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限りなく完全食品に近い玉子の栄養価を徹底解説します

玉子には、完全食品とも言っていいくらい、栄養素が詰まっています。

タンパク質の量や内容の素晴らしさ。
ビタミン、ミネラル、すぐれた脂質 etc.

タンパク質の吸収率を考慮した、望ましい調理法と合わせて、それらの栄養素を解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

合わせ技で完全食品?

さっそく、卵に含まれる栄養素を図で確認して下さい。

タンパク質および脂質(リン脂質)。
糖質はほとんど含まれません。

ビタミンは、ビタミンCを除く12種類。
必須ミネラル16種類をすべて含みます。

それ以外にも、コエンザイムQ10やルテインなどが玉子にはあります。
食物繊維は含まれていません。 

ですから、ほうれん草やブロッコリー、ピーマンなど、ビタミンCと食物繊維が豊富な野菜と一緒に食べるのがベストです。
玉子を組み合わせれば、合わせ技で完全食品ということになります。

では、個々に見ていきます。

毎日「計算できる」タンパク質

まずはタンパク質。
Mサイズ約50gの玉子1個に、6、4gのタンパク質が含まれます。

グラム数は資料によって若干の幅があり、6、2gや6、5gと表記されているものもあります。
こういったことは、玉子に限らず、どの食品でもある傾向です。

だから、6、2〜6、5gで覚えていただいて結構です。
この記事では、6、4gといたします。   

さて、玉子はタンパク食品と言いながら、50g中たったの6、4gなのかと思われるかもしれません。
けれども、これは仕方のないことです。

人の体も60%が水、新生児にいたっては80%が水であるように、玉子も75%、4分の3は水分だからです。
それでも、1個食べて6、4g、2つ食べれば12、8gタンパク質を摂取できるというのは大助かりです。

玉子はそれ単独でも調理できるし、しかも簡単です。
実際にレシピも多いし、同じレシピでも飽きにくい。

朝昼晩のどこかに、ルーティンとして組み込みやすいのです。
1日のタンパク質必要量を満たすための、確実に計算ができる食品だというです。

栄養学は、理論を学ぶことも重要ですが、実践し続けることが何より大切です。台所感覚、キッチン目線で見るということを外してはいけません。

私は、朝食で玉子を2つ食べます。
小ネギかニラを混ぜて、軽く炒めて、ポン酢を軽く垂らして食べます。


美味しいです。
これで毎日12、8gのタンパク質をゲットします。

ちなみに、1日のタンパク質必要量については、下の記事で解説していますので、ぜひお読みになってください。

アミノ酸のバランスが秀逸

Mサイズ1個につき6、4gのタンパク質ですが、これが絶妙なアミノ酸バランスで含まれます。 
アミノ酸とはタンパク質を構成する最小単位で、人の体はわずか20種類のアミノ酸を材料にしています。

20種類のうち、人体で合成できない、つまり食品から摂らなければいけないアミノ酸のことを必須アミノ酸と言って、9種類あります。

食品に含まれるタンパク質で大事なことは、その中のアミノ酸バランスが、人体を構成しているアミノ酸の比率とどれだけ近いのか、ということです。

これを百分率で表したものを、アミノ酸スコアといいます。
玉子のアミノ酸バランスが絶妙だと言いましたが、それは玉子のアミノ酸スコアが100満点だからです。

参考までに、おもなタンパク食品のアミノ酸スコアを見ると、
牛肉、豚肉、鶏肉が100
サーモンが98
豆腐93
おから91
エビ84
あさり81
米65
となっています。

アミノ酸スコアが100の食品は玉子だけではありませんが、卵がスゴいのは、アミノ酸スコアに留まらず、その生体利用率です。

栄養素は、吸収されても、全部が全部代謝されて利用されるわけではありません。
代謝能力は人にとって差がありますが、相当部分が利用されることなく排泄されてしまいます。

そんな中、玉子の生体利用率は90〜94%あり、すべてのタンパク食品の中でもっとも高い数字を誇ります。
その意味でも、卵は確実に計算できる、きわめて優秀なタンパク食品と言えます。

脳が必要としているリン脂質

卵黄にある脂質のうち約3割は、リン脂質と呼ばれるものです。
リン脂質は、細胞を包む細胞膜の大切な材料で、すべての細胞に含まれます。

またリン脂質には、神経伝達に関与するアセチルコリンの前駆体であるコリンが含まれます。
コリンは脳の発育に必要な栄養素であり、玉子はコリンの最大の供給源です。

同じく神経伝達を助けるビタミンB12との併用により、アルツハイマー型認知症に対する改善効果が期待できます。
九州大学による福岡県久山町の疫学研究では、玉子は認知症予防のために摂取を増やすことが奨められている食品の一つに挙げられています。

玉子はタンパク質のみならず、油も良質だということです。

玉子はセレンの宝庫

ビタミンとミネラルについては、ビタミンCを除く12種類のビタミンと、必須ミネラル16種類を含みます。

中でも貴重だと私が思うのは、ミネラルのセレンです。
セレンに関しても記事を公開しています。

セレンは強力な抗酸化作用に加えて、ガンの予防や重金属の排出に働くなど、きわめて重要なミネラルです。
しかし、セレンは日本人にとって不足しがちな栄養素です。

玉子1個の中には、セレンを約30mg含みます。
これは、1日のセレン必要摂取量の約6割に相当します。

つまり、卵を2個食べれば、それだけでセレンの必要量が充足することを意味します。  
私は、朝食でそれをクリアしています。

調理法によって吸収率が異なる

タンパク質の吸収率を考慮した玉子の望ましい調理法について、手短かに説明します。

加熱した場合の消化率は平均して約90%、生玉子の消化率は約50%に留まりますので、加熱調理に軍配が上がります。

なかでも半熟玉子(温泉玉子)の消化率は秀逸で、96%と群を抜いています。

半熟は消化時間も1〜2時間程度で、3時間はかかる目玉焼きやだし巻き卵と比べても短く、胃腸への負担も軽くて済みます。

温泉玉子も専用器具を使って簡単に作れますので、玉子を積極的に食べてください。

まとめ

玉子に含まれる栄養素は、タンパク質、脂質、ビタミンCを除くビタミン12種類、必須ミネラル16種類すべてです。

タンパク質は、Mサイズ約50gの玉子1個に、6、4g含まれます。

玉子のアミノ酸バランスは絶妙で、アミノ酸スコアが100満点、これは人体を構成しているアミノ酸の比率と同じだということを意味します。

玉子のタンパク質は生体利用率も高く、すべての食品の中でもっとも高い90〜94%を誇ります。

卵黄にあるリン脂質は、細胞を包む細胞膜の材料です。
リン脂質に含まれるコリンは、脳の発育に必要な栄養素であって、認知症予防の効果が期待できます。

ガン予防や重金属排出に働くセレンは、日本人にとって不足しがちな栄養素です。
玉子1個の中にはセレンを約30mg含み、1日の必要摂取量の約6割をカバーできます。

玉子を加熱した場合の消化率は平均して約90%、なかでも半熟玉子の消化率は96%と群を抜いています。
消化時間も1〜2時間程度と短く、胃腸への負担も軽くて済みます。
一方で生玉子の消化率は約50%に留まります。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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