『企画』の質は、因数分解する力で変わる
デジタルマーケティング領域で、広告会社で「コンテンツプランナー」として仕事をして1年が経過しました。
現在、僕が所属する会社は、アドテクノロジー事業とメディア事業を主にした事業展開をしており、僕はその2つを掛け合わせた「コンテンツマーケティング」のクライアント支援やプランニング業務をメインに事業推進しています。
幸いなことに直近1年の仕事で、前職とは違う仕事を経験することができ、視座が高まり、視点が増え、視野が広がったと感じています。
特に、クライアントビジネスになったため、多種多様な業種の企業とお会いする機会が増え、関わるパートナーも増えたことが大きいです。
その中で、プランナーという職として、『企画』(もしくは『プランニング』)という言葉を使わない日はなく、「どうやって良い企画をするか」「企画力というスキルをどう磨くか」を考えながら、日々トライ&エラーをしている状況です。
そんな『企画』と毎日向き合っている僕が、良い企画や企画力という「企画の質」をどう高めるか、というテーマを2紐解いていきたいと思います。今回は、『因数分解』する力とは何か?を考えてみたいと思います。
『因数分解』と聞くと、中学校の算数?と思う方がいたり、確かに最近よく仕事の中で使う人いる、なんて感じでしょうか。
そもそも、『因数分解』とは何か?
数学的な表現では、
足し算や引き算の式を掛け算にすることであり、例えば、x2+3xの因数分解は、x×(x+3)になります。(懐かしい公式ですね。)
ビジネスにおける表現 (僕なりの解釈)では、
事実や言葉をさらに別の項目や言葉で掛け算にすることであり、例えば、ビジネスでよく使う定量と定性で分けてみると、
【定量】売上=客数×客単価→売上1,000万円=客数2万人×客単価500円
【定性】●●というアイスの認知拡大=ターゲット×クリエイティブ×フォーマット→20代独身女性ターゲット×贅沢なアイスを演出するクリエイティブ×1分のストーリー型の動画フォーマット
のような感じで、因数分解することができます。
売上1,000万円という定量的な目標に対して、どうやって達成するのかの「指標」を置いて掛け算することであり、さらに、アイスの認知拡大という定性的な目的に対して、どうやって達成するのかの「手段」の組み合わせであります。
さらに、もっと因数分解することで、企画の質を高めることができます。例えば、
客数2万人は、新規のお客様1万人と既存の会員様1万人で分けることができるし、販売チャネルが複数店舗であればA店1万人、B店1万人で分けることもできます。
単価500円は、1商品で500円(500円×1個)なのか、2商品で500円(250円×2個)なのかで分けることができます。
20代独身女性は、仕事・年収・住まい・家族構成・趣味などの項目で分解してどんな女性かを具体化することができるし、贅沢なクリエイティブは、金曜日の1週間仕事を頑張った後に食べる贅沢感という分解にできます。
(あくまで例なので、特に定性はこれが正解というよりは一つのアイデアだと思ってください。)
要するに、比較的ビジネスの中で設定がしやすい数字(売上など)や抽象的な言葉(ターゲットなど)をより具体化して掛け算・組み合わせしていく作業と言えます。
これをすることで、企画の質はより高まる感覚はなんとなく理解できたでしょうか。
なぜその感覚になるかというと、
①具体化することで解像度が高くなる
②解像度が高いと誰もがイメージしやすくなる
③イメージがしやすいとアウトプットの再現性が高くなる
からです。
つまり、解像度→イメージ→再現性が企画の質を高めるポイントです。
そして、それをするのがビジネスや企画における因数分解する力ということです。
ただし、上記の定性の「20代独身女性」や「金曜日の1週間仕事を頑張った後に食べるという贅沢感」という項目に因数分解するためには少し別の力が必要です。
①『抽象化』する力
②『インサイト』を見つける力
の2つがスキルとして重要になるため、この2つをさらに深掘りして、企画の質を高めるための因数分解の力を紐解いていく必要があります。
※補足※
『企画』とは何か?
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ある事を行うために計画をたてること
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と辞書では意味づけされています。
しかし、企画と聞くと、
・アイデアを生み出す人
・編集者、ディレクター的な職の人
・マーケティング、広告に関わる人
など、なんかクリエイティビティが高い人というイメージになっている感じがしています。
ですが、言葉の定義で言えば、働く人すべてが『企画』を日々していて、『企画』なしでは仕事ができないと言えます。
そのため、企画の質=仕事する計画の精度が上がれば、仕事の成果=売上、収益、昇格、昇給などにつながるわけです。
僕はマーケティングやプランナーとしての視点で話をしていますが、本質的にはすべてのビジネスパーソンに必要なスキルであり、その解である因数分解はどんな仕事にも応用できると思いますので、その辺りも次回例を交えて書いていきます。
あともう一つ、『企画』とは、
・対社内
・対社外
・対自分
の3つの「対象」に整理することができます。
対社内→同じ部署・チーム、他部署など社内でのコミュニケーション全般のこと
対社外→ビジネスパートナー、いわゆるクライアント全般のこと
対自分→上記2つと関わる自分のこと
企画する力と合わせて、その対象も合わせて認識しておくと、最終的なコミュニケーションやアウトプットに大きな差が出ますので、ここも押おさえておきたいですね。
※サムネイル画像: aksea.21さんによるイラストACからのイラストより