「私らしく」の「ワタシ」って何だろうか
「心のままに」の「ココロ」って何だろうか
探して　歩いて　答えを見つけられる気がして
疲れ果てたボクは
猫を被って
のらねこになる

人間の世界は　変にズレているから
面倒くさいPRIDEほっといて
全部投げ飛ばしたくなるんだ
ボクこそが正義だって思い込みたいエゴなんだよ
そんな程度の存在なんだよ
音痴な鼻歌を恥知らずに披露して
にゃあと鳴いてみる

錆びついた郵便ポスト
晴れ渡る夏空
カメラに収めたくなるカップル
道路で見つけたチョークの落書き

ありふれた日常生活が
ボクらのlivesだって
気づかなかったんだ
人間のままじゃ

小さい身体で闊歩する
君には見えないだろう魂を
込める　放つ　つまらない爪痕を刻む
大きな男にはなりたくない
あなたを追い込んだ過去を
押し固める　凝視する　悲しみの餌を喰う

子どもたちの夢は
邪魔な大人たちに侵されるから
消されそうなFIGHTの炎を握りしめて
全部見せびらかしたくなるんだ

ボクこそが偉大だって主張したいバカなんだよ
そんな程度の存在なんだよ
捏造した毛並みを我が物顔に披露して
大きな瞳で惑わせる

道端に捨てられたマスク
病院に咲いた向日葵
朝八時に浮かぶ飛行機雲
笑顔のコンビニ店員さん

あたりまえの生活が
ボクらのspecialだって
気づけなくなったんだ
大人になった途端に

丸めた背中でほのめかす
君だけが知っている危険信号を
漏らす　遺す　猫を被ったままの姿で
小さな願いを失いたくない
あなたが信じる道の行方を
祈りつづける　眺めつづける　狂う心臓を舐めて

人間の世界は　誰かに左右されてばかりで
誰が誰の生き方かわかったもんじゃない
のらねこは知っている
僕の泣き声を　鳴き声に変えて
迷いながら進む道程を

だから　素直に従おうと決めたんだ
いつか　強くなれる日が来たのなら
僕は　猫を被らずに
のらねこになりたい