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岐阜・名古屋のヒミツ。 --高橋照美の「小人閑居」(6)

声をひそめて語ったことがある。「岐阜・名古屋圏は……」

磁場がおかしいのか、偉人ばかりが出る。(爆)
すなわち……

織田信長、豊臣秀吉、斎藤道三、徳川家康、臼井甕男、松永修岳、池井戸潤、雷句誠、……

いやいや、磁場がおかしいわけではない。濃尾平野が肥沃で「たいらか」で、しかも京に近いという利便性があるのだ。京と濃尾のまんなかが、関ケ原(その西が近江)。

濃尾平野は、皆がほしがる土地だった。「美濃尾張とかけて、身の終わりをやろう」なんて、ぬか喜びさせた相手を殺しちゃった戦国時代人だっている。松平竹千代時代の徳川家康が、あっちこっちに人質にやられたもんだから、岡崎衆はあちこちの戦で使われ精兵となった。個人的に「日本のグルカ」と呼んでいる。

岐阜県人は妙なアグレッシブさを秘めていることがある。「日本の中心」だと主張してみたりする。名古屋も変なアグレッシブさを秘めていることがある。「のぞみ」がかつて東京 ー 京都間ノンストップだった昔、よく名古屋駅で故障停車した。そのとき流れた噂が、「名古屋人がスパナをもって乗り込んでいて……」

そんな愛すべき岐阜・名古屋を、ずっと小説の舞台にしたいと思っていた。嶺生(ねおい)四郎が岐阜弁まるだしの濃尾人なのは、そのためである。ちなみに高橋照美のほうは、千葉出身で、名古屋とはなんの関係もない。たまたま名古屋の会社にもぐりこんでしまった、というだけの経緯である。

たまたま、というと、名古屋人はこういうに違いない……
「ほんなもん、来る人は名古屋が好きやで来やーすんやでー、たまたまなんてってこと、あらへんわー」。

ご縁をありがとうございます。はい。

「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!