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「犬」に吠えられると一目散に逃げる「クマ」の心理 なぜ「野生のクマ」は「犬」にだけ弱いのか・・・という記事の紹介です。

最近、熊のニュースが多いですね。

僕自身、北海道に移住する際にまず調べたのが、北海道に生息する最強の生物であるヒグマの事でした。

大自然が広がる北海道は、それ自体が魅力ではありますが、そこに住む野生生物との遭遇や被害は表裏一体のモノであると考えていたからで、美しい自然のそばで暮らす事=野生生物のテリトリーに近い生活になる事、という事を普通に認識していました。

ですので、熊の被害で駆除をしたハンターや自治体に対して、熊を殺すな等の問い合わせをする人の気が知れないというか、ちょっと理解に苦しむのが正直な所です。

人間は自然界では単体では非常に弱い生物です。
爪も牙も野生生物と戦えるほどの鋭さを持ち合わせていません。
馬に蹴られよう物なら骨は折れてしまいますし酷ければ死にます。
猫に引っかかれただけでも出血するほど皮膚も脆いです。

だから人間社会を作って家や壁を建てて野生生物から襲われないようにしているんだと思っています。

要は、自然の中では食うか食われるか。
植物だって生きてますので、生物にとって他の動植物の命を頂きながら生きている、その循環に人間だって含まれているという事を忘れてはならないと思っています。

人を怖がらない熊は、駆除しないと人間社会に大きな被害をもたらしますので、それは人間社会を守る上で必要な対応だと思います。

人を怖がらない熊を野放しにするという事は、かつての熊被害の教訓を無視する暴挙だと思っています。

こちらの記事は、熊の被害の内容が記されていますので、そういうのが苦手な方は読まないでください。
かなり凄惨な事件です。

ただ、事実ですし、これだけ恐ろしいのが人を恐れない熊である事は知っておいてもらいたいと思って紹介します。

三毛別羆事件は有名な熊害ですのでご存じの方も多いと思います。
こちらの記事は、凄惨な描写が少ないのですが、もっと詳しく書いてある記事もあるので事件現場のリアルな状況を知りたい方は”三毛別羆事件”で調べてみてください。

僕自身、三毛別羆事件を調べてから北海道に移住しました。
野生の鹿やキツネに出会った事はありますが、まだ野生のヒグマに出会った事はありません。

人里近くに来る熊は本当に危険なので注意が必要です。

さて、今日はなぜ熊がこんなに沢山人里まで出てくるようになったのか、というのが気になっていた時に見つけた記事を紹介します。

日本全国で熊が出てますもんね。

山林と人の住む地域との境界がなくなってきた。
山の食糧が少なくて食料を求めて下りてきた。
・・・などなど、いろんな説がありますが、この記事を読んでナルホドな、と思いました。

「正確には、怖がるというより、避けたがっている。かつて里山に暮らしていた野良犬の記憶が残っているのでしょうね」と返ってきた。

「クマが野良犬の縄張りに入った場合、犬は追い出そうと立ち向かってきます。どんな犬も単独ではクマにかないませんが、2~3頭以上の群れをなして集団で攻撃してくる。これがなかなか厄介なのです」

 野良犬たちの戦術は、こうだ。まず1頭が、クマと正面から向かい合う。そして他の仲間はクマの後方に陣取り、隙を見て後ろから足にかみつく。アキレスけんを切れば獲物の動きが止まることを、本能的に知っているからだ。そして怒ったクマが後ろの犬を攻撃しようとすると、今度は最初に正面にいた犬が、再び後ろから足にかみつく……。

AERA

昔は野犬が山林と人里の間で野生動物と人間との接触を妨害していたという説です。

野犬の集団戦術には、熊も痛い目にあって苦手意識があったようで、たしかにそうかもしれない、と思える内容です。

日本では、1950年に制定された狂犬病予防法のもと、野良犬の駆除が進められてきた。今泉さんによると、10年ほど前にほぼすべての野良犬が姿を消したといい、その結果、犬に襲われた経験のないクマや、母グマから犬を避けるよう教わっていない子グマが増えているというのだ。

