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エミュー戦争。

Twitterで面白い投稿があったので調べてみたので紹介します。
エミュー戦争という人間と鳥との戦争があったそうなんです。
近代兵器を使用して人間が負けるわけないやん、と思って内容を読んだのですが、予想外に面白かったので。

ちなみにエミューというのはダチョウを少し小さくしたような鳥なんですけど、僕自身は大学時代に京都動物園でよく観察していたので見慣れているので、あーあの鳥がぁ・・・という感じでした。

そして鳥って恐竜から進化しているとも言われているので、昔地球を支配していた恐竜の子孫が、人間と戦ったというのは中々面白いな、と思いました。

オーストラリアの非公式な国鳥で、オーストラリア大陸全域の草原や砂地などの拓けた土地に分布している。 オーストラリア国外にも移入され、観賞・愛玩用や食用として飼育されている。

この飛べない鳥が、人間と戦ったわけですので興味深いです。

エミュー戦争(エミューせんそう、The Emu War)、またはエミュー大戦争(エミューだいせんそう、The Great Emu War)[1] は、オーストラリア西オーストラリア州キャンピオン地区を跋扈しているというエミューの膨大な頭数についての人々の懸案に対処するため、1932年後半にかけて同国で着手された有害野生動物管理作戦である。オーストラリア固有の大型の飛べない鳥エミューの個体数を抑制するこの作戦には、機関銃で武装した兵士が動員されたため、メディアではこの出来事に言及する際「エミュー戦争」の名を採用するようになった。

Wikipedia エミュー戦争

エミュー大戦争って・・・と思いましたが、今から91年前の話なんですね。
機関銃で武装した兵士まで動員するとか常軌を逸しているようにしか思えませんし、簡単に駆除できたんじゃないかと思いますよね。

詳しい内容は別の記事を紹介しますが、面白い内容があったので紹介します。

鳥類学者ドミニック・サーベンティ―(英語版)はこの掃討作戦を総括して以下のように批評した。

「 エミューの密集した集団に至近距離で撃ち込もうという機関銃兵の夢想は間もなく崩れ去った。エミューの司令部は明らかにゲリラ戦術を発令しており、厄介なエミュー軍は間もなく軍備の使用を不経済化する無数の小規模部隊に分裂した。従って、意気消沈した野戦軍は約1ヶ月後に戦闘地域から撤退した[11]。

撤退後、メレディス少佐はエミューをズールー人に譬え、ひどく負傷してすら発揮されるエミューの驚くべき機動力についてこう評した。

「 もしエミューの弾丸輸送能力を持つ一個師団があれば、世界中のどの軍隊にも立ち向かうだろう。エミューは機関銃に戦車の不死身さをもって立ち向かうことができる。まるでダムダム弾ですら止められなかったズールー人のようだ[15]。 」

Wikipedia エミュー戦争

エミューが強すぎるのか、人間がエミューをバカにしていたのかは定かではありませんが、撤退してますので完全に人間が敗北してますね。

エミューは木の葉や草、昆虫を主食としています。
冬は昆虫を食べることが多く、あるエミューの胃を調べたところ、3000匹もの昆虫が入っていたそうです。

エミューが食べる昆虫は、農業で有害とされる虫ばかりであったため、彼らは人間にとって有益ではないか、と考えられますが、そうではありません。
彼らは乾季になると、食べ物を求めて畑に入り、作物を食べて家畜用の水も飲んでしまうのです。

そのため、エミューは人間たちに嫌われ、タスマニアやキング島では徹底的に駆除され、絶滅してしまいます。
しかし、エミューたちは嫌われるだけに終わりませんでした。
人々はエミューを恐れ、戦争へと発展する事態となってしまうのです。

エコトピア

農作物を荒らしてしまう野生動物との戦いは今も昔も変わらないみたいですね。
僕も農業を少しやっていた事がありますが、山間部でトウモロコシとか作っていて、収穫の時期になると狸の家族との争奪戦になります。
柵をしたりとかしても穴を掘ったりするらしく、そこまでの対策はできませんでしたが、北海道でも鹿が柵を飛び越えて畑等に入ってしまう事も日常茶飯事のようです。

1929年、世界恐慌の影響でオーストラリアの農家たちは生活が困難な状況でした。
そんなところに、繁殖期を終えたエミューたちが、耕作地にやってきたのです。
彼らは収穫物を食い荒らし、柵を破壊することで他の動物の侵入を促しました。
それにより、作物が育たなくなってしまったのです。

エコトピア

2m程度はある大型の鳥なので、食べる量もすごいでしょうね。
これは農家も頭を抱えてしまったと思います。

農家たちは生活が苦しい上に、一生懸命育てた作物を奪われ、ついに政府に相談することになります。
当時の国防大臣であるジョージ・ピアースは、エミューがオーストラリアの兵隊にとって、良い射撃訓練の相手になるだろうと考えて、機関銃で武装した兵隊を動員することになりました。

エコトピア

国防大臣さん、射撃練習の相手とか普通に可哀想だからそういう発想辞めて欲しいんですけど・・・。

1932年の11月に雨が止み、兵士たちは機関銃を装備して、ついにエミュー殲滅に動き出しました。

そして、兵隊たちは、50頭ほどのエミューを発見します。
兵隊たちはエミューに向かって発砲を開始しましたが、エミューは数羽ずつの群れに分かれると、狙われにくいように散り散りに逃げ出したのでした。
これでは狙いが定まらず、エミューを撃つことが難しかったのでしょう。
兵隊たちによる、最初の戦いの成果は、今一つに終わってしまいます。

