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ギリシアの島、嵐

1月のサントリーニ島は晴れると陽射しがとても強く、暖かく気持ちがいい。

僕たちは滞在先のテラスで陽を浴びながらよくビールを飲んだ。あまりにも暑かったので、Tシャツでも構わないほどだ。

エーゲ海をながめながらぼおっとして、たまにやってくる猫にかまったりして時間をすごした。

島ではほとんどやることもなくなっていたので、散歩をしてはビールをのんで、また散歩をして食事をとり、暗くなってしらばくしたら眠りについて、日が昇るころに目を覚ます。という日々が続いていた。

ギリシアサラダを沢山食べ、ギリシアヨーグルトも沢山食べ、魚やタコやイカのグリルにレモンを絞った食事もよくした。

島でのリズムは身体にとてもよく、陽射しと海からの乾いた風のおかげで、すっきりと身体の隅々があたらしく新鮮になっていくようだった。


そんな気候を心地よくすごしていたところ、立ち寄ったお店の店主の女性に、

「明後日からは嵐がくるよ。」

と教えてもらった。

ギリシアの冬は嵐が多く寒さがとても厳しいものだと、旅行前に調べて想像をしていたので、いよいよそれがやってくるのか、とすこし身構えながらもどんなものかと興味もあった。

結果的にいえば、もちろん嵐なんてやってこない方がいいに決まっているし、移動をした新たな滞在先はまったくといっていいほど、嵐には適していなかった。

滞在先の街をイアからフィラへと移動をし、まわりをひとまず散歩をしてワインやお水などを買い込み、かんたんに近所のタベルナで夕食をとって滞在先にもどった。

若干風が強くなりはじめていた。

新たな滞在先のテラスにはなんとホットタブがついている――旅の途中ぐらいは温かいお湯につかりたいと思い、そこを調べて予約をしていた――ので、天気が悪くなる前にさっとお風呂に入ることにした。

湯船につかった直後に、雨が振りはじめた。

風もさらに強くなり、顔には冷たい雨が吹き付ける。

遠くで落雷の音と光もみえる。
これはまずいということで、部屋にひきあげて窓を固くしめた。

外は風がびゅうびゅうと強くふきつけ、なにかがゆらされ、大きな音がする。
おまけに部屋は寒く、暖房もついてはいるものの、部屋を暖めようとしても外からの冷気におされて、いっこうにその効果を果たしてはくれなさそうだ。

ベットにはいり毛布にくるまり、嵐がすぎるのをまった。

❍フードがついたアウターだと雨が降ったときにとても便利です。

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