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2021最難関国立大学入試分析① 北海道大学

こんばんは。ご無沙汰しております。

2月は国公立大学前期試験対策に加え、各予備校の新学年のスタート、そして所属予備校の解答速報業務でなかなか忙しい日々を送らせていただきました。

3月に入り、20日ごろまでは国公立大学後期対策を除いて基本的には各予備校のテキスト作成に追われております。これもなかなか大変です。

そして、そんな中でもやはり細心の入試問題には触れておこう!ということでこれから細々と入試分析を行います。

なお、こちらの分析は所属予備校で担当した大学については除外します。「なぜここが抜けてる?」と思われたら、そういうことだと思ってください。笑

また、模範解答を載せるものではなく、単純に難易度を例年比/問題そのものについて論じていくことが本シリーズの目的です。

というわけで初回は「北海道大学」です。
※なお、国公立大学入試分析は4月以降に中日本から再開していきます。

ちなみに昨年までの分析はこちら


・大問1【文章】

『心にとって時間とは何か』青山拓央

<字数> 約4,000字(例年3,000字弱なのでかなり長い)
<内容> 時間認識についての哲学的文章

・大問1【設問】

※設問の難易度は「平易→やや平易→標準→やや難→難」という基準です。

問1 漢字 
→ 平易。全問正解が求められる。
問2 指示語換言問題
→ 平易。指示語内容は直前で、字数も短いがまとめられる。落とせない問題
問3 比喩換言問題
→ やや平易。「しおり」については第5、7段落にまとめられている。根拠となる部分も比喩的な表現を含むが、換言がそこまで難しいものではない。取っておいてほしい問題。
問4 理由説明問題
→ やや難。根拠は前後にあるが、因果関係を作り切れるかがポイント。まとめきるにはやや力がいる。これは内容の理解が浅いと解きにくいと思われる。差のつく問題。
問5 比喩換言問題
→ やや難かも。20~21段落の内容を踏まえて比喩内容を処理し、「認識の内容に無関係」を最後に換言する。文章内容の理解が前提になるので、作業のみでは処理できない点で難しいかも。正解に近ければかなり差がつけられる問題。しかし、全体としては差がつかないかも

・大問2【文章】

『すばらしい「まだら状」の新世界』 池内恵

以下の雑誌に寄稿されたもののようです。

<字数>約2,600字 平年並み
<内容>ポスト国民国家の現代社会の在り方を「まだら」と形容している。

・大問2【設問】

問1 抜き出し
→ 平易。文章を追っていけば問題なし。傍線部の近くを見ろ、みたいなインチキ指導を受けていない限り取れる。落とせない問題
問2 具体例を挙げる
→ やや平易。具体例を本文中から上げるのか、それとも自分で考えるのかの指示がないのでやや困惑するかも。しかし、問題としては平易の部類。落とせない問題
問3 換言問題
→ 標準からやや難。これが80字記述の問題なら平易なのだが、40字となると、まとめる箇所をミスすると完全にアウト。そのいみで「やや難」もありうると判断。これは差のつく問題
問4 指示語換言問題
→ 標準。条件が二点あることを見抜ければ問題なし。ただし、情報通信技術に触れていないならば×を食らうかも。その意味で少しだけ差がつくかも。
問5 比喩換言問題
→ やや難。文章全体を踏まえて「まだら」の意味を考える。「分断」当たりの言葉が導出できるかが問題。問三・四とも少し連動している。受験生がどこまで書けるか…。結果として差がつかない問題になるかも。

・全体像

あいかわらずの良問揃い。しかし、今年は例年よりも差がつかない問題構成かもしれない。

それでは。




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