12/13 『行きつけのお店』がほしい

■静岡に行って、友達の『行きつけのおでん屋さん』の存在におどろいた。店主に「大将~」と声をかけることができて、店主からも苗字にちゃん付けで呼ばれて、かわいがられている。「最近どうよ?」って話ができて、なんならここ数年の恋愛事情まで把握されている。「〇〇ちゃんは、男の好みが難しいからねぇ~」だとか、「おじさんがあと△歳若ければ……」だとか。「□□くんって覚えてる? 〇〇ちゃんのこといいなぁって言ってたよ」とかって、縁結びみたいなことまでやってた。実際、そこのおでん屋さんで出会って結婚したカップルが何組いる、みたいなお話も聞いた。
会社からも家からも離れた大人のコミュニティ、そこの一員として存在する友達が、ちゃんと『大人』をやっている人に見えて、うらやましいとかさびしいとか憧れるとか、いろんな感情が湧いた。
■社交力のかたまりみたいな年上のおねえさまに「行きつけのお店ってあります?」と聞いたら、「ないんだよ、ほしい!」と返ってきた。絶対2、3軒はありそうだと思っていたので、意外だった。
おねえさまが仕事でお世話になっているおじさまがいて、そのおじさまの行きつけのお店に連れて行ってもらったときのエピソードを聞かせてくれた。『何も注文しなくても、好みのお酒が順番に出てくる』とか、『「サービスです」って船盛が出てくる』とか、『「このお店には通いつめてるから、柱1本分くらいは俺の支払い分で立ってる」って言ってた』とか。そういう行きつけのお店に連れて行ってもらえる『かわいがられ力』も、おねえさまのすごいところだな、と思った。

■飲食関係の『行きつけのお店』に、憧れがある。高校生くらいの頃は、「大人になったら、仕事終わりに行きつけのバーに行って、マスターに素敵なカクテルつくってもらって、バーテンダーさんとちょっとだけ話して、1杯だけ飲んで帰るんだ。ひょー、仕事ができる大人ってかんじー!」なんて、完全にイメージ先行の妄想をしていたものだけれど。今は、小説『居酒屋ぼったくり』みたいな、おいしいごはんが食べられて、行けば気のおけない人が誰かしらいて、楽しくおしゃべりができて、お店を出るときには、来たときよりちょっとだけ幸せ度が上がっているような、そんな気持ちがほっこりできる場所がほしいな、と思う。サードプレイス? コミュニティ所属欲?
■友達は、どうやっておでん屋さんが『行きつけ』になったんだろう。聞いてみたらよかった。LINEで聞くのもなんだし、今度会ったときに聞いてみよう。

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