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私たちの食生活を包囲するトランス脂肪酸。自衛する手段は?

昨今、有害性が指摘されているトランス脂肪酸。
そこで今回は、

①トランス脂肪酸とは何か
②トランス脂肪酸は体にどんな悪影響を及ぼすのか
③トランス脂肪酸が含まれる食品にはどんなものがあるのか
④どうしてトランス脂肪酸を使用するのか
⑤トランス脂肪酸の含有量がとくに多い食品は何か

ということに関して、私の体験談も含めて解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

トランス脂肪酸とは何か

トランス脂肪酸は、1902年、ドイツの科学者が発見しました。
常温で液体の植物性油に水素を添加すると、化学反応を起こして人工的な固形の油に変化することがわかりました。

そして、その時に副産物として生まれるのがトランス脂肪酸です。
つまり、本来は自然界に存在しない人工的な脂質だということです。

けれども、原料となる大豆などの植物油と化学構造はほとんど変わらないために、人体はそれを消化吸収してしまいます。
そして、人体の中で脂質が存在する場所に入り込んでしまいます。

人体の中で脂質が存在する場所ってわかりますか?

一つひとつの細胞を包んでいる細胞膜、これがおもに脂質を材料にしています。

ということは、細胞膜を構成する天然の脂質に混じって、人工のトランス脂肪酸が入り込むことを意味します。

トランス脂肪酸は体にどんな悪影響を及ぼすのか

しかし、体は人工物であるトランス脂肪酸を代謝する機能を備えていません。
それで細胞膜の代謝異常が起こります。

今のは細胞レベルの話でした。
次に臓器レベルに話を広げてみます。 

摂取したトランス脂肪酸はおもに心臓に蓄積することがわかっています。
トランス脂肪酸が心臓に蓄積することによって、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクが上昇することがわかっています。

それ以外にも、肥満や2型糖尿病、アレルギー、うつ、認知症、骨粗鬆症、歯周病、不妊症、ガンなどさまざまな疾患との関連性が指摘されています。
が、なんと言っても懸念すべきは心臓疾患です。

トランス脂肪酸が含まれる食品にはどんなものがあるのか

では、トランス脂肪酸が多く含まれる食品を列挙していきます。

まず、トランス脂肪酸の代名詞とも言えるのがマーガリン。
マーガリンよりも水分が多めのファットスプレッドです。

次に、ホイップクリームやポーションに入ったコーヒークリームがあります。
ファストフードでは「砂糖とミルクは?」とか聞かれますけど、あれはミルクではありません。

そして、覚えていただきたいのがショートニングです。
ショートニングは、自宅でパンを作るための材料として売られてもいますが、多くの人には馴染みがありません。

けれども、ショートニングはあらゆる食品の中に紛れ込んでいます。

ほとんどの菓子パンや食パン、クッキーやパイ、ポテトチップ、ポップコーン、チョコレートなどの菓子類、ドーナツやケーキ、アイスクリーム。
フライドポテトやフライドチキンはもちろん、ピザ、ハンバーガー、カップラーメン、カレールー、マヨネーズ、冷凍のパスタやチャーハン etc.

挙げればキリがありません。

どうしてトランス脂肪酸を使用するのか

では、どうしてショートニングがこれらの食品に含まれるのでしょうか。
一番の理由は、カリカリ感、フワフワ感など、その食品の食感をよくするためです。    

ここからは私の体験談です。

もう30年以上前の話になりますが、私が新卒後、最初に入った会社はマクドナルド(日本マクドナルド株式会社)でした。
新宿区の2つの店舗に勤務していました。

そこで出会ったのがショートニングでした。
灯油缶に似たアルミの容器に、白濁した蝋のような物体が詰まっている、それがショートニングです。

そのショートニングをフライヤーに満たして商品を揚げます。
フライヤーの油のレベルが下がったら、スコップですくって線が引いてあるレベルまで補充します。

つまり、ショートニングで揚げていたワケです。

フライドポテト、ハッシュポテトやチキンナゲット、フィレオフィッシュのフィッシュポーション。
すべて使っている油はショートニングだったんです。

たしかに、あのフライドポテトのカリカリ感は他のチェーン店にはない食感です。
ちなみにモスバーガーでは、フライヤーの油にはパーム油を使っているようです。

もっとも、20代前半の当時、ショートニングが何たるかなんて知る由もありません。
何も知らずに呑気に作業をしていましたが、今考えると恐ろしくなってきます。

お断りですが、今現在でもマクドナルドがショートニングで揚げているのかどうか、私は知りません。
あくまでも、当時のエピソードということでお話しさせていただきましたので、ご承知おきください。

トランス脂肪酸の含有量がとくに多い食品は何か

では、グラム当たりのトランス脂肪酸含有量が多い食品をチェックしてみます。

数字が小さくて申し訳ありませんが、圧倒的に多いのは、やはりショートニングです。(上から4番目)

その次にくるのは、マーガリンまたはファットスプレッド。(一番上)

3番目となると、下から3番目のクリーム類、これはおもにホイップクリームやコーヒークリームを指します。 

それ以外だったら大丈夫とは言いませんが、まずはこの3大食品を敬遠することから始めてください。

ただ、同じ食品でもメーカー、商品によってトランス脂肪酸の含有量が違うことも付け加えておきます。

例えばマーガリンであれば、上から3番目、小岩井乳業の商品は非常に少ないですし、コーヒークリームであれば、下から3番目、森永クリープポーションが量が少ないのがわかります。
どうしてもこういう食品を使いたいのならば出来る限り少ない商品を選んでください。

ちなみに、トランス脂肪酸に関して、アメリカやヨーロッパ各国では相当レベルの規制が進んでいます。
しかし、残念ながら我が国では規制らしい規制は存在しません。

日本人は欧米人と比べてトランス脂肪酸の摂取量が少ない、というのが表向きの理由です。
けれども、1日何グラムまでだったら安全だという科学的根拠は全くありません。

ですから、やはりゼロが望ましいと言えるでしょう。
実際には、添加物と同様、ゼロは現実的ではないので、ゼロに近づける努力が重要です。

まとめ

トランス脂肪酸は、常温で液体の植物性油に水素を添加して固形にした、自然界には存在しない人工的な油です。

脂質をおもな材料にした細胞膜に人工のトランス脂肪酸が入り込むと細胞膜の代謝異常が起こります。
トランス脂肪酸はおもに心臓に蓄積しやすく、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患をはじめ、さまざまな病気のリスクが上昇します。

トランス脂肪酸はきわめて幅広く食品に含まれます。
その使用目的は、おもにカリカリ感、フワフワ感など、その食品の食感をよくするためです。

トランス脂肪酸の含有量が多い食品をピックアップするとショートニング、つぎにマーガリンまたはファットスプレッド、3番目にクリーム類(ホイップクリームやコーヒークリーム)です。

まずは、この3大食品を敬遠することから始めて、少しずつゼロに近づけることが重要です。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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