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変わらなくていいものと変わっていいもの

一応初詣という枠で、奈良は東大寺の大仏さまに手を合わせて来た。

20年以上前に中学の修学旅行で訪れたときは、イヤイヤ行ったんだと思う。きっと同級生とだべりながら、だるさを出すほうがかっこいいと勘違いしながら、参拝時間をやり過ごしたんだろう。
でも今回は当然、自分たちの意思でわざわざ車を走らせた。
消極的参拝から積極的参拝へ。長い時間を経て、個人レベルでは大きな変化があったといえる。

そして20年以上前と何ら変わりのない大仏さまの御姿。その迫力たるや。
こちらの事情で何年経とうが、まったく姿勢を崩すことなく、変わらぬ堂々さで鎮座されていることに感動を覚える。

東大寺と大仏さまの歩みを簡単に振り返ると、奈良・天平時代に造立されてから、何度も何度も修理と造営を続けてきた。その中でも鎌倉期の再建と江戸期の再建が、大きな転換期。
現存する寺観は江戸期に再建されたものだということが、無料でもらった小冊子からわかる。

変わらなくていいものと、
変わっていいもの。

東大寺の大仏殿内。
浮かんでは消える雑念を、自身のなかで見送りながら、大仏さまの背面へと歩みを進める。

忘れていたが、見覚えのある景色。
人々の行列。ある一本の柱を貫く穴。
これをくぐればご利益に授かれる。そういえば、これが東大寺のサブコンテンツだったことを久しぶりに思い出す。

20数年前、学ラン時分の自分もこの行列の一員だったことを、
はっきりと思い出す。

変わらなくていいものと、
変わっていいもの。


東大寺は車イスの貸し出しもやっているし、車イス対応のトイレも4か所あるという。
ただこの記事のヘッダー画像のように、表玄関の段差や設備は“ぱっと見”、高齢者や障がい者にとってはものすごい敷居だと感じた。

そんな彼ら彼女らこそ日常が切迫していて心から参拝したい、
その場所がここだろうことを考えると、
寺社仏閣はまだまだ変われるはずである。

変わらなくていいものと、
変わっていいもの。
(筆者も、当事者として動く準備だけはできている。)

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