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怒られて伸びる人と、そうでない人の違い

 厳しく指導されたり、厳しい環境にいて嫌になる人と、厳しさに成長を見出す人の違いはなんだろうか。

 少し厳しいことを言われただけで辞めてしまう人がいる反面で、早く戦力になりたい、怒られることはむしろ有り難い、若い人でもそう言う人がいる。
 思うに視線が何処に向いているかということではないか。

 遠くに実現したい大きな目標を持っていて、今はそのための途上にあると考えているのか、それとも遠い将来のことは分からないが取り敢えず目の前のことを片付けようと思っているのか。
 前者の場合、自然と視野が広くなって現在から将来に渡って俯瞰した視点を持てる。それに対して後者は視野が狭くなりがちで、少しの不満や困りごとが実際以上に大きく見えるのではないだろうか。

 社長の視点で仕事をしてみようと言われることがある。これを聞いた人が取る態度は大きく三つに分かれる。
 俺は社長じゃないからそんなことは知らないという人、なるほど別の視点を持つことは大切だけど社長の視点ってどんなだか分からないなという人、そして将来上に立つかもしれないから今からそういった考えを実践的に学んでおこうと思う人。

 この反応の違いも、その人が持っている視野の広さの違いの様な気がする。相手からはどんな風に見えているのかという視点を持つことは、仕事をする上では必須とも言える大事なことだが、実践が難しいことでもある。さらに、将来の自分から見た時に今の自分がどう見えるかというのも大切な視点だが、これはもっと難しい。

 仕事は生活費や楽しむための金を稼ぐためと思っている人や、仕事に目標を抱けないという人に、俯瞰した視点を持てと言っても恐らくピンと来ないだろう。会社や上司に言われたことを的確にこなすことこそが収入を確保して将来的にそれを増やす為の唯一の道と思っている人に仕事ができる人になることを期待するのは難しいかも知れない。マニュアル通りをこなすことに精一杯で、お客さんが求めていることをつかもうとする余裕ない人に売上向上を期待することは難しい。

 仕事が出来るようになるかどうかという観点では、褒めて育てることが良いか悪いかということは本質的な問ではないだろう。逆に厳しいから駄目ということでも無い。
 大きなことを言えば、本人が人生で何をしたいと思っているかが一番重要ではないか。それが全てな気がする。仕事も勉強も人生の一部でしかない。人生の目標が無ければ、全てが何のモチベーションにもならないはずだ。

 あれがほしいこれが欲しい、あそこに行きたい、ここに住みたいという様な日々の目標をクリアしていくことは得意かも知れないが、人生で何を成し遂げようとしているのかという視点で行動している人は多くない様に見える。お前はどうなんだと聞かれてハッキリとは答えられない自分もいる。

 今更ではあるが、人生の目標に向かって動き出すのも悪く無い。そんな風に思ったりしている。

おわり

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