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#13-S パーキー効果:イメージが「見え」をかえる

C. Perky (1910) An experimental study of imagination. American Journal of Psychology, 21 pp. 422-452

パーキー効果とは知覚対象の特性に応じてイメージ活動が阻害されたり、逆にイメージ活動により特定の知覚活動が阻害されたりすることを指します。

Perky (1910) の実験では、実験参加者に対して何も写っていないスクリーンを呈示し、そのスクリーン上に葉っぱが写っているイメージをさせました。彼らはスクリーン上には何も写っていないと思って、葉っぱのイメージを行ったのですが、実はごくわずかに(ものすごくぼけた弱々しい光量で)スクリーンには葉っぱの絵が投影されていて、その強度(光量)が徐々に強くされていました。

その結果、葉っぱをイメージさせた場合は、何も課題がない場合に比べて、葉っぱの呈示に気づくタイミングが遅くなりました。

こんな感じ。まずは左のようなよわーい画像を呈示しておいて、どんどん強くしていった。

極端にいうと、イメージ無しなら図の真ん中くらいの強度で気づくのに、イメージさせたら右のようにはっきり映るまで気づかなかった、と。

つまり、ヒトは心のなかでイメージしたものと見ているものが同じだった場合、それらの像(心像と実像)を混同してしまうのです。
これは何度か再現されていて、おおかた認められる事象のようです。

まとめ
こころでイメージすることと、見ることは心理的にはかなり似たプロセスらしい。ちなみにこのことは視覚イメージをさせると視覚野の活動が上昇するという神経科学的知見とも整合します。


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