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【感想】まほステ 祝祭シリーズPart1,2

舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズ

Part1
2023年2月17日(金)~3月5日(日)
※2月21日~2月24日公演は中止

Part2
2023年7月8日(土)〜7月23日(日)

2021~2022年に上演された舞台魔法使いの約束(以下略:まほステ)の新シリーズとして、5つの国で聖なる祝祭を行う物語の幕が上がりました。
いやー、忙しさにかまけてまとめるのが遅くなってしまい大反省です。今回も感想を交えた解説みたいな記事です。私の観た祝祭シリーズの思い出文として残します。


祝祭シリーズPart1

1幕:西の国(サポート:東の国)
欲望と祝祭のプレリュード

<はじまり>
まず、原作アプリゲームのまほやく世界では西(サポ東)→中央(サポ南)→東(サポ北)→南(サポ西)→北(サポ中央)の順で祝祭シリーズが開催されましたが、舞台版ではこの順番通りに進行していない(裏ではしてる設定かも)ためアプリ冒頭にある「この前の祝祭では苦労したな…」系の会話はありません。
ただ原作のシナリオ通り西の国の祝祭から始まるため、ここで祝祭を行う目的が説明されます。

【簡単なあらすじ】
原作アプリ第1部(まほステ1~3章)で、賢者は魔法使いと出会い、この世界に生きる人間たちと魔法使いたちとの深い溝を知ります。謎の魔法使い・ノーヴァによる混乱を鎮め、これで安心…かと思いきや世界各地で不思議な出来事が多発しており、魔法舎には抱えきれないほどの討伐依頼が寄せられていました。
鎮める方法を模索する賢者に、スノウとホワイトから伝達が届きます。(原作アプリではその場にいるのですが、Part1公演では若い子たちにお使いさせてます)「太古の神殿を蘇らせ、眠りについた精霊たちを定着させよ」と。
なんでもこの世界に嫌気がさして眠りについてしまっている精霊たちを起こすことで多発する災いを落ち着かせる効果があるのだとか。ということで早速魔法使いと賢者たちは祝祭を行うために出立します。
今回の任務はその国の魔法使いたちと相性が良さそう(土地の精霊が気に入りそうな)魔法使いたちがサポートとして同行することになりました。

<幸せの天秤はどちらに傾くのか>
今回の祝祭では、副題に入っている「欲望」と、それに対する西の魔法使いのアイデンティティが描かれているポイントが多く劇中で登場します。
「嘘でも本当でも、心が踊ればいい」
「心と体を揺らしたいんだ、1日に何度もね」
この思考回路に疑問を呈するのが、まさに真逆と言っていい性質の東の魔法使いたち。「それは不誠実ではないのか?」という質問も、でまかせでも真実でも、心が踊る方を選ぶ西の魔法使いはサラリと風のように交わし、西の国の神殿が眠っているという天空離宮に忍び込み物語が進んでいきます。

1章〜3章は言うなればまほやくの世界観の説明であり、各キャラクターの因縁を描いた作品になっていましたが、西の祝祭では魔法使い以外のサブキャラにフォーカスすることでまほやくの奥深さをかなり感じられる物語構成になっています。西の国は魔法化学が発展している国ですが、貧富の差が激しく、今回の祝祭で登場するサロン・天空離宮にも貴族と、従業員として雇われつつ見せ物になってしまっている魔法使いの少女が登場します。M7『空っぽで一杯』は、裕福なアントニオはどれだけ富を貪っても満たされない心の「空」、貧しい魔女の絶望の「空」の差をデュエットで表現し、M10『きみの幸せ』では家なし魔女の夢を肯定し、心を救う。これまでのまほステにはなかった他者への明確な救いの表現は新鮮であり、ストレートな表現だからこそイベスト未読の観客の心を掴む演劇的演出で、これが今後のシリーズ展開の最適解であると1幕の時点で思ってしまって…試行錯誤しながらこの方法に辿り着くのではなくて最初からこの方法をとっていることに驚嘆しました。これは元劇団四季所属・最近はネルケの2.5作品によく呼ばれているアントニオ役・岡幸次郎さんと、若手の実力派・家なし魔女役・牧浦乙癸さんを抜擢したことも大きい要因ですが、確実に作品の方向性を左右する新シリーズのスタートダッシュとして素晴らしい表現力を魅せてくれたこと、そしてこれまでシリーズを引っ張ってきたキャストとのある意味で異質の存在であることがわかり、イベストとしての完成度がかなり高くてシンプルに観ていてときめきました。ミュージカルと2.5のキラキラってこんな形で共存できるんだ!と。

