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早稲田大学商学部の現代文【大学入試現代文analyze②】

前回の一橋大学の分析

〇マクロ分析【問題構成など】

・年度別受験者平均点と合格点の想定

2023 36点/60点
2022 37点/60点
2021 37点/60点
2020 38点/60点

だいたい36~38点が受験者平均点である。つまり、6割だ。
ここから合格に必要な点数を考える。

たとえば、2023年入試の合格最低点(地歴型)は131点である。
公表されている英語、国語、地歴の受験者平均点を足すと101点となる。
両者の差の30点を配点(英語80 国語60 地歴60)で傾斜配分すると、国語で9点の加算が欲しい。つまり、45点となる
ただし、2023年は英語の平均点が低く、差がついた可能性があるのでそこも加味しても42点、つまり7割程度が合格点と考えられる。

・設問別分類

設問別の分類

・【分析】

①設問数は10から11問
選択肢と空欄補充問題が中心。
脱文挿入・文整序は直近では出題された。
抜き出し/記述は直近では出題されていない
選択肢と空欄補充以外は出たり出なかったりである

〇ミクロ分析【文章/設問の分析】

<文章>

【分析】
・文章量 : 標準的
→ 通読で7~8分程度か。
・文章の傾向 : ほぼランダム
経済関係の出典は昔から多いが、近年は哲学、論理学の文章が出典となることも。なお、経済学と商学(経営学)は似て非なるもの。

<設問>

【漢字】やや難
2023 等閑  2021 糾弾
  など難しいものも。
2/3問死守ぐらいのイメージ。

【選択肢問題】

選択肢問題の分類(

換言問題が全体の75%。理由説明問題が非常に少ないという結果に。
内容一致問題はそもそも出題されて1題のみなので、「ほぼ出る」という感じか。

また、換言問題を➀指示語換言 ②比喩換言 ③定義語換言に分類すると、以下の通りとなる。

➀指示語換言 25%
②比喩換言  17%
③定義語換言 58%

ここから、傍線部中の言葉が本文でどのように定義されているかを考える「定義語問題」の出題が多いことが挙げられる。

【空欄補充問題】
語句を挿入する問題と文章を挿入する問題に分けられる。
問題は前者である。空欄補充なので前後の文脈から適語を考える、という作業なのだが、そこに「語彙力」の有無が絡んでくる。つまり、空欄に入る適切な内容が分かっても適切な語を選べなければ正解できないのだ。これは早稲田の他学部でも同様である。

〇対策法

・想定時間配分

試験時間:60分
想定時間配分
大問1 25~30分
→そもそも、古文漢文は小問数で合わせて12問程度。
もちろん、読解速度は現代文よりも落ちるが、それでも問題数を考えれば30分位で処理したいだろう。
現代文に30分「かけられる」状態まで古文漢文の読解速度、解答力を上げてほしい。

・設問別の対策法

【選択肢問題】
本文中の解答根拠と正解の選択肢が「同じ意味の別表現」となっていることを確認する。
たとえば2022年の問四の問題。

<根拠> 原則的に調停不可能となった
<正解> 例外を設けないと両立できなくなった

原則で対応できない=例外を設けるという対義語を踏まえた換言を理解できると解答を出すのはそこまで難しくないが、それが出来ないと時間を浪費するだろう。

これは早稲田に限ったことではないが、「同じ意味の別表現」を見抜く力がとくに求められるのが早稲田大学の現代文(と共通テスト・センター試験の現代文)なのだ

【空欄補充問題】
先述の通り。

【その他の問題】
文整序はパズルである。選択肢同士の組み合わせから全体像を作り上げる
脱文挿入は脱文内容を確認する。接続語や指示語ばかりに頼らない。脱文内容から挿入すべき箇所を決定する。

【たまに出る特殊な問題】
これは対策できない。共通テストの最終問題に通じるものであるが、「これまで勉強してきた現代文の力を総動員してとりかかる」のが最善手である。
ただし、その場合も「設問の指示」をしっかり読むこと。何を答えるかが分かればすんなり解けるものも多い。

・タテ?ヨコ?

タテ過去問を古い年度まで掘り下げて実施)を数年分解いたら、ヨコ(早稲田の他学部)の問題も現代文は手を広げてみてもいい。
また、選択肢問題の本文中の根拠と正解選択肢の対応の基礎練習としてセンター試験(共通テストも)も有効だ。これは共テ対策と並行して実施するイメージでOK。

<理由>
・選択肢問題の練習(タテ・ヨコ)
・その他の文整序・脱文挿入問題の練習(ヨコ)
・空欄補充問題の練習(ヨコ)

以上。次回は北海道大学の分析です。

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