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スポーツ選手のデュアルキャリアについての考察。

ぼくが小さい頃から唯一ずっと続いて好んでいることがあります。

それは、「スポーツ」

おそらく、日本ではかなり多くの人がそういった経歴を持っているんじゃないでしょうか。

小中、高校と運動部で部活をとりあえず、やる。

「別にプロになれる気しねぇし。」って、大学から他のスポーツもしくはサークルに入り、本気でやらなくなる。

見るのが専門で、やたらといろんなスポーツに意見を言いがちになる。

動くのすらしなくなる。

太る。

荒木の完成。

こういう図式です。

あるあるすぎてぐうの音も出ないと思います。


ただ、ぼくが子供の頃とは時代が圧倒的に変わってきています。

野球一強時代は終わりを告げ、テレビで野球が放送されなくなり、ケツバットをするような体罰指導が許されなくなり、さらには実際に体を動かさないeSportsのようなものまで生まれつつある。

スポーツというものの在り方が変わりつつあると思います。

そしてさらには、スポーツ選手個人それぞれが変わりつつあるということも感じます。

その流れは、主にSNSをはじめとしたインターネットの役割が多いように感じます。

昨日今日と、2つのネットニュースが奇しくも同じタイミングで似たようなイメージのサービスが登場しました。

一つは以前からすごく注目していたサービス。「whooop」

スポーツチームや、個人アスリートをトレーディングカードに見立てて、コレクションするようなものです。

まだまだ出来たてホヤホヤで、チーム数や使い方もこれから増えるかと思いますが、これからが楽しみなサービスです。

もう一つは、同じくスポーツのチームや選手を投げ銭で応援するというもの。

これにはNEMという仮想通貨を使用し、デジタルの投げ銭で直接応援しようというものです。

同じタイミングで出てくるのがすごく興味深いですが、新しいスポーツ支援文化の登場だと思います。


最近に限らず、かねてからスポーツ選手はデュアルキャリアで、本業のスポーツ以外で個人でビジネスをするという人は少なからずいたようです。

古くは、板東英二さんがジュークボックスの販売をしていたりしていたことや、最近で一番有名なのは、サッカーの本田圭佑選手でしょうか。

海外のスポーツ選手もそれらの活動は顕著で、最近ではニューヨクヤンキースのレジェンドデレク・ジーター選手が、引退後すぐに以前イチロー選手が所属していたマーリンズを買収したり、いろんな選手が選手時代から副業としてビジネスを始め、失敗したり成功したりを繰り返しているそうです。

しかし、海外、とくにアメリカの場合は、NFL選手の引退後80%、NBA選手の約70%は自己破産をしているというデータがあるそうです。

いろんな要因はあるでしょうが、華やかな時代を経験したのちにビジネスの世界に飛び込み、経験したことのない大きな挫折を繰り返したんだろうと想像できます。(想像できますといいながら、そんな世界経験したことないので、全然想像できてない)



引退後の選手の進路はおそらく3つになるのかなと。

1、そのままその競技のコーチや監督になる
2、就職活動をしてサラリーマンになる
3、起業する

おそらく多くは1をイメージすると思いますが、実際ここは非常に狭き門。

例えばサッカーを取り上げると、JリーグをJ3まで含めて60チーム弱。ということは監督は60人。コーチはその15倍くらいいるとすると、全部で900人。

ここには明確な引退ルールもないため、入れ替えもなかなか簡単に行われません。

チームにはだいたい選手が30人くらいいると考えると、1800人。そこからそのまま全員コーチになったとしても、900人溢れるわけです。

もちろん全員がなれるわけではないので、もっと多くの人数がそのまま他の職業に就く必要がでてくるわけです。

サッカーの場合はこうですが、野球の場合も同じことが言えると思います。

用具係や球団の職員なども合わせると、もう少し幅は広がるものの、それでも十分ではありません。

では、多くの人の選択肢は自然と2になるわけです。

つまり、就職活動をして、会社員になることを選びます。

逆にアメリカだと、3を選択して、失敗して自己破産という流れなんだと思いますが。。



1以外の選択肢を選ぶ時に、何が問題かというと、それまで他の世界を見たことがない人が多すぎるということです。

やっているスポーツ以外知らない。

ファンが気付いたらいる。

スポンサーは会社が見つけてきてくれる。

プライベートは基本的にチームのメンバーと。などなど。

それが、30歳前後まで続くと、マナー等も学習できない状態で、22歳の新入社員と横並びのような状態でスタートするわけです。

スタート当初こそ「元選手だから」ということで尊敬というか注目を浴びることがあっても、5年経てば人間ですから忘れる人も多いでしょうし、会社での成績がすべてになります。