2幕:南の国(サポート:西の国)
親愛と祝祭のプレリュード

<触れなければ知らなかった温もり>
南は国の情勢として西の国とは真逆で開拓途中、しかも人間と魔法使いは手を取り合い、偏見や格差とは縁のない世界で生きています。
祝祭を行う神殿へ向かう途中で出会う人々・魔法生物(命名:ムゥムゥ)の交流と別れ、そして自然との触れ合いの中で己の心と向き合う時間を過ごします。

原作の祝祭音楽は弦楽器とピアノの優しい音色を奏でていたのですが、舞台では衣装に合わせてかOP曲をケルト民族風にアレンジしていたことが印象に残っています。この楽曲がサポートの西の国と一緒に歌うことを想定したアレンジなのかはわかりませんが、かなり相性が良くて私にとっては新発見でした。元々西の国の魔法使いは心がワクワクすることを大切にしていますが、南の国の人々の生き様を理解し、彼らの生活に寄り添う姿は、西の魔法使いたちがその時の状況に合わせて行動できる柔軟性を持ち合わせていることがわかり、他の国では描かれないサポートチームの姿に新鮮さを感じました。そして南の祝祭では西の祝祭と違い、情景に身を委ね、ゆっくり過ぎる時間の中で心を浄化していくような描写が多く、M18『かけがえのないもの』前後ではセリフより表情や立ち回りで心の動きを表現しています。アンサンブルのPOW-ersが表現する精霊たちのポーズが日によって違ったりしていて観察するのが楽しかったです。

<祝祭1のキーワード:空っぽ>
1幕ではグラス、2幕では瓶を器にして、「空っぽ」について言及される今回のまほステ祝祭Part1。西と南では全く違った祝祭イベントだった原作に、一つのキーワードを持たせ舞台としてまとめるとは思わず驚きました。西の祝祭では勇気と自信を持つことの大切さ、南の祝祭では身近にあって気付きずらい小さな幸せを知る旅、全く違う物語構成であるのに舞台を観終わった後に観客の心を満たす作品になっていること、このリンクに気づいた時今作がもっと好きになりましたし、愛しく思いました。まほやく本編のシナリオにも携わるようになった浅井先生の脚本はこうしたギミックが多くて、元々原作が好きで舞台も好きな私はもう楽しくってしょうがなかったです。


祝祭シリーズPart2

1幕:中央の国(サポート:南の国)
正義と祝祭のプレリュード

スノウ・ホワイトの予言によって、かつて中央の国で栄えた古代都市”メサ”に太古の神殿が眠っていると告げられました。早速サポートの南の国の魔法使いとともに、中央の魔法使いたちはオズの魔法で砂の奥深く眠るメサの跡地に向かうところから祝祭シリーズPart2は始まります。

<見る角度が違うだけで崩れ行く正義>
メサはかつてオズが滅ぼした国。突然、災害のように人間の力ではどうすることもできない力で滅ぼされたため亡霊たちは「どうして‥‥」と声を漏らしながら彷徨い呪いを振り撒いています。イベストでも舞台でもオズ本人の口から滅ぼした理由が語られることはありませんでしたが、神殿に足を踏み入れたアーサーたちの前にメサの亡霊たちの幻影が現れ、当時の状況がわかっていきます。
メサの民たちの間では国の繁栄のために「魔法使いを石にすることは正しいこと」と信じられていました。(魔法使いの石は希少で、当時から高値で取引されていたようです)その行いを知りメサを滅ぼしにきたオズでしたが、吟遊詩人に命乞いをされ、メサの人々の考えを改めさせるため1年の猶予を与えていました。吟遊詩人はその後街で人々に語りかけるも虚しく、不安を煽るような歌を歌っていると咎められメサから追放されてしまい、結果都市はオズに滅ぼされることになるのでした。

