の指揮で手腕を発揮し、周りに認められる。
・地域の人々と交流でき、献金も集まるようになる。
・聖歌隊が話題となり、ローマ法皇が来てくれることになる。
・マフィアに追われる主人公を修道女たちが助けに来てくれる。
・殺されそうになるが、間一髪で警察に助けられる。


■起承転結に分けるならどこまでが起でどこまでが承か

起「殺人現場を目撃するデロリス」
①:聖アン学院。幼少期のデロリス、お調子者で先生に反抗。呆れる先生「どんな大人になるのやら」

⑦:警察に事情を話すデロリス。エディ警部はデロリスを裁判までの2ヶ月間、とある場所に匿うと言う。

承「修道女になるデロリス」
⑧:サンフランシスコのスラム街にある聖キャサリン修道。嫌がるデロリスを説得するエディ警部。

㉜:深夜。パトリック、ロバート、ラザラスは、こっそり院長に内緒で買ってきたアイスをデロリスに振る舞う。デロリスはエディ警部から伝えられた自由のことを複雑に思っているが、彼女たちの前では「私たちはいつも一緒よ」と取り繕う。

転「居場所がバレるデロリス」
㉝:他の刑事にエディ警部の伝票が渡る。”聖キャサリン修道院”への多額の献金。ヴィンスに報告する刑事、内通者だったのだ。

㊵:ヴィンス一味に捕まったシスターたち。デロリスが撃たれそうになった瞬間、エディ警部が突入!ことなきを得る。

結「ことなきを得るデロリス」
㊶:聖キャサリン修道院。ローマ法皇を前に歌う聖歌隊。デロリス、楽しそうに指揮をする。


■三幕だとするとどこが分かれ目か

第1幕「デロリス、修道女となる」
①:聖アン学院。幼少期のデロリス、お調子者で先生に反抗。呆れる先生「どんな大人になるのやら」

㉑:デロリス、こっそり居室を抜けてナイトクラブへ。ついていくロバート、パトリック。JUKEBOXで踊る。修道院に帰ると院長に見つかった…。

第2幕「デロリス、聖歌隊を改革する」
㉒:院長に叱られて追い出されそうになるデロリス。修道院に残る条件として「聖歌隊に入れ」と命じられる。

㉜:深夜。パトリック、ロバート、ラザラスは、こっそり院長に内緒で買ってきたアイスをデロリスに振る舞う。デロリスはエディ警部から伝えられた自由のことを複雑に思っているが、彼女たちの前では「私たちはいつも一緒よ」と取り繕う。

第3幕「デロリス、マフィアに追われる」
㉝:他の刑事にエディ警部の伝票が渡る。”聖キャサリン修道院”への多額の献金。ヴィンスに報告する刑事、内通者だったのだ。

㊶:聖キャサリン修道院。ローマ法皇を前に歌う聖歌隊。デロリス、楽しそうに指揮をする。


■このストーリーを3行で言うとどうなるか
マフィアの殺人現場を目撃してしまった歌手・デロリスは、修道院でシスターとして身を隠すことに。
規律の厳しい修道院での生活にうんざりしていたが、聖歌隊の指揮を任されて修道院での生活が楽しくなる。
結局マフィアに居場所がバレて捕まってしまうデロリスだったが、修道女たちに助けられて事なきを得る。


■このストーリーを15項目くらいの箇条書きにするとどうなるか

・ナイトクラブの歌手・デロリスには、愛人の男・ヴィンスがいる。
・デロリスはヴィンスの殺人現場を見てしまい、マフィアに命を狙われることに。
・追手から身を隠すために、エディ警部の手配で連れてこられたのは「聖キャサリン修道院」だった。
・修道院での厳しい生活に文句ばかりのデロリス、院長と対立する。
・ミサで聖歌隊の歌が絶望的に下手なことに驚くデロリス。
・修道院を抜け出して、こっそりとナイトクラブに行くデロリスだったが、院長にバレてしまう。
・聖歌隊に入れられたデロリスは、指揮者を任されることになる。
・デロリスが指揮をすると、たちまち聖歌隊は話題となり、地域との交流も生まれる。
・聖歌隊の功績が認められ、ローマ法皇の前で歌うチャンスが訪れる。
・警察の内通者からマフィアにデロリスの居場所がバレてしまう。
・聖歌隊の本番前日にマフィアに連れ去られてしまうデロリス。
・修道女たちがデロリスを助けに行くことを決意。リノへ向かう。
・マフィアと修道女たち、背水の陣となった状況で警察が突入し、ことなきを得る。
・ローマ法皇の前で楽しそうに聖歌隊を指揮するデロリスの姿。


面白いと感じたポイント


■キャラクター

ー主要人物ー
歌手・デロリス
修道女・メアリーロバート
修道女・メアリーパトリック
修道院長
マフィア・ヴィンス
警部・エディ

ーサブキャラー
ヴィンスの手下①
ヴィンスの手下②
警察の内通者
歌手①
歌手②
オハラ司教
修道女・メアリーラザラス
他、修道女たち

👉「品があって禁欲的」な修道女のイメージとは真逆の「下品で欲まみれ」な主人公を設定
真逆の性格に設定するからこそ、物語の過程で変化が描ける。
今回はデロリスの性格の変化というよりも、デロリスが嫌いな修道院を好きになっていく変化を描いている。

