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他責思考との向き合い方

他責はよくないと聞くけれどほんとうにそうなのでしょうか。他責、他責思考についてわかっているわけでもないのに自信を持って「よくない」とはいえないな…、と思っています。

相手がどうこうというより、私自身がどういう状況でどんな感情を持っているのかを理解して行動変容につなげたい、成長、変化し続けたいので「他責」について理解を深めようと調べ考えてみました。理解しようして感じたこと、自分自身や他者の他責思考とどう向き合えばいいのかをまとめてみます。

他責とはなにかを考える

他責ってことば、なんだかキツいです。言われるとすごく「ダメ」といわれたような気になってつらいです。私が考える他責とよばれるものの代表的な例には「○○が助けてくれないから」や「環境がよくないから」といった話があります。かんたんに言うと (自分や関わっていることが) うまくいっていないのは、自分ではないだれかの責任であるとしている状態です。振り返ってみると、私自身もそんな発言をしてきた記憶があります。

いろいろ調べてみた結果、他責とよばれているものはこれに限らないと考えていて、以下のようなものも含まれるんじゃないかと考えています。

  • 優位に立とうとすること

  • 人間関係における勝ち負けにこだわること

  • 優しさを押し売りして支配しようとすること

  • 相手を否定して支配しようとすること

  • やってもらって当然といった要求を通して支配しようとすること

  • 機嫌で相手を動かそうとすること

  • 相手が好んでいるだろう行動をとったり振る舞うこと

  • どう思われるかを気にしすぎて自分の意思を曲げて行動すること

  • 他人の成果を自分の成果のようにとらえてしまうこと

  • 愚痴をいうこと

これらには常に「自分以外のだれか」を意識している状態があります。つまり他責とは「行動の判断基準を自分の外に置くこと」なんじゃないかと解釈しました。

行動の判断基準を自分の外に置くことのあやうさとは

他責は一般的によくないことと認識されています。では、行動の判断基準を自分の外に置くのはなぜよくないことなのでしょうか。わかりやすいのは「人のせい」にして自分が変わろうとしないことだと思います。これは個人の成長につながらないし、チームの成長の足かせにもなります。チームの雰囲気も悪くなり、よく大切だといわれる「心理的安全」みたいなものも生まれにくくなります。多くの組織で問題視しているあやうさだと思います。

調べていくうちに、こうした「あやうさ」とは別の視点もあるんじゃないかと考えました。組織心理学者のアダム・グラントさんの著書「Give & Take 与える人こそ成功する時代」を参考にしてみます。一般的に「他責」とされる考え方や行動は、本書での「テイカー (搾取する人)」にあたると思います。

しかし、重要だと感じたのは「ギバー」と分類される人たちのことです。TED の動画でもアダム・グラントさんは「どんな職種でも最低の成績を出していたのはギバーである」と話していて、例として「仕事が一番遅かったエンジニアは、見返り以上の頼まれごとをこなしていた人だった」と調査結果を話しています。一方で、アダム・グラントさんが観察してきたどの組織のどの職種でも「首位にいたのもギバーであった」と話していました。他責について調べているとき、この話を思い出してハっとなりました。

うまくいかないギバー (自己犠牲型) の背景には、行動の判断基準を自分の外に置く思考があるのでは…。と考えました。たとえばよく思われたいと考える結果、自分の許容範囲を超える仕事を受けたり、ほかの人に助けを求めづらくなってしまっている状態です。

どうすればいいのだろう

どんな人も、状況により行動の判断基準を自分の外に置いてしまう場合があります。完璧な人間なんていないので、愚痴 (自分以外のだれかの問題の話) を言ってしまうこともあるでしょう。私もそうです。

大切なのは「そうなっている自分」に気づき、自分はどうしたいのかに目を向けることだと思います。これは日々感じたことを情報として流してしまわないようにかきとめたり、振り返りを通して認識できます。気づきをきっかけに行動を変えられたら、成長につながると考えています。

もうひとつは「行動の判断基準を自分の外に置いてしまっていると気づかせてくれる人」をみつけることです。愚痴は言ってもいいと思います。しかしただ共感してくれる人ではなく、話を聞き「で、あなたはそういう状況でどうしたいの?」と壁になって自分ごとに返してくれる人に話せると良さそうです。あなたの上司にあたる人や、身近なメンバー、家族や友人にそんな人はいるでしょうか。

まだ私なりの解釈も多い状態ですが、私自身も振り返りで意識したり、気付かせてもらっています。メンバーに対しても 1on1 や壁打ちの場などを使ってうまく支援したいと考えていて、意識して取り組んでいます。


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