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Free!シリーズとRWの感想

序盤はわたしとFree!シリーズの話を自分用にまとめたかっただけなので飛ばしてよいです。

Free!とわたし(飛ばしていい)

京アニが男子メインの水泳アニメを作るらしい。そう聞いたのは6年前の春だった。わたしのタイムラインはにわかに盛り上がり、ほとんどの人が興味を持っていた。もちろんわたしもだ。わたしはけいおん!にめちゃくちゃハマっており映画も何度も見に行きフィギュアもそこそこ集めいてた。
京アニは素晴らしい作品を作る。それは共通認識であり、そんな京アニが女性をターゲット(腐女子向け、ともいうかもしれない)とした作品を作ると聞けばそりゃ見るだろ、と迷いなく思っていた。

あれから6年。Free!にめちゃくちゃハマったかというと、そうでもない。当時住んでいた福岡では放送がなかったためネットの配信を待たないといけなかったり、配信期限にも間に合わなかったりして放送時期にはきちんと最後まで見られないことも多かった。あと人が多いジャンルは、人が多いがゆえに学級会を起こすタイプが集まりやすく変な意味で目立ったりしてしまう。
 基本的に人の多くないジャンルにいるわたしにとって、巨大ジャンルというのは恐ろしさを感じるところでもある。いろんな人がいるのは当たり前だけど、だからこそ合わないタイプもよく見かけてしまう。どうしてもそこに尻込みしてしまい、まぁそんなに深く関わらなくてもいいかな…。となってしまう。
わりと薄く、それでも決定的に離れることはなくFree!という作品のことを見てきた。これはひとえにFree!が京アニ作品だからというのが大きな理由である。

1期を見始めたときは、わりと真琴が好きかなと思った。しかし彼は人気キャラでありいろんな人がいろんな解釈を持っていた。そういうのがちょっと苦手になり、そこまで入れ込みはしなくなってしまい、最終的に渚くんがかわいくて癒しだなというところに落ち着いた。

2期は御子柴百太郎である。鈴村健一ボイスの年下!!!好きにならんわけがない!!!!しかし彼はメインキャラではなくそこまで本編で掘り下げられることはなかった。あとは山崎宗介くんの顔がめちゃくちゃ好みっていうのがあった。顔が良い。顔がいいことは才能。
しかしお話が進むにつれて配信をきちんと見られなくなったのもあり、11話以降は見られないまま終わってしまった。なのでとくに自分の中でもこの作品を掘り下げることもなかった。

そんなわたしの風向きが変わったのはハイ☆スピード劇場版の存在だった。他のFree!の総集編映画も観に行っていなかったのだが、ハイスピ映画は3回観に行って通常盤だけど円盤も買った。
これはまぁわたしがショタコンだからという理由が大きいのだけど、桐嶋郁弥がめちゃくちゃ性癖にきたというのもある。ハイスピには中学生になったばかりの男の子たちが持つ、自分が強いと信じたい(けど現実はあんまりうまくいかない)、もっと強くなりたいという強烈な成長エネルギーに溢れていた。郁弥と旭はそういうキャラだった。
ハイスピがとても良かったので1期も2期ももう一度きちんと見直し、宗介の肩治って!!!てかFree!は優しい世界だから宗介の肩は治る!!!絶対に!!!などと供述した。

そして3期だが、これもまた録画に失敗したりしたので全話きちんと見れたわけじゃなかった。ハマっている人には失礼だが、やはりFree!とわたしの関係はわりと薄いほうだろう。心血注いで命をかけるところまではいっていない。

RWの感想

ようやく映画RWの話になる。
開始5分も経たずめちゃくちゃ泣いた。そもそもわたしはこの映画が総集編だということもよく知らないまま観に行った。
新規カット、保育園時代の遙さんと真琴。こんな幼いときから、遙さんにはなりたいものが明確に存在していた。しかし真琴にはそれがない。彼があの画用紙に何を描いたのかはわからないまま小学生に時間は進む。

松岡凛が現れ、本人は無自覚ながら周りにいろんな影響を及ぼしていく。そして流れ星にするお願い事も、真琴はまたあまりはっきりと言えない。
おそらく凛ちゃんは自分に夢があるからこそ、周りもそうだと信じている。疑いもしていない。自分と同じように周りの人間にもなりたいものがあり、それに向かっているものだと思い込んでいる。
しかし真琴にはそれがないのだ。凛ちゃんも遙さんも渚くんも自分の願いや想いをはっきりと口にするが、真琴だけは曖昧に言葉を濁している。濁していると気付かれないように。

