美術と「場所」

根津美術館で「繍と織」展、三井記念美術館で「雪松図と能面」展、森アーツセンターギャラリーで「キース・ヘリング」展を鑑賞する。

個々の展覧会としては、三井記念美術館の能面「孫次郎ヲモカゲ」の、見る角度によってかわる表情や「花の小面」の美しさに関心を持つ。また、面の裏面が見える展示により、能役者の見えない状況も改めて確認できた。

また、根津美術館では、能装束において「読み解く」ことが求められる点、組み合わせにより千変万化する魅力、一定の「約束事」のなかで工夫と、その約束事を敢えて破ることもなども思い至る。

森アーツセンターギャラリーでは、ヘリングが地下鉄車両に落書きするということではなく、空いていた広告スペースにグラフィティしたことのモデレートさを意識する。また、クラブというネットワークプラットフォームの意義やエイズによる死を決定的ないものと思いつつの制作などへの思いも。ポスターによる情報発信への注力。

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