2019シーズンファジアーノ岡山通信簿(GK・DF編)

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 有馬賢二監督1年目にも関わらず、昇格プレーオフまであと一歩に迫りリーグやサポーターにサプライズを与えた2019シーズン。閉幕して1か月が経ち、選手の出入りが行われている中で2019シーズンの選手個人にフォーカスを当てて振り返りたい。

※最多出場ポジションを基に分類
※背番号順に羅列
※画像は筆者撮影

GK

1 椎名一馬 0試合出場
 3rdGKという立場から政田サッカー場で大きな声と意識の高さでGK陣を牽引。試合に絡むことはできなかったが、強烈なバイタリティーで欠かすことのできない縁の下の力持ちだった。

13 金山隼樹 8試合出場
 
熾烈な正GK争いを制し、開幕スタメンを勝ち取ると、第8節ホーム新潟戦までゴールマウスを守り続けた。9節以降は一森にポジションを譲った形になったが、187㎝の身長を生かしたクロスボールへの対応や確かなセービング技術でチームに貢献。僅差だった一森との差は足元のスキルだった。

22 一森純 34試合出場 (→ガンバ大阪)
 
第9節アウェイ千葉戦からシーズン終了まで正GKの座に君臨。並外れた反応速度でビッグセーブを連発し、DAZN週間ベストセーブへの選出も多かった。他の追随を許さなかったのは配球能力の高さだろう。第6節アウェイ長崎戦でMF仲間隼斗のゴールのアシストになった中距離パスや得点にもつながった第28節アウェイ新潟戦のFWイ・ヨンジェへのパントキックなど遠くの味方をしっかり狙えるキックは後方から一気に相手をひっくり返すことができ、重要な戦術のピースだった。
 2020シーズンは活躍の舞台をガンバ大阪に移すことになったチャレンジャーは名手GK東口順昭の牙城を崩すことはできるのか。

40 イ・キョンテ 0試合出場
 怪我に泣かされたシーズンでリーグ戦に絡むことはできず。191㎝の恵まれた体格とリーチの長さを生かしたゴール前に立ちはだかる姿を見たい。まずは怪我を治すことが責務である。まだまだ若いので期待は大きい。
  

 

SB(サイドバック)

2 廣木雄磨 36試合出場
 
出場試合数が最も多かったことはサイドバックの主力だった証拠。左右どちらでもプレーは可能だが、左サイドを主戦としていた。豊富な運動量を生かしたオフザボールのランニングや粘り強い対人守備が光った。個人としては失点に直結するミスを減らすこと、チームとしては廣木が攻め上がった時の効果的な攻撃パターンの構築するという課題が挙げられる。

21 椋原健太 30試合出場
 
左右のサイドバック・サイドハーフに加え、センターバックもこなすユーティリティ選手。タイミングの良いオーバーラップと卓越した守備スキルは健在。圧巻だったのが、第28節アウェイ新潟戦で見せたゴールライン上でのクリアはさすがの危機察知能力だった。DF増谷幸祐加入後はレギュラーポジションを渡す形になったが、試合終盤に途中出場でクロージング要員として「締める」役割を務めた。
 

39 増谷幸祐 14試合出場
 
夏にFC琉球から加入すると、強度の高い守備と正確に味方へ繋げるパス精度で右サイドバックという新境地を切り拓いた。攻め上がる回数は少ないが、タイミングは的確で状況判断能力に秀でている。172㎝と決して大柄ではないものの、跳躍力と落下地点に素早く入るポジショニングで相手に制空権を渡さなかった。完全移籍での加入が決定したので開幕からの活躍に期待したい。
 


CB(センターバック)

3 後藤圭太 3試合
  
膝の大怪我でシーズンのほとんどを棒に振ってしまった。第40節アウェイ金沢戦で復帰すると、第41節・第42節はスタメンフル出場。2020シーズンに向けて試合勘を戻すことができたのではないか。ビルドアップ力と経験に裏打ちされた統率力はまだまだ健在。ピッチ内外に問わず、引き続き若手を引っ張る。

4 濱田水輝 16試合出場
 度重なる怪我で離脱が多かった。しかし、DFラインに入ると空中戦の強さと前に運ぶドリブルで攻守両面に貢献。CBに補強がなければスタメン候補筆頭。

5 増田繁人 8試合出場
 
190㎝の高さから繰り出されるヘディングは攻守両面において個性を発揮。試合終盤、追いかける展開ではパワープレー要員としての地位を確立し、相手の脅威となった。天皇杯3回戦川崎との試合ではFWレアンドロ・ダミアンに競り勝つ高さと強さを見せ、声を張り上げ味方を鼓舞する姿は闘将そのものだった。番手を覆すためには足元のスキルを向上させることが必須だ。

8 田中裕介 36試合出場
 サイドバックが本職ではあるが、シーズンを通して確かな経験値と守備スキル、正確なビルドアップ力で「動ける」センターバックとして絶対的な地位を築いた。総合力の高さで引き続きスタメン格であることは間違いない。有馬監督の発明のひとつだった。

20 チェ・ジョンウォン 35試合出場
 
野戦病院と化したセンターバックで、シーズンを通してフル稼働開幕当初はプレー選択のミスやDFラインでの連携不足が見られたが、コンスタントに起用され続けたことで改善されていった。最も成長した選手だということは間違いなく、本人にとって充実したシーズンになったはず。唯一無二の左利きから繰り出される長短のパスにはさらに磨きがかかりそうだ。

33 阿部海大 0試合出場
 東福岡高校から加入した2018シーズンは7試合1ゴールを残し、飛躍の2年目を感じさせていたが怪我に泣かされた選手の一人だった。ポテンシャルの高さは申し分ないため、どれだけ実戦経験を積むことができるかということにこだわる3年目にしたいところ。

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