修道女・メアリーロバート:声が小さく控えめな性格
修道女・メアリーパトリック:声がデカく陽気な性格
修道女・メアリーラザラス:プライドが高く禁欲的な性格
👉修道女たちの性格にも個性がある。描き分けをするときの参考になる。


■構成/ストーリー

・『マルモのおきて』構造
👉「嫌いだった場所が徐々に好きになるが、好きになった頃に、離れなくてはならなくなる」

①:主人公が馴染みのない環境に置かれる。
②:最初はその環境が嫌だったり苦手だったりして、逃げ出そうとする。
③:何かのきっかけや交流を通して、徐々にその環境が好きになる。
④:もっと好きになりそうなタイミングで、その環境を離れなくてはならなくなる。
⑤:その環境で敵対していた人物たちが、主人公を救ってくれる。

この構造は、他にも……
『刑事ジョン・ブック/目撃者』
『夏目家泥棒綺譚』(テレ朝大賞受賞作)
などがある。

また「好きになる」にはきっかけが必要。
本作の場合のきっかけは「聖歌隊」。

きっかけ(聖歌隊)が、物語の中心イベントとなる場合が多い。

『刑事ジョン・ブック/目撃者』=きっかけは「未亡人の彼女の存在」。
『夏目家泥棒綺譚』=きっかけは「学問を学ぶこと」。


・聖歌隊のシーンは何回あるか?
👉しっかりとした描写は3回(前後に「前振り」1回と「結果」1回がある)

0回目「前振り」
⑮:AM5時に起こされるデロリス。教会の聖歌隊の歌の下手さに、眠かった目が覚める。

1回目「練習」
㉓:聖歌隊の練習初日。デロリス、指揮者を任される流れに。デロリスが聖歌隊を指揮すると、随分とマシになる。
㉔:居室にいるデロリス。他のシスターたちの歌声練習が聞こえてきて、満更でもない。

2回目「初発表」
㉕:礼拝でデロリス指揮の聖歌隊が発表、見違える歌唱力。軽快な手拍子と楽しげなリズムに、ミサへの訪問者が増える。
㉖:ゴスペル調の聖歌隊にブチギレる院長。が、オハラ司教は聖歌隊のおかげでミサの訪問者が増えると絶賛。

2.5回目「反響」
㉗:点描・スラム街の人々と交流するシスターたち/ミサで歌う聖歌隊/増える修道院への募金。
㉘:修道院の取り組みが話題となりニュースの取材が来る。TVに映りこむデロリス。

3回目「名物」
㉙:ミサで発表する聖歌隊。超満員の観客。(納得いかない院長。)
㉚:ミサ後、司教から「来週、ローマ法皇が来ることになった」と伝えられ、歓喜する聖歌隊。

3.5回目「結果」
㊶:聖キャサリン修道院。ローマ法皇を前に歌う聖歌隊。デロリス、楽しそうに指揮をする。

👉聖歌隊が下手すぎる、という事前情報を前半で挟んでおく。
デロリスが無断外出したことの罰として「聖歌隊に入りなさい」の筋が通る。
嫌がっていたデロリスだが、歌手として聖歌隊の改革をするようになる。


・デロリスと一緒にロバートまで連れ去られた意味は?
→ロバートが聖歌隊にデロリスが連れ去られたと伝え、院長に説明責任が発生する。
→聖歌隊みんなで助けにいく展開へ。

💡おそらく最初はデロリスのみが連れ去られる展開だった
→だとすると聖歌隊の皆が「デロリスが本番直前で出て行った薄情な奴だ!」となってしまう。
→聖歌隊の誰かがデロリスが連れ去られた瞬間の目撃者となれば良いかも?
→でもそうすると、デロリスがどこに連れ去られたのか分からない
→一人がデロリスと一緒に連れ去られて、リノのナイトクラブ「ムーンライト」に向かうと聞けば良い
→そのまま連れ去られては仕方ないから、途中で降ろさせることで、聖歌隊にデロリスの行き先が伝わる。
→自然にデロリスが連れ去られたこと、助けにいこう!という流れになる。

・カットバックは2箇所
①(導入部)デロリスがヴィンスの部屋へ向かう/ヴィンスが人を殺害しようとしている
→近付いては行けないところに、主人公が近付いていってしまう……!

②(クライマックス)デロリスに迫る命の危機/デロリスを助けに向かう聖歌隊
→間に合ってほしいところに、間に合うかどうか分からない……!

👉物語の導入部/クライマックスにおいて、
ハラハラさせることでシーンを印象付ける役割を担っている。


・点描も2箇所
①デロリスが修道院に来て、厳しい生活を強いられているシーン(各所の掃除)。
 →デロリスがうんざりして警部に電話するまでの時間経過をショートカットする役割
 →他の修道女たちがデロリスに話しかけるシーンが唐突にならないようにする役割

②聖歌隊の功績が認められ、スラム街の地域の人々と交流するシーン(人々との交流/地域の掃除/集まる募金)。
 →聖歌隊が有名になってゆく過程をショートカットする役割。
 →デロリスにとって修道院が居場所になってゆく過程も見せている。

👉物語を前へ進めたい時=その過程は特にじっくり描く必要が無く「前後の差」を見せたい時
 「前後の差」「物事の結果」「仲良くなる過程」など。


・内通者がいる、という事前情報
👉いずれデロリスの居場所が内通者にバレてしまうのではないか、とハラハラさせる。
👉内通者は誰なのか、というサスペンスにもなる(本作はその要素は薄め)


■セリフ

■小道具


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