見出し画像

プロダクトビジョンを作る

こんにちは、DeployGateの藤﨑です。今月のnoteは、4年振りに来たカリフォルニアの地からお届けしています。清々しい天気と、久々の時差ボケを味わってます。そしてあと1日あると思っていた4月も、日本はもう30日になっていることに気づき、いま慌ててこれを書いています。時差16時間こわい。気づいた自分えらい。

さて、私はここ1ヶ月の間、DeployGateの今後をプロダクトビジョンとして言語化するのに集中していました。そこで今月は、なぜプロダクトビジョンを作ることになったのかという背景と、どのように作っていったかについて書いてみたいと思います。

今回プロダクトビジョンを作ったのは、チーム全体で長期的な目線を合わせるのが目的です。DeployGateでは従来から会社としてのビジョンとミッションがあり、それを目指す上で中心にあるのはプロダクトです。チームで優れたプロダクトを作り上げるには、まずその未来の姿をチームの全員が共通認識として持ち、目指すゴールをしっかり握ることで、途中にあるあらゆる議論を前向きに進められる状況を持つ必要があります。

そのためには、まずは自分の頭の中にしかない「これを作りたい」を言語化する必要がありました。いま我々が目指す場所の言語化が終わってないのに、他のタスクに手を付けてはいけない。プロダクトビジョン作りは、何よりも優先してやるべき仕事である、と2月の自分自身の振り返りで位置づけました。

それから1ヶ月が経ち、やってきた3月の振り返り。2月に大事な仕事だと位置づけたプロダクトビジョン作りは、1ヶ月経って何も進んでいませんでした。何よりも優先して、とは一体なんだったのか……。

振り返ってみると、私はカレンダーに4週に渡って枠を入れていたにも関わらず、それには目もくれず、目の前に次々現れる課題にマインドシェアを完全に奪われてしまっていました。一人で作ろうとしていましたが、一人ではなんともならないことが分かったので、COOのkaz8tuに助けてくれ〜と泣きつき、翌週から毎日壁打ちの時間を設けてもらうことになりました。頼りになる……!

まずはゴールとなるアウトプットの形を決めよう、と、いくつかの参考ブログとProduct Vision Boardを提案してもらい、1・3・5年のビジョンと戦略を作り上げるという目標を置きました。最初は長めのミーティングを設定してしっかり方向性を洗いだし、その後は毎日チェックインの時間を設けてアップデートを共有しながら、詳細に行きすぎたり(すぐUIを描こうとする)、ストップしないようにしつつ、試行錯誤しながら内容の言語化を進めていきました。

残り1週間を切った頃、小城さんの「16時間でプロダクトに自信が持てるドリル」の記事が出て、うおーめっちゃよい、が、ここからさらに8週間やるわけにはいかないなあと思いつつ、ポイントを摘まんで参考にさせてもらったりしました。

この記事を見たのは、ちょうど長期のビジョンをバラして段階に分けていた頃でした。長期のプロダクトビジョンにたどり着くまでの時間軸をなにを基準に分割するべきか考えあぐねていたところに「ワーク: プロダクトビジョンを解きほぐす - Lv.10やLv.30はどんな状態ですか?」の部分の話は、やることがイメージしやすくなり助かりました。特に「機能を書かない」というのはよい指摘でした。

そして壁打ちを始めて1ヶ月。なんとかまとめ上げたプロダクトビジョンと大まかな戦略を、オールハンズでDeployGateチーム全員に共有するところまで漕ぎ着くことができました。結果的に形としては全体のProduct Vision Boardだけを作り、区切りも1・3・5年ではなく段階(レベル)で分けた、当初予定とは違う形のものになりましたが、いつでも参照でき継続的にアップデートしていく今後3年のプロダクトビジョンと戦略ができました。

全体への共有後は、経営メンバーと一緒に不足していた細部、特に戦略の前提となっている部分をの言語化を進め、反映しました。特に、なぜこれをやるのか、といったWhyの部分には「事実」「自身の過去の体験」「ヒアリングで得たインサイト」「仮説」などなどが混ざるので、出所をタグ付けしてどの程度客観的にvalidな話なのかを見えやすくしました。

自分の中でこの後作っていくものの解像度が上がり、言語化が進んだのは大きな収穫でした。昨年末にチームに共有していた今後のビジョンでは、whyは共感してもらえるけど、どんな製品なのかまだ見えていない状態でした。この1ヶ月で、具体的にどんな組織の誰を対象に、その人達がどんなことができるようになり、どんな段階を踏んでそこまで行くのかが見え、共有できる状態になりました。

また、段階ごとに得られるであろう成果を指標として最初から言語化できたのも今後の議論に大きく役立ちそうです。「この段階では、これを高めることをやるぞ」ということが明確になるため、こうなったら価値を感じられるよね、を我々自身も顧客にも分かる状態を目指してプロダクト作りを進めていくことができそうです。

ということで、時間は掛かってしまいましたが、ここまで言語化できなかったものがようやくチームに見えるところまできた、そんな4月でした。引き続きチームに共有しながら、必要な部分をアップデートしつつ、次はどのように実現していくかの議論に入っていきたいと思います。

それではまた来月。素敵なゴールデンウィークをお過ごしください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?