普段から口下手なオズですから、滅ぼす時にあーだこーだ理由を並べることなく、一つ大きな稲光を落として都を沈めてしまったんだろうと想像に容易いです。この祝祭ではオズ自身と、彼の起こした悲劇について多角的に見て・考えることができます。メサが滅びたことで理不尽に奪われる魔法使いの命は減ったかもしれないけれども、人々の日常が一瞬にしてに失われた事実、そしてオズは大きな力で有無を言わさず世界を征服しようとした反面、一人の子供の命を救い、愛を知る人に成長させたこともまた事実です。Part1のOPで東の魔法使いが「正しさの在処はいつか見つかるだろうか」と歌っていますが、まほやくをプレイしながらずっとこれを探し続けている気がします。彼を悪と捉えるか正義と捉えるか、彼の行いは正しかったのか間違っていたのか。良いも悪いも平等に描くまほやくでは、全て知った上でプレーヤー自身が信じた道を選ぶしかないのです。

1.5~2幕:東の国(サポート:北の国)
奇跡と祝祭のプレリュード

<閉ざされた孤独の出口>
東の国の祝祭には、北の国がサポートに選ばれました。誰かに合わせることが苦手で集まりの悪い北の魔法使いに辟易していた東の魔法使いたちでしたが、元来勤勉なため賢者の説得で旅を決行します。

辿り着いた村は外部との交流が殆どない孤立した場所でした。そこは「魔法使いが立ち入ると二度と帰ってこれない」という不吉な噂があり、その正体は人の形を保ったマナ石を”神様(大いなる厄災の化身)”と呼び、村を訪れた魔法使いを襲っては石を生贄として捧げているというものでした。空に浮かぶ月はその”神様”の魂でありこの身体を手に入れようと毎年やってくる、というのが村に伝わる大いなる厄災の通説だったのです。村の少年・ザシャはヒース・シノ・賢者に神様の存在を漏らしてしまい、項垂れます。メサの人々と同じように、この村の人々は子供から大人まで魔法使いを石にするという行いが正しいことだと信じて行為を行っていたのでした。

孤独を拗らせた村では、これが役目だと信じて生きがいにしてきた。「間違いであるなら、この村には何もないじゃないか」そんなザシャの心を理解し、真っ先に寄り添うことができたのは、孤児であったシノ。M11『答えなき問い』では「どうして真っ暗なの?」に「熱い雲が覆うから・両目を覆われてるから」と現状を他者のせいにしていたけど、本当は真実から目を逸らし自ら世界を切り離していたのは己であって、本当はシノはそれに気づいており自虐的な笑みを浮かべていたのは見ていて痛々しかったです。ブランシェット城で働くようになって、ヒースと友達になって初めて自分の居場所を見つけたから、ザシャもどこかに辿り着けるよう助けたいと思ったのだろうと、痛みを知る分誰かに優しくできる勇敢さを持っていて、ファウストが「お前は英雄になれる男だ」と言ったことにも頷けます。
東の魔法使いが共にあることは”仲良し”ではなく”仲間”であること、そして”ひとり”でいることは決して"孤独"や"独りぼっち"ではないこと。ここまで観ていて、Part2はかなり他己理解に重点を置いた物語構成にしていることがわかります。内面をあまり表に出すことのない東の魔法使いたち、外から見て感じる印象と彼らの考え方には大きな差があり、観客は賢者と共に理解を深めるのでした。


2.5幕:北の国(サポート:中央の国)
矜持と祝祭のプレリュード

<隣り合わせの闇と死の予感>
最後の祝祭は北の大地の果て、希望の平原へ赴くことになります。ところがどっこいそこは北の魔法使い、というか北3。行こうと言ったら行きたくない、寝ろと言ったら寝たくなくなる数百〜千歳超えたへそ曲がりたちなので、オズを味方につけた双子たちの思い通りに行くことは癪に障る。そこで北3による体を張った「オズ封印計画」が裏で暗躍しながら旅は進みます。

