仁衡琢磨@著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」上梓!

クラシックを中心に音楽全般、文学、美術、映画、独り旅が好き。茨城県出身、在住。ラボ・パ…

仁衡琢磨@著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」上梓!

クラシックを中心に音楽全般、文学、美術、映画、独り旅が好き。茨城県出身、在住。ラボ・パーティ出身。 2020年8月に初めての著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」を上梓。

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著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」刊行!

 私の初めての著書が、2020年9月15日付で、アーツアンドクラフツ社から刊行されました。掲げた画像はその表紙・背表紙・裏表紙です。以下内容をご紹介します。 ひとことで言えばこんな本教育運動家・谷川雁の「ことば、物語、表現」活動で育った著者が世に問う生き方と実践、「谷川雁ラボ作品」体験記、同時代表現者論考 もうちょっと具体的に言えばこんな本 一般的には「詩人・思想家」として知られる谷川雁、その後半生は子どものために生きたものであった!彼の定義に「教育運動家」も追加するべき

    • 著書「ことばがこどもの未来をつくる -谷川雁の教育活動から萌え出でしもの-」第二版が発行されました!

       2020年9月15日に上梓となった初めての著書、このたび初版の誤記を修正した第二版としてアーツアンドクラフツから発行されました!版を重ねることが難しいこの時代に、このように第二版刊行を見て、嬉しい限りです! 掲げた画像はその表紙・背表紙・裏表紙です。以下改めて内容をご紹介します。ご興味有りましたら、書店、オンライン書店、あるいは後述する特別頒価直販サイトなどでお買い求めくださいませ。 ひとことで言えばこんな本教育運動家・谷川雁の「ことば、物語、表現」活動で育った著者が世に

      • ジャズ喫茶 ベイシー -Swiftyの譚詩

         土浦セントラルシネマズへ。ドキュメンタリー映画「ジャズ喫茶 ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)」を観た。土浦セントラルシネマズは、全国チェーンあるいは外資のシネマコンプレックス全盛の御時世のなか、単館で頑張ってくれている地元のミニシアター。一時期シネマ1~4の4スクリーンを擁するシネマコンプレックス様態になったりもした歴史もあるようだが、現在はシネマ1のみの1スクリーンでの営業になっている。昔ながらの映画館の風情もあり、また映画にかける熱い思いが掲示物から溢れてい

        • 「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展

           竹橋にある東京国立近代美術館へ。車で往復。お目当てはギャラリー4で開かれている「コレクションによる小企画」である「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」展。事前に東京国立近代美術館のWebサイトにて公開されている解説動画、NHKの「日曜美術館 アートシーン」にて予習してから出かけた。そのおかげで、より一層楽しめたし、そして思いがけぬ絵と出逢えた、大変収穫の多い美術展であった。 (東京国立近代美術館のサイトを以下に紹介する。解説動画がお勧め) *本展は既に終了しています 思いが

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        • 人生における全ての事は物語
          31本

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          映画「パリの恋人」

           長女がオードリー・ヘップバーン好き、ということで一緒に観た。原題Fanny Face。1957年の映画。 Empathy 劇中のオードリー演じる書店員ジョーがかぶれているフランスの思想が「共感主義」として登場。ジョーが熱く語るには「Sympathy(同感)ではなくてEmpathy(共感)を大事にする思想なんだ!」と。最近も良く聞く考え方だな。63年前の映画で取り上げられていたとは驚き。  結局ジョーが憧れていたパリ在住の共感主義提唱者フロストル教授はちょっと怪しげな教祖的

          取手の重要文化財を観る

           茨城県取手市には国の重要指定文化財が一つある。知らなかったなぁ! 早速行ってみた。県指定文化財一つも訪った。ここに記録しておきたい。 龍禅寺三仏堂 天台宗のお寺。米井山(べいせいざん)無量寿院と号す。924年あるいは939年の創建と伝えられる。裳階(もこし)が左右と背面にある。裳階とは「本来の屋根の下につけた差しかけの屋根」とか「仏堂・仏塔などの軒下壁面に取り付けた庇(ひさし)状の構造物」などと説明されるもので、屋根の下に屋根があるという感じのもの。これが三方につくという

          この時代に音楽を聴くということ -メシアン「世の終わりのための四重奏曲」

           日曜日は水戸芸術館コンサートホールATMへ。なんて久しぶりなんだろう…遂にこの日が。頻繁にここに通って一流の音楽を聴けていた頃は遠い昔のよう。最後にここでライヴの演奏を聴いたのは8カ月近く前、2月2日の第105回水戸室内管弦楽団定期演奏会だった。  頻繁に演奏会を聴いていた私。今年の出だしもいつも同様だった。挙げてみよう。 1月17日 エッシェンバッハ指揮N響@NHKホール 1月24日 サロネン指揮フィルハーモニア管@東京文化会館 1月27日 モルゴーア・クァルテット@

          この時代に音楽を聴くということ -メシアン「世の終わりのための四重奏曲」

          加波山事件/修験道の山、加波山に登る

           秋の一日、小六息子Kと加波山に登った。このご時世、遠足も修学旅行もない六年生。せめて四連休に父と二人遠足を、と企画。  茨城県南には小学生と、普段運動をしていない父親とに、ほどいい高さの山が豊富にある。丁度一年と一日前、去年の9月21日には当時小五だった双子息子KとTと三人で宝篋山(標高461m)に登ったっけ。  今回は小六双子のうちKと二人。彼に一年前に買った登山靴はもう小さくて履けないという…。たった一回しか履けなかったか…もっと山に登るつもりだったが…本を書いていたの