エコトピア

兵隊の射撃が下手なのかエミューが賢いのか・・・
ちょっと冗談みたいな内容なので作り話かとも思ってしまいますよね。

次に、メレディス少佐は待ち伏せ作戦を行います。

メレディス少佐は伏兵を配置し、他の部隊を使って、そこにエミューを誘導しました。
1000頭ほどのエミューが十分に近づいたところを伏兵が一斉に射撃を開始します。

たちまち10頭ほどのエミューが倒れましたが、機関銃に不具合があり、発砲できなくなってしまいます。
さらに、暴走したエミューたちが走り回り、兵隊たちはそれ以上何もできず、作戦は終了。

またも、大きな成果は得られなかったのです。

エコトピア

機関銃がなかったら兵隊ですら何もできないというのは、やはり人間がいかに非力であるかがわかりますよね。

その後、戦いは泥沼化し、開始から一カ月で戦争は終了となりました。
戦争終了の理由としては、国費を無駄にしているだけだ、と判断したからでした。

エコトピア

1932年、エミュー2万羽の大群が、西オーストラリア州キャンピオン地区に襲来しました。ここキャンピオン地区は、イギリス軍やオーストラリア軍を退役した兵隊が開拓民となって開墾した地区。家畜に与える穀物畑や水源の開発が活発に行われていました。

もともとエミューは繁殖期を終えると内陸部から沿岸部に毎年移動するのですが、エミューの群れはこのキャンピオン地区が心地よい住処であることを発見。移動せずに居座ってしまい、収穫物を大量に食い荒らすようになってしまいました。

折しも1929年の世界恐慌の波はオーストラリアにも押し寄せ、小麦の価格は下落。

ただでさえ生活が苦しくなる一方だったのに、エミューの来襲にキャンピオン地区の開拓民は悲鳴を上げたのでした。

歴ログ -世界史専門ブログ-

2万羽のエミューって、本当に軍隊規模ですね。
異動するはずが居心地がよくて居ついてしまうとか双方にとって不幸だったと思います。

退役兵らはもともと第一次世界大戦への従軍の経験があり、当時の最新兵器であった機関銃を配備させてエミューを退治したい旨をピアースに伝えました。

ピアースはこれに同意。

武器としてルイス軽機関銃2丁と1万発の銃弾を貸し出し、指揮官としてオーストラリア陸軍砲兵隊のG.P.Wメレディス少佐を派遣。

歴ログ -世界史専門ブログ-

大臣発案というわけではなくて、退役軍人さんが最新兵器の機関銃を使いたかったみたいな感じですね。
だとすると、後で壊れて使えなくなるとか何となく使い慣れてない感じも理解できます。

しかし、2万羽のエミューに対して1万発の銃弾というのはどういう計算だったのでしょうか。あんまり外れる想定をしていなかったという事でしょうかね。脅したら逃げ去るだろう、くらいに思っていたのかもしれません。

僕もちょっと撃ったらびっくりして逃げていきそうだと思いますもん。

作戦は非常にシンプルで、「やってくるエミューの群れを待ち伏せして機関銃で一網打尽にする」。

強力な武器と指揮官、納得の作戦で、エミュー退治は簡単に終わると誰しもが思ったのでした。

歴ログ -世界史専門ブログ-

普通は簡単に終わると誰もが思うと思います。
だって機関銃があるんですもん。

1回目の一斉射撃はほとんど命中せず、その後数回の射撃でもわずか十数羽を倒せたのみ。エミューは非常に賢く、すぐに機関銃の射程距離を理解して、砲手がやってくるとサーッと射程圏外に退避してしまう。

歴ログ -世界史専門ブログ-

エミュー賢いですね。

でも鳥って本当に賢いと思います。
カラスも昔は地面に木の実を落として割るカラスってあんまりいなかったのに最近はどこでも見ますもんね。
そういう情報共有の方法とか鳥のネットワークであるのかもしれませんね。

そこでメレディス少佐は、自動車の荷台に機関銃を備え付けて、エミューを追いかけ並走しながら射撃する作戦を発令しました。

しかしエミューは一目散にクルマから逃げ、木陰に隠れ、バラけて走り出したかと思えば、はるか向こうで固まってグループになりコチラの様子を伺っていたり。

射撃手はガタガタ揺れる中で狙いを定めるので精一杯でまったく成果がでず、とうとう1頭も仕留めることができませんでした。

歴ログ -世界史専門ブログ-

人間の行いが滑稽に見えますね。
本当に昔話の物語を見聞きしているようです。

1か月にも及ぶ「戦争」の結果。

約2万羽のエミューのうち、仕留めたのはわずか986羽。

作戦に従事した人間側に死傷者は出ませんでしたが、この大規模な捕り物の結果、9860発もの弾丸が消費され、カネの無駄遣いだと国民の批判を招くことになり、二度とこの作戦が実施されることはありませんでした。

歴ログ -世界史専門ブログ-

9860発の弾丸を消費して986羽の駆除。
エミューが賢くて強すぎたという事にしておいた方が面白そうですね。

ついつい忘れがちですけど、地球という場所にいろんな生物が寄り合って生きている事を感じておかないといけないな、と思いました。

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