 ここ最近、犬の散歩中にクマに襲われる事件が頻発している背景には、このような“犬を知らないクマ”の存在があると、今泉さんは分析している。

「『人ともちがう、なにか見慣れない生き物が来たな』と関心を持たれてしまい、犬の存在がクマを引き寄せている可能性があります。また、鉢合わせた際に犬が激しく吠えると、クマが興奮して突進してくることも考えられる。犬を連れていることで、むしろクマの被害に遭うリスクが高くなる恐れがあるのです」

AERA

犬も単体では熊に敵いませんものね。
日本全国で、熊の頭数はかなり増えていると言われています。
それに比べてハンターの数は少なく、駆除できる数よりも熊が増える数の方が多いという話も聞きました。

熊が大挙して町に降りてきた時、今の日本社会は現状を維持できなくなると思います。
ちょっと真剣にちゃんと自然と共存する方法を考えないと危ないんじゃないかなぁと思いました。

さらに踏み込むと、「野生動物が人里に下りてくるようになったこと自体が、野良犬の駆除の結果だ」というのが、今泉さんの持論だ。

 かつて、クマだけでなくシカ、イノシシ、サルなどにとっても、野良犬は厄介な存在だった。そのため、野良犬が暮らす里山は、自然界である山と、人が住む町の間の“防波堤”となり、野生動物を人のそばに寄せつけない機能を持っていたのだという。

AERA

個人的には、イノシシや熊やサルが襲ってくるくらいなら、まだ野良犬がうろうろしてる方が平和な気がしました。

「野良犬を駆除したことで狂犬病は撲滅できたけど、代わりに獣害が増えてしまった。人間の都合だけで自然に手を加えてはいけないという、典型的な例です。一度壊した生態系は、なかなか元には戻らない。大変な時代になってしまったね」

AERA

だいぶ皮肉がこもってますね。
でも、自然界に手を加えるというのはこういう事なんでしょう。

人間にとって何かの害を無くしたとしても、別の害が現れる。
人間にとって全て快適で住みやすい世界というモノ自体を求める事が無理があるという事なんじゃないかなぁと思いました。

特に生態系に手を加えるのは思わぬ影響が将来出てきそうですよね。

今泉さんによると、最近のクマは犬だけでなく、もはや人のことも怖がらなくなりつつあるという。人が山に捨てる残飯の味を覚えたことで、クマよけの鈴の音を聞くと、エサを期待して逆に寄ってくるケースが指摘されているのだ。

 人間側の都合によって、クマはその生態をどんどん変化させ、私たちに牙をむくようになった。自然界からの“しっぺ返し”が収まる日は、来るのだろうか。

AERA

怖い結びで記事が終わっていますが、実際に自然環境の変化も含めて、既にしっぺ返しが始まってきているような気もします。

人間が自分たちだけの快適さを求めた結果、今の自然災害が生まれているとしたら本当に皮肉ですね。

人間社会全体にとって、足るを知る時期に来ているのかもしれません。

そもそも、クマの生息域が広がっている。人口減などにより耕作放棄地やクマが隠れやすいやぶの増加が理由の一つとされ、環境省生物多様性センターは19年、クマの生息域は03年度比で約1・4倍に拡大したとの調査結果を発表した。

 個体数も増え、読売新聞が17年度以降にツキノワグマの生息数調査を実施した27都府県の結果を集計したところ、推定約4万4000頭。同センターが12年度にまとめた推定約1万5000頭が直近の個体数とされ、約3倍に増えた。

 北海道のみに生息するヒグマは、道の調査で1990年度の推定5200頭から、2020年度には推定1万1700頭にまで増加した。

読売新聞オンライン

クマが増えた理由について、クマの生態に詳しい酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物学)は1990年代以降の自然保護意識の高まりにより、過剰な駆除から共存を目指して抑制傾向になったことを指摘する。

読売新聞オンライン

佐藤教授は「人里周辺に現れるクマには、定着させないための追い払いや駆除捕獲について検討すべきだろう。国による財政支援も必要だ」と指摘する。

読売新聞オンライン

実際、こういう記事からもわかるように、全国的に熊は増えています。
今からでもちゃんと対策しないと取り返しがつかない事になるかもしれません。

食うか食われるかの問題で、誰かの命がかかっている危険な問題である事を多くの人に認識してもらいたいと思いました。

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