          結城合戦/与謝蕪村青春の地、結城

           秋の一日、小六息子Tと二人、結城市(茨城県)へ。  小六双子、秋の遠足も宿泊学習も、何もかも無くなってしまってかわいそう。せめてお父さんとの秋遠足を企画しました。翌日は小六息子Kと別の企画。双子だからと一まとめにして扱うのも良くないなと別々に。 結城合戦に興味を持った息子T なぜ結城市か。それはTが集英社版・学習漫画「日本の歴史 9 室町幕府と一揆の世」で結城合戦を知り、興味を持ったから。全20巻のうちのたった2ページしか割かれていないことだけど、少年の心には突然何かが刺

          カレル・チャペック『白い病』を読む

           チェコの国民的作家カレル・チャペックの戯曲『白い病』を阿部賢一さんが訳出、無料公開して下さっていた。未読のチャペック作品、ありがたく、拝読した。しかも書き出しから「ペストったらペストだ」で始まるように、時宜にかなった今こそ読むべき内容だ。  このnoteでの公開がきっかけとなって書籍化も決定、9月15日に岩波文庫として公刊された。  なお、これに伴いnoteでの公開は終了している。書籍化に際しては、訳文の全面的見直し、チャペックによる「前書き」「作者による解題」も付録と

          夏休み、四つの対局を並行で楽しむ

           将棋は毎日のように幾つもの対局が行われている。昨日2020年8月14日は七つの対局が組まれていた。折角の夏休みだ。たくさん楽しもう!そのうちの四つを並行して棋譜を追うこととした。 四つの対局、バラエティ豊かな戦型 四つの対局は全て違う戦型。将棋は本当にたくさんの形があるところが楽しい! 1. 名人戦七番勝負 第六局(第一日) 渡辺明二冠 対 豊島将之名人  これは矢倉戦。金矢倉 対 米長流急戦矢倉。 2. 棋王戦挑戦者決定トーナメント二回戦 三浦弘行九段 対 木村一

          夏の日、大逆事件を思う

           夏、蝉の声を聞いていると、過去を振り返りたい心持ちになるのは何故だろう。  春は蕾がふくらみ、これからの成長に心を馳せる季節と言えるだろう。秋は作物の実りに心も豊かに満ちる。冬は寒いからこそ、人の温かさを感じ、春の到来を待つ穏やかな気持ちも生む。では夏は。夏は一年のうちで生命がもっとも旺盛である盛りとも言えるが、盛りなればこそ、「夏の終わり」を予感させ、なにごとかの終焉に想いを致させる。かてて加えて、原爆投下、終戦の記憶とも重なることももあり、また帰省の季節でもあり。自分

          香川愛生女流三段著『職業、女流棋士』を読む

           藤井聡太棋聖の活躍などで将棋界が注目を浴びている。数年前に将棋ソフト不正使用疑惑に揺れ、谷川浩司将棋連盟会長の辞任にまで繋がった混乱時には、どうなることかと心配したものだったが、一人の天才の登場により一気に再度の隆盛が来ている。一人の将棋ファンとして、このよい流れを是非繋げてほしいと願っている。 ITの発展と将棋界 将棋ファン、と自称したが小学生の頃に最も熱心に指したきりで、自分で指すことはほとんどしてこなかった。今はいわゆる「観る将」として専ら観戦を楽しんでいる。ここの

          寂滅のデルス・ウザーラ

           同級生が亡くなった。  「人生五十年」と唄った信長の時代ならいざしらず、願望も籠めてのことだろうが「人生百年時代」などと言われる今の時代に、その半分の約五十年で身罷るのは早すぎる…と思わずにいられない。  亡くなられたKさんとは同じ中学、高校だった。私たちが高校受験をする頃、私たちの県には「学区」という制度があり、「学区外」の高校に進もうとする者は相当いい成績を取らないと行けないという壁があった。  私とKさんの中学から、その高校に進んだのは私たち二人だけだった。つま

          恩田陸『祝祭と予感』

          恩田さんは言葉の対置をとことん鍛錬したんだな。短編タイトルの「祝祭と掃苔、獅子と芍薬、袈裟と鞦韆、竪琴と葦笛、鈴蘭と階段、伝説と予感」もそうだし、作中でも例えばマサルが初めてJAZZをライヴで聴いたときの感想を「激しさと詩情、衝動と理知、殺気と洗練」と書いている。惜しげもなく。

          ライプツィヒ音楽散歩(2019年)後編

          (ぜひ前編からご覧ください) トーマス教会、バッハ博物館 さて、ライプツィヒ音楽散歩の続き。勿論バッハがカントール(合唱指導者)を後半生27年間に亘って続けたトーマス教会にも行きましたよ。こここそがバッハに最も所縁のある教会!ここでオルガンを聴ける悦びよ…。  教会のステンドグラスにはバッハとメンデルスゾーンの姿があり、二人が如何に大事にされているかがよく判る。二人ともここの生まれでは無いけれど、この街の音楽を豊かにしてくれた、そう感謝しているのだな。そして教会内祭壇の手