こわい世界です。



じゃあどうするのがいいのか。

やっぱりぼくは「デュアルキャリア」を推奨したいんです。

やはりこのことを話すタイミングで絶対に上がる声は、「本業はスポーツだろ!」「練習ちゃんとしろ!」「24時間365日集中しろ!」という世間の声。

もしくは「チームメイトがこうしているから」という同調圧力。

そのすべてが選手には襲いかかってきます。

この場合、ファンが求めるのは、選手としての「今」の「活躍」のみになるんですよね。

もちろんそれもいいでしょう。

懇意にするチームの勝ちがすべてだという気持ちもわかります。

ただ、それって選手が駒になっちゃってますよね。

多くの人が熱狂するのは、その人たちに夢とか希望を託しているからだと思うんですけど、その熱狂とは裏腹に、個人を見ていないわけです。

個人を見るのであれば、その人の全部を見てあげてもいいんじゃないかと思うんです。

ぼくはそういう感じでいつも個人を応援するようにしてます。

たとえば今治の場合、プロリーグに一番近いのはサッカーのFC今治で、ぼくはもう3年以上密着させてもらってますが、やっぱりそれぞれの個人にすごく興味があります。

チームとしてもちろん応援してますが、やっぱりチームの構成上、毎年入れ替わりが多く、いろんな選手が所属します。定着する選手は半分ほどです。

多様な働き方があまり見られない地方では、きっと選手は活動しづらいんだろうなと思います。

もちろん仕事の量や種類、出会う人も都会とは大きく違うので、なかなかキャリアをもう一つ持つということは困難だとは思いますが。

また、先述のように、結果が伴わなければ「もっと本業頑張れ!」みたいなことになるかと思います。

ただ、これって普通に会社員してても同じですよね。

公務員とか、少し専門性、機密性の高い仕事以外は、本来副業というのは認められるべきなわけで。

スポーツ選手だけ副業しちゃダメ!なんてことはないと思うんですよね。

ぼくは基本的にいろんな仕事とか世界を知っているほうがいいと思っている人間なので、常にそういう考えには疑問をもつわけです。

実際会社員時代も副業(バイトとBARしてた過去)してたので。

そこから見える世界って新鮮で刺激的だったわけです。

そうした意味でも、ぜひプロスポーツ選手もデュアルキャリアを選択してほしいなと思うわけです。



じゃあ具体的に何をすればいいのか。

やっぱり「影響力を高めること」だと思いますね。

積極的にSNSを活用し「選手である」というブランドを利用し、伸ばせるところまで伸ばした上で、就職するなり、起業する。

マナーとかは後から学ぶことはできるんですけど、実際影響力をはじめからもった上で入社してくる新入社員なんか多くないわけですからね。

そこを一気に出し抜けるチャンスで、企業側も影響力を持つ人を雇いたいと考えるはずです。

そのために、週末起業のようなものもいいでしょう。

カフェや、アパレルのブランドもいいでしょう。

インターネットサービスを作るのも、SNSで必死にフォロワーを増やす人がいてもいいかもしれません。

まずは興味を持ってもらって、チームから払われるサラリー(年棒)以外にも収益源を持つイメージを持つほうがいいわけです。

あくまで全員が個人事業主。

それができるはずです。

できないのは、同調圧力であったり、チームの古い考えだったりするわけです。

そこは契約社会なので、契約次第でどうとでもなるはずです。

そうして高めた価値を、次のキャリアでさらに磨いて、輝かしい世界をさらに進んで欲しいわけです。



ぼくはそういう道を目指すことができなかったので、すごく羨ましくもあり、それに負けない何かを持つべきだなとも思って頑張っています。

サッカーの本田圭佑選手や、テニスの錦織選手みたいな大金は稼げなくても、自分の価値を高める努力は誰でもできるわけです。

上記のリンクであった新しいサービスが生まれると、選手同士の格差も顕著になるかもしれません。

個人が目立つ世界になると、格差が明確になります。

そうして可視化された部分を冷静に分析し、100年生きると言われるこれからの人生につなげるべきだと思っています。




なぜこんな話をしたかというと、実はビズリーチという転職サイトにわざわざ登録し、今回フェンシング協会の副業限定の職に応募してみました。

もちろん書類選考で落ちる場合もあるんですけど、何かスポーツに関われる仕事は少しずつでも自分で取り組んでいきたいなと思っています。

そうしたまた自分の中でも新しい分野で新しい発見をしていく機会を作り、世の中に価値をつけていければと思っています。



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