サポートの中央の魔法使いたちは、北の魔法使いが一筋縄ではいかないことを知っているからこそ「賛同することができずとも、彼らがそのような生き方をする理由を理解したい」と話しますが、北出身のオズに決してお前たちには理解することはできないと言い切られてしまいます。北3は自分達より強いオズを目障りに感じている、だから倒したい。ブラッドリーとの会話の中で、賢者自身は「痛い目を見るくらいなら、大人しく従う方を選びます」と話しており、この時点で既に相反する思考であることがわかります。

まほやく本編でもかなり感じることですが、北の魔法使いが最も曲げられない性質が己の「矜持」を守ること。(このせいで4thイベストではボロボロになったりアレが消えてしまったりするのですが、それはまた別の話)双子がその心に理解があることを利用し、罰ゲームで呪いの小鳥を食らったオーエンは体調を崩し作戦通りオズが魔法を使えなくなる夕刻まで祝祭を引き伸ばしたり、その後仲違いして北の原始の精霊に逆召喚されて死と隣り合わせになったり結局自分達の行動で最悪の状況を迎えてしまいます。でも北の魔法使いの凄いところは、自分達で最悪の状況にしても自分達で解決できちゃう、その自信と確かな力があることなんですよね。人間と魔法使い双方の関係を良くするためにはやはり協調性とか思いやりが重視されるのですが、北の魔法使いは己の信念を曲げることはない、利害が一致した時だけ力を貸してくれるような気まぐれな存在ではあるけど、「己の力を信じている」というのは間違いなく最強である証であり、シンプルにかっこいい、それに尽きるのでした。

<祝祭2のキーワード:正しさ>
祝祭1の時のようにわかりやすくないのですが、私は「正しさ」について3つの祝祭全てで共通意識があったと思っています。中央では見方の違いで揺れる正しさ、東では偏見や偏った知識で変わる正しさ、北では他者から間違っていると思われようと己の心が信じている正しさ。地域によって性質の違う魔法使いたち、それぞれに寄り添って見ると正しさは十人十色で本当に面白い。そしてそれをまとめる賢者様、素直に大変そうすぎる。

祝祭1では心の動きといった内面的な要素、祝祭2では他社に対して自分を示す外向的な面を描かれていると感じて、同じ祝祭シリーズでもこんなに印象が違う構成になるとは思わず驚きました。祝祭ごとに別々のストーリーを舞台としてまとめ上げるのはかなり難しく思えましたが、これはエチュードシリーズがどうなるか今から期待して待っています。

2024年の展開

<予定>
舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart1 2024年6月上演決定
舞台『魔法使いの約束』オーケストラ音楽祭 2024年6月上演決定
舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2 2024年11,12月上演決定

生きる理由ができました。本当に本当にありがとうございます。
会場は銀劇(カエルとひまわりのキャパではない)とオーチャードホール(トラウマ)以外がいいです、頼みます‥‥。

<新キャスト>
*賢者役 大森夏向さん
初日に観劇したとき、前任の新正俊さんに声が似ていてとても驚きました。まほステがベースにしている賢者様は前任の新くんが作ってくれたから、制作も夏向くん自身もその思いを受け継いで演じてくれたのかなって観ていました。でもOP曲の音程が公演後半で低くなったり、夏向くん自身が日替わりで少し違うことをしている姿を見るようになってなんだか私はそれがとても嬉しかったです。夏向くん賢者様は祝祭から仲間になったけど、みんなと過ごす時間は続きであるからどうしても前の賢者様の様子を意識してしまうかと思います。けど私は夏向くんが思う、夏向くんだけの賢者様をこれからも楽しみにしています。
私の周りでも、賢者様への思い強め(オブラート表現)な人が多いのですが、みんな自分の好きな魔法使いに一番に寄り添ってくれる存在だから、賢者様のことが好きって人が多いです。これからも夏向くんの賢者様に沢山出会っていけますように。

