関西大学の現代文【大学入試現代文analyze㉕】2023版
〇前回の分析
〇分析にあたって
今回は関西大学の全学部日程を2/1~2/3を「前半日程」、2/5~7を後半日程」として分析する。
また、各年度において分析可能であった日程のみを抽出している。分析年度は2年分とする。(日程が多いので)
〇マクロ分析【問題構成など】
・年度別の合格者最低点の分析(全学部入試の平均)
2023 67%
2022 68%
2021 68%
2020 72%
あくまでも総合成績の数値なので国語や現代文の必要得点率を正確に示しているわけではないが、だいたい70%ぐらいが求められる最低得点率と言えるだろう。目標点は75~80%と考えておけばよいだろう。
・設問別分類
・【分析】
①問題構成が日程によって異なる
【前半】漢字7題(書き取り2題+選択肢5題)+選択肢問題5題+記述50字
【後半】漢字5題(選択肢5題)+選択肢問題7題
②選択肢問題中心(前半日程の漢字の書き取りと記述以外は全て選択肢)
③総合情報学部は前半日程の記述問題がない。その代わりに選択肢問題。
〇ミクロ分析【文章/設問の分析】
<文章>
【分析】
・文章量 : かなり多い
→他大学(主に私大)と比較すると、1.3倍程度の文章量である。時間の余裕もあるが、文章量はかなり多いという認識で構わないだろう。
なお、前半日程は5,000字程度、後半日程は5,500字程度である。記述問題のある前半日程の方がやや少なめなのは配慮を感じる。
・文章の傾向:哲学系
→基本的にはランダムな出典なのだが、結局哲学に関するものが多い。突き詰めれば多くの文章は哲学に帰着するともいえるが。
<設問>
【漢字】標準的 : 全問正解を目指す
【選択肢問題】
<換言問題> 98%
<理由説明> 2%
→換言問題はほとんど(換言問題の中の98%)が定義語換言である。本文中の定義を確認することが求められる。これは傍線部のない作問によるところが大きい。比喩換言や指示語換言は傍線部があってこそ成立する。傍線部のない関西大学の現代文は定義語換言中心になるのだ。
【記述問題】
基本的には文章の最終部分に関わる記述となっている。
他の私大に比べるとやや難しい印象があるが、設問分析をして確実に得点(部分点を含む)したい。
〇対策法
・想定時間配分
試験時間:75分
想定時間配分
現代文:45分程度
→分量が多いので45分は欲しい。
・解答作業について
文章を読みながら解くことを勧める。そして、先に設問を見ることを勧める。これは傍線部がないので「何が聞かれるのか」を頭にいれつつ作業するためである。
また、文章は論のまとまり(内容のまとまり)を切り分けつつ読み進めよう。小見出氏がある場合はその単位で構わない。設問は基本的に文章の内容の順番に作られている。
まとめると
⑴ 設問を先に見る
⑵ 文章を論のまとまりを意識して読む
⑶ ⑵の単位で設問を解く
という作業が求められる。
・タテ?ヨコ?
タテ(過去問を古い年度まで掘り下げて実施)でいいだろう。傍線部のない問題は類を見ないものなので、関西大学の過去問を日程・年度に拘わらず解きまくることが良いだろう。
以上。次回は関西学院大学の分析です。
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