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ヨーロッパの高級チョコレートはなぜ高いのか?

ヨーロッパのチョコレートを購入したことがありますか?

ベルギーを筆頭にヨーロッパにはチョコレートの歴史が深く、高級なものだと一粒千円を超えるチョコレートが存在します。なぜそんなに高いのか?単にブランドだからじゃないの?そんなヨーロッパの高級チョコレートがなぜ高いのか、そしてその値段に見合う価値には理由があるのです。


油脂や植物油がない

高級である一つの説として、油脂や植物油がなくカカオが100%であることが挙げられます。


日本のスーパーにある一般的な板チョコには、5~10%の植物油が含まれています。またイギリスを始めとするアイルランド、オーストリア、デンマーク等ではチョコレートの定義についての論争で「油脂が入っていてもチョコレートである」と主張しています。

一方で、ベルギーやフランス、オランダでは「カカオ100%でなければ、それはチョコレートではない」と品質にこだわっており、日本のチョコレートにおいては「本物でない」と指摘しています。論争の結果、代用油脂5%以下はチョコレートと認められるようになったが、それでもカカオ100%論のベルギーを含む国々は考えを曲げていません。

これらの品質のこだわりによりカカオをふんだんに使用していることで、ヨーロッパのチョコレートは高級なのです。

なぜ日本で植物油が使われているかは、二つの理由があります。一つ目は植物油を加えることで日本人好みのとろけるような食感になること。二つ目は日本の環境が高温多湿なので溶けるのを防止するためです。逆に植物油を加えていない高級チョコレートは、保存料が使用されていないチョコレートもあるので、賞味期限に注意するようにしましょう。


製品化までのコスト


これは単純明快ですが、高級チョコレートはできあがるまでの生産コストや輸送コストがかかります。チョコレートの原料であるカカオの相場は1キロ350円程度だと言われています。豆そのものの価格は一般的なチョコレートも高級チョコレートも大差ないですが、製品化するまでの過程が異なります。

一般的なチョコレートは大手メーカーが大量のカカオを買い付け、船で輸送し、工場で大量生産します。


一方で、高級チョコレートは個人で少量のカカオを買い付け、それを飛行機で輸送するのです。飛行機輸送は船での輸送より温度変化が少ないため、チョコレートのような温度に敏感な食品を輸送するに適していると言われています。

また前述したように高級チョコレートは油分が少ないので、一般的なチョコレートより温度調節に気をつけなければなりません。高級チョコレートを輸送するには飛行機輸送が適していますが、船での輸送より運賃がかかるため、比例してチョコレート自体の価格も上がります。


職人やショコラティエが一から手作り

一般的なチョコレートは大量に工場生産されますが、高級チョコレートは全てが手作りです。チョコレート専属のショコラティエやチョコレート職人が、一粒ずつ丁寧に作っているので価格が上がるのは必然といえます。


チョコレートの宝石と言われるブルガリは、1粒1750円という価格ですが工房で手作りされています。

チョコレート界で有名なピエール・マルコリーニ氏は世界中を飛び回り良い豆を探し求めています。彼はとてもカカオにこだわり、仕入れルートの開拓や買い付けを自ら行っています。そんな彼の板チョコは2381円と高級ですが、手作りとこだわりゆえに世界中で人気を誇っているのです。

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そんなこんなで、ヨーロッパの高級チョコレートが高い理由はワケがあります。ヨーロッパにおいてチョコレートは嗜好品の一つとして人々に愛されてきました。

中でもベルギーの高級チョコレートが有名ですが、他にもイタリアやスイスなどヨーロッパの国には高級チョコレートがあります。国によって味や風味、デザインなど様々なので、高級チョコレートが食べ比べてはいかがでしょうか。


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