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【PMP】資源平準化と資源円滑化

プロジェクト・スケジュール・マネジメントに出てくる資源平準化と資源円滑化の違いがテキストを読んでもよく分からなかったので整理します。

はじめに

プロジェクトのスケジュール管理において、資源平準化(Resource Leveling)と資源円滑化(Resource Smoothing)は、資源の最適な割り当てを行うための技術です。しかし、それぞれの目的とアプローチが異なります。

資源平準化(Resource Leveling)

資源平準化は、資源の過剰な割り当てや不足を解消するために行われます。これは、同時に行われるタスクに割り当てられる資源が限られている場合や、特定の期間で資源が過剰に割り当てられることを避けるために使用されます。資源平準化は、プロジェクトの完了期間を延ばすことがあるものの、資源の使用を効率的に行うことが目的です。

具体的な手法としては、タスクの優先順位を決定し、資源が限られている期間において、優先度の高いタスクに資源を割り当て、優先度の低いタスクの開始を遅らせることが一般的です。

資源円滑化(Resource Smoothing )

資源円滑化は、プロジェクトのスケジュールに対して、資源の使用を最適化することを目的としています。これは、資源の割り当てが一定の範囲内で変動し、ピークや谷を持たないようにすることを目指します。資源円滑化は、プロジェクトの完了期間に影響を与えず、資源の使用を安定させることが目的です。

具体的な手法としては、タスクの開始や終了を調整し、資源の割り当てが一定の範囲内で均等になるようにスケジュールを調整します。ただし、この調整はプロジェクトの完了日に影響を与えない範囲で行われることが前提です。

具体的なプロジェクトで整理

資源平準化

あるプロジェクトでは、3人のエンジニアがチームに所属しています。プロジェクトのスケジュールでは、週1であるタスクA、タスクB、タスクCが同時に実施されることになっています。ただし、タスクAとタスクBは専門的なスキルを持つエンジニア1が担当しなければならず、タスクCはエンジニア2とエンジニア3が担当します。この場合、エンジニア1に過剰な負荷がかかり、資源が適切に割り当てられていない状況が生じます。

資源平準化を適用することで、タスクAとタスクBの実施スケジュールを調整し、エンジニア1が各タスクを順番に実施できるようにスケジュールを変更します。この調整により、エンジニア1の負荷が適切になり、資源の割り当てが最適化されます。ただし、この変更によりプロジェクトの完了期間が延びることがあります。

資源円滑化

あるプロジェクトでは、5つのタスクがあり、それぞれ2日間で完了する予定です。プロジェクトの初期スケジュールでは、最初の週にタスク1とタスク2が同時に行われ、その次の週にタスク3、タスク4、タスク5が同時に行われる予定です。この状況では、最初の週には資源の使用が低く、次の週には資源の使用が高いピークが発生します。

資源円滑化を適用することで、タスク1とタスク2を最初の週に、タスク3とタスク4を次の週に、タスク5をさらに次の週に実施するようにスケジュールを調整します。これにより、資源の使用が一定の範囲内で安定し、ピークや谷がなくなります。ただし、この調整はプロジェクトの完了期間に影響を与えない範囲で行われます。

まとめ

資源平準化は資源の過剰割り当てや不足を解消し、効率的な資源使用を目指す一方で、プロジェクトの期間が延びることがあります。資源円滑化は、プロジェクト期間に影響を与えず、資源の使用を安定させることを目的としています。

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