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本当にそれで、座席を確保したつもり?

フードコートの魅力は、自分が食べたいものを相手の都合度外視で食べられることだと思っている。

このシステムは家族連れにもカップルにも、友達グループにとってもありがたい話ではないだろうか。だって気分じゃない店の気分じゃない料理を選ぶ必要はなく、本当に自分が食べたいものをたくさんの選択肢から選ぶことができる。
しかも別ジャンルの食べ物を持ち寄ったら、シェアしたり会話のフックにしたりすることもできるだろう。今さらながら「フードコート」って、もっと見直されていい画期的なシステムではないだろうか。アメリカナイズされたものにやはり間違いはないのだと感じる。
特に初デートの場合なんかは話題づくりが分水嶺ともなりかねないので、お互いの好きなものを持ち寄るフードコートは、話題の宝庫だ。

さて今回ぼくの場合は、長年付き合っている彼女とのフードコートだった。
彼女が食べたいのはカツ丼。ぼくが食べたいのは本場・札幌の味噌ラーメンだったので、それぞれ別の店舗に並ぼうとしたところ……。
座席問題にぶち当たった。
ざっと見回してフードコート内は満席。ところどころ空いているように見えるものの、よく見たらテーブルの上にはハンカチやら飲みかけのペットボトルやらが置いてある。
それで座席が確保できるのも変な話だが、ここは日本。暗黙の共通ルールで「アリ」とされているので仕方がない。

だからぼくらは、先に会計まで終わったほうが空席を確保して、そこで落ち合うという約束をした。

結果、今回はそれで事なきを得たものの、仮に混雑率が120%を超えていたら……と考えると恐ろしい。ブルブルピーピーうるさい番号札を持ちながら、最悪トレーを持ちながらも座れないとなると、せっかくのデートが台無しである。
(ちなみに本当のところ、味噌ラーメンの行列が突出していたので、(彼女のカツ丼が冷めないように)途中でぼくは近江牛のステーキ丼へと鞍替えした。)

ようやく本題に入るが、つまり一番の問題は座席の取り方だとぼくは思っている。
そこにルールがあれば、あるいはユーモアがあれば、全然「アリ」だと思えるかもしれない。だがペラっペラのハンカチやゴミのようなペットボトルを置いたところでの確保にはどうも納得がいかない。
座席を確保するなら、もっと真剣に、アカギ並みのリスクを背負ってほしいのだ。


4枚ほど撮ることができた。

1枚目・ハンカチの群れ。

まずは1枚目。ハンカチが群れ合っている。
きっと3人で来たのだろう。たしかに「この席取ってます!!!」という意思は伝わってくる。だが待てよ、座席は2つしかない。
まあ細かなことはどうでもいい。とにかくそれだけ座りたいのだろう。その気持ちは評価したいと思う。

2枚目・エコバッグ。

2枚目。ナイロン製のエコバッグがテーブル上に広げられている。
この置き方から置き手のせこさが伝わってくる。なるべく大きく見せて、座席確保をアピールしたかったのだろう。

3枚目。キャップ。

3枚目。キャップが置かれている。
これも置き手のせこさというか、若さが伝わってくる。
おそらくは若いカップルだろう。そう考えると応援したいとは思う。

4枚目。ハンカチとスマホ。

最後4枚目。定番のハンカチと、まさかのスマホで、2テーブルを確保している。
あくまでも推測だが、幼い子どもを抱えた若い夫婦だろう。
日本国内の治安がいいとはいえ、スマホを置ける覚悟は称賛に値する。

以上4例を比較すると、最後のスマホには心からの拍手を送りたい。
生きるか死ぬか—―アカギ並みのリスクを背負って、我が子のために座席を確保しているわけだから。


あらためて、フードコートはすばらしい。
そして、みんなそれぞれ座席は確保したい。
となったときに、何かいいアイディアはないだろうか。


調べてみるとこんな商品がある。

個人が所有・携帯できながら、明確に「座席確保」のメッセージを伝えている。しかもただのプレートではなく、背面はミラーとなっているので実用性も備えている。まことにあっぱれな商品である。すばらしい。


とはいえぼくにも、このニッチな状況にはアイディアがある。
いずれ商品化できればと考えているので、フードコートを愛する商品企画部の方からのメッセージを心よりお待ちしています。

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