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ホワイトボードは白いまま

すこし前から降りつづいている雪は、今朝にはけっこう積もってしまっていた。窓の外にみえる木は雪でおおわれ、地面はところどころが白く隠れている。空はあいかわらず曇っていて、窓をあけると空気はひんやりとする。

こんななかで、トラムにのるのは少し不安だったので、メトロにのって、学校にむかった。メトロはまったく問題なく動いている。むしろいつもよりもすいていて、席もずいぶんとあいているような気がする。駅につき、雪ですべらないようにきをつけて歩いて、学校にたどりついた。

授業の前に、自動販売機でカフェを買おうとして、コインを入れたものの、なにも反応がない。どうやら豆がきれているらしい。こんな雪の中で、業者が豆の補充になんて、これるわけはないよな、とかふむふむと納得をして、横のココアを買う。

クラスにいって席に着き、ココアをのむ。あたたかくてとてもあまい。授業の時間になり、しばらくしても先生がこない。ホワイトボードは、なにも書かれることもなく、真っ白のままだ。これは雪のせいかもな、とかふむふむと納得をして、ちょっと聞きにいってみようということになり、先生たちのいる部屋にいった。

やはり「担当の先生は通勤するためのバスが全部とまってて、これないのよ」ということらしい。「NO BUS!」「NO BUS!」となんども教えてくれた。とても親切でありがたかったけれど、僕らは勉強をするために、こんな雪の降る中、わざわざきたのだ。

「じゃあ今日の授業は?」ときくと、「自習でもして!」ということだった。自習のテキストを何枚かもらい、みてみると、嫌になるくらいひたすら動詞の変化形を書いていくものだった。ons,est,e,es,e,ez、とかをぶつぶつと言いながら書いていった。ずっと変わらず動詞は変化していく。

これは雪のせいではない。

♤寒いとスープがよくすすむ

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