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そして誰も来なくなった lyrics

Help me...

Help me...

I’m afraid...

Help me...

And then...

There were none.


もしも願いが一つ叶うなら

私はまっさきに祈るわ

どうか 蜘蛛の巣のように絡まりあった

秘密の鎖を解いてと


どうして 秘密を抱えながら生きるの

どうして 秘密を造ってしまうの

こんなにコスパが悪いものないじゃない

誰が発明したのよ 責任をとって


人と人が 交わるほど増えていく呪文

体裁ばかり気にしちゃうの

表情はこわばったまま

自虐と 嫉妬と 羨望と 執念が

私の世界を溶かしてしまうから


たった一人でよかった 私の暗い秘密は

私の呼吸なんだ 血液なんだと 

知ってほしかった それだけでよかった

もう手遅れかもしれないから

私の命が 最期になるまでに

歪んだ過去の残像をノートに刻んでいく


どうにかなると思っていたことが

どうにもならなくなった雨の朝

役目を果たせないまま 落ちてくる雫を見つめた

こんなに惨めな てるてる坊主


人と人が語り合うほど 増えていく記憶

天でも地でもない 目の前の現実を

受け止められないまま

承認と 称賛と 憧憬と 愛着を

求めつづけて 私は汚れるの

 

たった一言でよかった たとえ醜い姿であっても

私のからだなんだ こころなんだと

告げてほしかった それだけでよかった

払い落ちる色褪せた金髪を

枯れ木に結んで 立ち去るわ


何言ってるかわからなくても 構わない

乱れた花弁を 壊したっていい

はじめから価値なんて 無いんだから

ひたすら 種を吐き続けるのは

自己肯定感の 高い人には見えないだろう

泣くことすら許されない 華なのよ


Help me...

Help me...

I'm afraid...

Help me...

And then...


たった一秒でよかった 私は秘密を棄てた

過去と他者は変えられない

無慈悲なテーゼを 受け入れられなくても

いいんだって 生きていいんだって

聞こえたんだ さざめく雨が降った後の

虹の声がしたんだ


砂時計をひっくり返したくはないのよ

同じ過ちを繰り返すよりはいい

始めからやり直す気力はないから

じっとその時を待つのは

自己肯定感の高い人には見えないだろう

滅ぶほど嬉しい 月なのよ


                       (Final へつづく)








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