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フレーム以外ほぼ新品になるような古い自転車にある価値

 息子が捨てようとしたクロスバイクまがいの自転車修理を始めて数週間。違う部品への置き換えや、使えそうだと思っていた部品が分解するたびに再利用不能と気付かされて発注するなど、作業がなかなか前に進まなかった。
 それでもようやく終盤戦に差し掛かった。一時はほぼフレームだけの状態になった自転車が、現在はタイヤの装着も終えて、一部の部品交換と取り付けを残すのみ。と言っても、ブレーキやシフトのワイヤー接続もまだだし、クランクやチェーンの装着もまだ。直ぐに終わるレベルではない。

 交換した部品、交換する部品のリストアップをしようかと思ったが、むしろ交換していないものを挙げた方が早い。
 交換していないのは、フレーム、クランク、スプロケット、ディレーラー、ハンドルバー、泥除け、スタンド、反射板、ベル、ホイール、タイヤ、ハブ、スポーク、前輪のハブ軸とベアリングボールだ。
 いやはや、部品名にするとかなりある。

 ついでだから、交換したもしくはこれからすると部品も列挙してみよう。
 チェーン、BB(クランク軸と軸受)、ハンドルグリップ、前後のシフター(ワイヤー共)、各ブレーキレバー、前後のブレーキ、ブレーキワイヤー、後輪のハブ軸とベアリングボールだ。
 意外と少ないか。
 もっとも、最初はブレーキワイヤーとブレーキシューだけ交換すれば良さそうに見えたのだから、それに比べると大事になった。チェーンはもとより、クランク軸がガタガタになっていたし、後輪のベアリングボールや玉押しが損傷していたのが発覚した。よくこれで走っていたなと思うくらいだ。

 集計はしていないが、ここまででも部品代にかなりの金額を費して来た。必要に迫られて修理用の工具をいくつも買ったりもした。
 この自転車の元々の購入価格は恐らく2万円ほどだろうから、買った方が安く済んだことは間違いない。

 しかし、自転車は乗る専門でタイヤチューブ交換すらままならないくらいの知識しか無かった私が、ここまで自転車の構造やパーツに詳しくなれたのは収穫だ。

 最終的に組み上がった段階でやっぱり動かないとならないとも限らないので賭けといえば賭けだが、それでもやってみたことで得られたことは大きい。今なら老後にちょっとした自転車修理屋さんをやってみても良いと思える程だ。
 ただ今どきは、いくら安く買った自転車だからといって修理して使いたいと言う人よりも、そんなに修理費が掛かるなら買い替えた方が得だと考える人が大半だろう。金額からすれば確かに修理費が割高になるし、少しだけお金を足して新品になるのならそちらを選択すると言う気持ちも分かる。

 オール日本製の部品で組んだらとても2万円などでは造れない街乗り自転車が普通に売っているのだから、修理して使うなんて流行らない。
 でも中国製のパーツがいつまでも安く手に入るとは限らない。だから、自転車くらい修理出来るようになっておいても損ではないさ。

おわり

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