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10月のエッセイ④おいしさの閾値について

今月はnoteクリエイターフェスという企画の一環で、毎日投稿したらいいことがあるそうです。
私はいつもちょっと長めの記事を週1~2回ペースで書いていますが、コンパクトかつコンスタントに書く訓練と位置づけ、平日は800~1000字くらいのエッセイを書きます。
応援していただけると嬉しいです。

温かい飲み物でほっと一息

仕事が忙しかったり、やることが色々あったりで思うようにnoteを更新できないまま、10月も下旬にさしかかりました。
何だか日常に彩りが欲しくて、今日は会社の帰りに少し遠めのスーパーまで足を延ばし、気分に任せてお茶をいくつか買いました。


3点で合計800円ちょっと

気温が下がってきて、夜に何かカフェインレスのあたたかな物を飲みたいなと思い、真ん中のルイボスアールグレイは自宅用に。
他の2つは会社用です。
いつもはだいたいウォーターサーバーの白湯をちびちび飲んでいますが(仕事に集中すると水分補給を忘れるクセがあるので気を付けてます)、美味しいお菓子をもらった時や眠気覚ましをしたい時など、ちょっと白湯だと味気ないなあという瞬間が週に1,2回おとずれるのですよね。
特に一番右の「ミルクとけだすティーバッグ」は、ミルク不要でミルクティーを楽しめるお茶という評判を聞き、気になっていました。

一時期はマリアージュフレールのマルコポーロを常備していたり、北欧紅茶のセーデルブレンド、F&Mのスモーキーアールグレイ、中国茶ならプーアル茶や白牡丹茶など、好きなお茶は今でもたくさんありますが、現在自宅にあるお茶は日東紅茶の「DAY & DAY」(50バッグ1カートン、スーパーの特売で198円+税)と、夏の名残りの水出し兼用ジャスミン茶(伊藤園)だけです。

味蕾の感度とモノの値段は釣り合わない

マリアージュフレールのマルコポーロは確かに美味しいし、飲んでいるときの多幸感は計り知れないものがあります。
その香りと味を楽しみながら過ごすひとときは何物にも代えがたい。そのこともまた、経験として知っています。

しかし、マルコポーロの価格が日東紅茶の30倍だからといって、30倍美味しいか?というと、実際のところそうは思えないのですよね。
なぜなら多くのロングセラーの量産品がそうであるように、日東紅茶も相当に美味しいからです。
これらは数字の大きさで比べられるものではありません。同じ数直線上に置けないのです。

そして、私たちの味蕾が受容できるおいしさの感度には限界があります。
モノの値段は天井知らずで、高価なものや珍重されるものにはどこまでも高値が付きますが、私たちはお財布や預金口座を増やすように舌をもう一枚増やすことはできません。

「ささやかな美味しさ」を愛する

美味しさが測れないもう一つの理由は、それがどこまでも主観的なものだからです。
その人が「おいしい」と感じ始めるすれすれのポイント(閾値)を飲食物それ自体がいったん超えてしまえば、そこからの差はほとんどその他の要因(頻度や間隔や量、外部環境やシチュエーション、快適さ、幸福度など)しだいで増幅されうるのではないか、とも思えます。

つねに変化に富んだ食事をし、珍しい味覚にさらされ続けるのも刺激的でいいけれど、ふだんはプレーンな美味しさで滋養をつけ、たまに目新しいものに触れて自身の味覚の幅を確認する、くらいのバランスが、いかにも「ハレ」と「ケ」のある農耕民族らしくていいんじゃないか、などと考えながら、二杯目のお茶を飲むのでした。

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