遙と真琴の関係は、幼馴染であり真琴が遙の世話を焼いているように見えるが、わたしは1期の頃から「ハルちゃんがまこちゃんにお世話されないと生きていけないのではなく、まこちゃんがハルちゃんのお世話をしないと生きていけないのでは?」ということを思っていた。
回想シーンからも、幼いころは物怖じしない遙の後ろに引っ込み思案な真琴が隠れているというシーンが何度も出てくる。

橘真琴はこの作品でいちばんつかみどころのない、人によって解釈が変わるキャラだと思う。理解がむつかしい。もしかしたらスタッフのインタビューとかを読むことでもう少し理解を深められるかもしれないけど、現状としてそういうのに触れずにここまで来たので制作側がどう思っているかは省く。

Free!は、なりたいものが明確なキャラがたくさん出てくる。それこそメインキャラたちはほとんどそうだ。理想があり憧れがあり、だからこそ現状の自分とそれらを照らし合わせて足りない自分に憤り心を閉ざしたり周りに当たったりもしてきた。
そんな中で、真琴だけが自分自身の憧れや理想を明確にできずにいた。だけどそんなものは当たり前だと思う。何者にもなれない、何になりたいかもわからない。10代の、思春期のころなんてそんなのが当たり前だろう。だから真琴はこれまでのお話の中でも何度か自分に対して「変わらなきゃ」と言い聞かせていた。

それがようやく、自分のなりたいものや理想が明確になった。そして、凛ちゃんや遙さんにそれを自分の言葉でしっかりと伝える。目をそらしたり曖昧にしない。トレーナーになりたい。子どもたちに水泳の楽しさを伝えたい。その目には遠慮も躊躇いもなくて、ただ未来に向けて、夢に向かってきらきらしている。

もう泣くしかないだろ。なんだこの映画……てか3期のラストってこうだったっけ………。まこちゃん……君は……君という子は………大人になってしまったんだね………。

ここのシーンは3期の最終話にも含まれている既存シーンだったにもかかわらず、映画で一気に見たことや色んなシーンが加えられたからこそものすごく胸に来るものがあった。だからこの感想は人によってはなにを今さら…みたいな話かもしれない。改めて3期の最終回を見返してみたがわたしは桐嶋兄弟の対決にばかり気を取られていたなと思った。

桐嶋兄弟、ものすごく性癖にくる。郁弥はもう見た目や雰囲気、性格が中1の段階でものすごく性癖にきたし、夏也お兄ちゃんは顔が良すぎる。顔がいい、それは才能。宗介と並ばれるとあまりの顔の良さに直視ができない。

話を戻す。真琴が今までに何度か「変わらなきゃ」と思い行動をすることに対して、遙さんは「真琴は真琴のままでいい」ということを伝えていた。無理に変わろうとするなと。しかし真琴が初めてきちんと自分の夢や理想を語ったあのシーンで、遙さんはただ笑った。そのままを受け入れていたように見えて、すごくよかった。

遙さんは1期の最初、はやくただの人になりたいと言っていた。天才も、20を過ぎればただの人。だからはやく大人になって、ただの人になりたいと。それが2期までのあいだにいろんな仲間と関わることで「このままがいい、変わりたくない、大人になりたくない」と抵抗を始めてしまう。この作品でぐっとくるところのひとつだ。

そしてそんな遙さんへ、凛ちゃんが未来への道しるべを教えてあげる。それが2期の終盤、要だったと思う。遙さんが選んだその道は、いろんな仲間との絆があったからこそ見えた道。そして未来。
だからこそ「ひとりでなんでもできなくちゃダメだ」と自分を追い込んだ郁弥を救えた。日和のことも救うことができた。

まあたしかに郁弥にとっての王子様が遙さんで、日和にとっての王子様は郁弥っていう二段構えになんという展開なんだこのアニメと思ったけれど。そこは置いておく。

そうして子どもたちは大人になってしまう。
あのころ夢に見ていた自分とは少し違うかもしれないけれど、昔の自分からさまざまな思いを受け取り、未来へつないでいく。

理想や夢があった子、理想も夢も描けなかった子、さまざまな少年たちがそうして夢へと向かい、飛び込んでいく。

劇場版 Free!-Road to the World-夢、めちゃくちゃいい映画だった!!!!これまで6年間、なんだかんだうっすらとでもこの作品を追いかけておいてよかった!!!!!

そして次なる舞台へ、京アニがまた素晴らしい作品を作ってくれることを信じて待っています。

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