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早稲田大学社会科学部の現代文【大学入試現代文analyze⑥】2023版

前回の分析

〇マクロ分析【問題構成など】

・年度別受験者平均点と合格点の想定

2023 22点/40点
2022 29点/40点
2021 24点/40点
2020 30点/40点

バラつきがある。22~30点が受験者平均点である。そしてやや隔年傾向もあるように見受けられる。気になったので2019年のデータも確認してみると25点。難しい年である。ここ5年間は奇数年が難しく、偶数年が(やや)易しいということになる。目安程度に認識してくれるとありがたい。(責任は取らない)
つまり、偶数年は7.5割、奇数年は6割ぐらいが受験者平均点である。

ここから合格に必要な点数を考える。2024年試験を見据えるために2022年のデータをもとに算出する。

2022年入試の合格最低点は89点である。ここでは90点で計算しよう。
公表されている英語、国語、日本史(地歴・数学の中で平均点が真ん中の科目)の受験者平均点を足すと75点となる。
両者の差の15点を配点(英語50 国語40 地歴40)で傾斜配分すると、国語で5点の加算が欲しい。つまり、34点となる
よって、平易な年度(偶数年)は8割以上の得点が必要となると認識されたい。

・設問別分類

設問構成

・【分析】

①設問数は10~11問
選択肢と空欄補充問題が中心。
文整序は直近2年間で出題された。
④2022年以降、作問傾向がやや変わった?

〇ミクロ分析【文章/設問の分析】

<文章>

出典と文字数

【分析】
・文章量 : やや少なめから標準的
→ 早稲田大学の横向きの問題用紙で2ページならばやや少なめ(通読に5-6分)超えていれば標準的(7分程度)と考えてよいだろう。
・文章の傾向 : 現代社会に関する文献がやや多め?
→社会科学部のみならず早稲田の出典は現代社会にまつわるものが多い。2023年も当然のごとくコロナに関する文献を出典としている

<設問>

【漢字】やや平易
全問正解を目指そう。

【選択肢問題】

選択肢問題の分類

2022年以降と2021年以前で大きく傾向が異なる。
2022年以降は理由説明問題が増加し、2021年以前はほぼ換言問題しか出題されなかった
また、2022年以降の換言問題は具体化換言や逆接で繋ぐ内容を考える問題(これは教育学部でも出題された)が出題された。やはり作問者が変わったのではないかと思われる

なお、理由説明問題は傍線部を結果とし、その原因(=理由)を考える問題である。2022年以降の問題は原因の一角となる要素を本文から押さえてそれと「同じ意味の別表現」の選択肢を選べばよい。(論理的な推測が必要となる問題が少ない、と捉えていただければよい。

【空欄補充問題】
語句を挿入する問題と文章を挿入する問題に分けられる。この点は商学部に近い。
よって以下は商学部の分析と同じ文章を再掲しておく。

空欄補充なので前後の文脈から適語を考える、という作業なのだが、そこに「語彙力」の有無が絡んでくる。つまり、空欄に入る適切な内容が分かっても適切な語を選べなければ正解できないのだ。これは早稲田の他学部でも同様である。

〇対策法

・想定時間配分

試験時間:60分
想定時間配分
大問1 25分程度
→後半の古文漢文融合問題の方が手がかかる印象である。よって後半にに35分「かけられる」ように現代文をなんとかしたい。

・設問別の対策法

【選択肢問題】
本文中の解答根拠と正解の選択肢が「同じ意味の別表現」となっていることを確認する。

これは早稲田に限ったことではないが、「同じ意味の別表現」を見抜く力がとくに求められるのが早稲田大学の現代文(と共通テスト・センター試験の現代文)なのだ

【空欄補充問題】
先述の通り。

【その他の問題】
文整序はパズルである。選択肢同士の組み合わせから全体像を作り上げる
脱文挿入は脱文内容を確認する。接続語や指示語ばかりに頼らない。脱文内容から挿入すべき箇所を決定する。

・タテ?ヨコ?

タテ過去問を古い年度まで掘り下げて実施)を数年分解いたら、ヨコ(早稲田の他学部)の問題も現代文は手を広げてみてもいい。おすすめは教育学部である。
また、選択肢問題の本文中の根拠と正解選択肢の対応の基礎練習としてセンター試験(共通テストも)も有効だ。これは共テ対策と並行して実施するイメージでOK。

<理由>
・選択肢問題の練習(タテ・ヨコ)
・文整序(タテ・ヨコ)
・空欄補充問題の練習(タテ・ヨコ)

以上。次回は大阪公立大学の分析です。

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