*ミチル・フローレンス役 弦間哲心さん
どうしても前任の今牧輝さんとの違いみたいな書き方をしてしまうのですが、優劣を比べているわけではないので悪しからず!今牧くんのミチルの印象はしっかりしていて、気の強い男の子。北の魔法使いにだって負けない心が強いことが前面にかなり出ている印象でしたが、哲心くんのミチルはまだ知らない未知の世界に心躍らせつつも不安な気持ちが隠しきれていない、まほやく最年少キャラとしての立ち振る舞いの表現が上手いなと思って見ていました。どちらのミチルも素敵だけど、今牧ミチルは怒るとキッと音がするのに対して、哲心ミチルはプンプンと聞こえるような、絶妙な違いが感じ取れます(笑)ムゥムゥとの別れは物分かりの良いいい子でいたい反面、寂しい心が隠しきれない複雑な心が表情から感じられてぐっときました。遠い先の話ですが、「花根付く診療所のラプソディ」は哲心くんのミチルで観れたらいいなと思っています。

<卒業>
2022年の3章以来、久しぶりの卒業が発表されましたね。

3人とも、1章から出演されていた功労者なので、お知らせを見たときは喪失感がかなり大きくて、正直未だに信じられない気持ちでいっぱいです。

*ムル・ハート役 橋本汰斗さん
私はまほステで初めて拝見した俳優さんでしたが、M1『出会いは満月の夜』で銀劇からまほやくの世界に連れて行って貰った初日のあの感動は今でもずっと心にあります。ムルの怪しくて紳士的な一面、猫のように気まぐれで舞台上を駆け回るアクロバット、伸びやかで綺麗な歌声も全部全部素敵で大好きでした!汰斗くんは本当に魔法使いのような役者さんだと思っています。まほステではなくても、いつかまたどこかで出会いたい人です。元気でいてください。

*スノウ役 奥田夢叶さん
夢叶くんもまほステで初めて拝見したのですが、スノウ様がゲームからそのまま飛び出してきたのかと思うルックスの可愛さと、「キャッキャッ」の声があまりにも原作で友達と度肝抜かれたのを覚えています。双子の司ホワイトとの1章M11『孤独』と祝祭2のM18『北の矜持』では親しみのある双子から北の魔法使いの特色を表す歌詞とともに空気を変える、華奢な体からあんなに存在感を出せるのかと見惚れてしまっていました。最近はドラマに出演されているのも見かけていたので幅広い分野での活躍を見ることができて短い間でも素敵なところを知ることができて嬉しかったです。また新たな場所で夢叶くんらしく笑っていてくれることを願っています。

*ヒースクリフ・ブランシェット役 加藤大悟さん
ヒースの領主の息子であるのに魔法使いであることの葛藤を、初演から沢山の愛を持って演じてくれていることをとても感じていました。2章からは相棒のシノ升吾くんが入ってきて、二人で一緒にキャラクターを舞台で輝かせていたことが印象に残っています。優しくて鋭いツッコミをシノにする反面、ピンチの時は真っ先に賢者様の横に行く紳士的な立ち振る舞い、これはネタバレだけど黒豹になった時のギャップが凄くて初見でこれは本当に大悟くんなのか?!と目を疑ったことを覚えています。個人的に舞台映えする役者さんだと思っているので、また別作品でも板の上で会える機会があったら嬉しいです。



個人的にはまほステに限らず、大きな劇団の作品も、映画ですら何もかも原作通りにできる作品はないと思っています。でも私が2.5のまほステに触れる理由はキャストさんやスタッフさんの愛が公演期間中にとても感じられるからなんですよね。今回卒業が発表された3人も、一ファンでしかない私が言うのもなんですが、作品をとても愛していて、届けてくれたかけがえのないカンパニーの一員です。Part1の千秋楽でジェーくんの言っていた「まほステには22人の魔法使いと、2人の賢者様がいます」ここからさらに仲間が増えると思うと、また新たな出会いに希望で胸が膨らみます。今はまだ寂しいの方が大きいけど、いつか迎える大団円で笑えると信じて、これからも行く末を見守っています。

余談ですが、個人的に今回のOP/EDで好きだった歌詞は「耳の奥鳴り響く懐かしい誰かの声」でした。原作のまほやくでは前の賢者様のことを顔も名前も思い出せないけど確かに一緒に過ごした人と表現しているので、この歌詞を聞いた時卒業した二人のことを思い出すことができてなんだか嬉しかったです。

そして今年は夢にまで見た音楽祭が開催されること、心から楽しみにしています。「二度と聞けないあの歌」も会場で聴くことができると信じて。


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