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Metaの株価下落と未来をどう見るか?

Revueのサービス終了に伴い、そちらに掲載していた記事をnoteに移設しています。本記事は、Revueにおいて 2022/2/12 に掲載したものです。

2022/12/15

Meta(旧facebook)が決算を発表。株価は大きく下げるなど、ネガティブな反応でした。この反応について、考えてみましょう。

Meta(旧facebook)の決算はネガティブ

米国時間2月2日、Metaは第4四半期の決算を発表しました。投資家は結果に落胆し、株価は20%急落しました。

決算のポイントは以下の通り。

  1. 足元GOODも見通しBAD

  2. 広告事業の見通しは悪い

  3. AR/VR領域(いわゆるメタバース)は大幅赤字

ポイント1:足元GOODも見通しBAD

  1. 第4四半期の総売上高は340億ドルと、前年同期の280億ドルから増加し、アナリスト予想の330億ドルも上回った

  2. 今第1四半期の売上高見通しは270-290億ドル。アナリスト予想平均は300億ドルだった

ポイント2:広告事業の見通し悪い

  1. DAUが初めて前四半期対比(QonQ)で下がった

  2. iPhoneなどのトラッキング規制から広告事業は厳しくなるのか、それとも迂回することができるのか見通しが弱気になった

ポイント3:AR/VR領域(いわゆるメタバース)は大幅赤字

  1. AR/VR領域(いわゆるメタバース)の事業収支を初めて公表。今期で1兆円の大幅赤字

  2. しかもQ4には赤字幅は拡大していた

まさに今、事業転換のポイント

Web2.0の終わり?歴史の転換点を僕らは見ている

FacebookはDAUがついに減少に(下図参照)。これまで拡大が続いてきたSNSのピークがついに見えた、という反応が広がっています。

facebook/InstagramのDAUがついに減少に転じた

従来(Web1.0)は情報の送り手が発信したものを利用者は単に利用(情報の受信・検索)するもので、送り手が作った状態で情報が完結していました。

一方Web2.0は「受信」「検索」に加え「発信」「共有」が重要な機能としてあげられます。利用者自身が情報を発信・共有することが容易にできます。他の利用者が発信した情報などが加工され、さらに発信、共有されるという構図です。Blogがそのハシリで、SNSがまさにWeb2.0の代表格であるサービスです。

今、Web3という概念が出てきていますが、まさにこれが『Web2.0の終わりの始まり』ではないかと考えられているのです。

広告事業も逆風にさらされている

また、Coockie規制やAppleのアプリのプライバシー保護規制の強化が各社広告事業の足かせとなっています。特にMetaはGoogle以上にApple製品からのデータへの依存度が高いため、相対的に影響が軽く配信対象を絞り込む精度を維持できたGoogleなどに広告需要が流れていってしまっています。

収益源に多様性がないのがMetaの弱み

Apple、Amazon、Meta(Facebook)、Microsoftの4社の売上構成を見ると、いかにMetaが広告に頼り切りなのかが分かります。

98.5%がfacebook Adsからの売上なのです。Appleはハードとソフト、AmazonはECだけでなくAWSなども。MicrosoftはOSに加えてAzureやOfficeなどそれこそ幅広です。

Metaの収益の98.5%がfacebook Ads

メタバース。信じられるかどうかはあなた次第

僕がMetaが素晴らしいと思うのは、この中で素早く次の収益源構築に動いていることです。Metaという名前に変えたこともそうですが、彼らは今、AR/VRなどいわゆるメタバースという領域に勝負を掛けています。

今回の決算で、当該事業の数字がはじめて切り分けて公表されました。こちらを見てみると、10-12月では950億円くらいの売上があり、3600億円ほどの損失を出しています。年間ベースでは「1兆円」以上の損失を出しています。それだけの投資ができるMetaは強いですよね。

もちろん、この投資が成功するのか否かはまだまだ分かりません。当分は既存事業の収益性懸念のほうが株価を左右するでしょうから、株価が大きく下がったからという理由だけで投資するべきではないです。

ただ、どれだけMetaがメタバースに、この業態転換に賭けているのかはよく分かります。このMetaの掲げる未来が来ると信じられるかどうかはあなたの未来観次第です。

Meta社のAR/VR事業の四半期ごとの収支

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