On My Load第16話

第十六話
記者会見が終わり、別室に呼ばれた。そこには御曹司の松村氏が居て、横には名無しの彼女がいた。しばしの沈黙のあと、松村氏が口火を切った。おどろかれたでしょう。君が思っているような関係はないから。あくまでもビジネスとして彼女の才能を買っただけなんだよ。それ以外の上も下もないよ。
それって僕に対してもですか!?。勿論そうだよ。他に何があって君みたいな小さいベンチャーの小僧に、こんな大仕事を頼むと思うのかね。もっと大人かと思っていたが、君じゃ役不足じゃないのかね彼女を支えるには、そうよねとあの子が、アハハハ・・・彼女の笑い声に僕は右手の拳が震えているのを、必死に押さえている自分自身が情けないと思いつつ、理性を失ったら何もかも終わりだと心の天使が今はガマンと僕をなだめさせていた。まいったなぁーお二人には・・・一杯食わされたなぁーもぅ。(心にもない言葉をだしながら)精一杯良い舞台にするよう君の魅力を誰よりも引き出せる自信は、誰よりも負けませんよ。例え、クライアントでもね。僕の男としての勝負魂にメラメラと炎が静かに燃え盛っていた。彼女が一言、お手柔らかにね。と微笑みながら松村氏と共にお迎えのリムジンに吸い込まれるように消えていった。

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