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蛭子能収さんが体験語る 認知症の理解深めるイベント 世田谷区・・・という記事の紹介です。

認知症への理解を深めてもらおうというイベントが東京 世田谷区で開かれ、認知症を公表した漫画家の蛭子能収さんが「仕事を続けているのが自分らしさだ」とみずからの体験を語りました。

NHK

蛭子さんが認知症になってたのは知らなかったのでびっくりしたのと、ちゃんと周囲のサポートを得ながら仕事を続けられている事を知って、良かったと思いました。

認知症になると何でも取り上げられてしまうケースが多いので、こんな感じでサポートがあれば出来る事を続けていく事が大事なんだ、という事がもっと知ってもらえると良いと思います。

蛭子さんは直近のことを覚えられないといった症状があるものの、家族の支えを受けて仕事を続けています。

生きがいについて聞かれると「何か得意なことを見つけることが大切です。私は認知症になってもイラストの仕事もテレビの仕事も受けているのが自分らしさで、ずっと生きてやるぞ、という思いでいます」と話しました。

NHK

認知症になっても出来るだけそれまでの生活を変えない方が良いですよね。
そのためにどんなサポートが必要なのか、何ができるのかをしっかりと考えて模索し続けていく事が大切と思います。

イベントに参加した40代の女性は「蛭子さんの話を聞いて認知症になっても共に楽しく生きていくことが大切だと感じました。誰かが認知症になっても前向きに生きられるように周りがサポートしていければと思いました」と話していました。

NHK

こういう取り組みや事例はもっと多くの人の目に触れて欲しいですね。

関連して蛭子さんの記事も紹介しておきます。

2020年の夏に放送された健康情報番組の中で、アルツハイマー型とレビー小体型の認知症を併発していると診断された漫画家の蛭子能収さん(73)。テレビの仕事はセーブしつつも、今春には書籍を出版しました。二人三脚のマネジャーとの掛け合いで取材現場を和ませながら、柔らかな表情で認知症とともにある日々を語ってくださいました。

なかまぁる

最近は認知症も併発しているケースが多いとも言われていますので、蛭子さんのケースは特別ではないと思いますが、周囲のサポートが得られる関係はいいですね。
こういう認知症の方本人の言葉は本当に貴重で大切だと思います。

──こんにちは。顔色が良くて元気そうに見えます。最近、体調はいかがですか?

蛭子さん すごくいいですよ。もともとお酒とタバコはやらないし、3食ちゃんと食べているし、健康体なんです。

──早寝早起きですか?

蛭子さん けっこう寝るのは早くて、だいたい夕方6時ぐらいかな。日が落ちたら寝るという感じで、朝は 7時半くらいには起きています。

マネジャー 寝すぎですよ。

蛭子さん そう? 寝すぎかな。

なかまぁる

こういう何気ない会話とか、普通に介護現場でもあるべきですよね。
ちょっとした時間でも出来ないわけではないやり取りなんですけどね。

蛭子さん結構寝れてますね。
しっかりクリエイティブな活動や人との繋がりもありそうなので、脳への負担もあるからなのかもしれませんね。

──熟睡できていますか?

蛭子さん 熟睡できることのほうが多いです。気持ちよく眠れるのはいいですよね。今日もね、朝起きたらいいお天気で、ラジオを聴いて。

──ラジオがお好きですか?

蛭子さん 普段はテレビを見ることが多いかな。普通にテレビを見たり、動画サイトで昔の自分の映像を見て笑ったりして、時間潰しみたいなことをしています。自分が映っているのは、やっぱりちょっと恥ずかしい。でも自分が笑って見ている人も笑ってくれるなら、すごく嬉しいです。

なかまぁる

こういう内容だけみていると、本当に認知症なの?って思っちゃいそうですよね。

──蛭子さんは2020年の夏に初期の認知症と診断されました。その頃、自分で「忘れっぽくなったな」とか何かおかしいと思うことはありましたか?

蛭子さん う~ん、むずかしいな。

マネジャー もともと忘れっぽいというか、昔から人の名前を覚えるのが苦手ですよね。

蛭子さん そうなんだよね。

なかまぁる

蛭子さんの場合はあまり自覚なく認知症になってた・・・みたいな感じのようですね

──たとえば何か不便を感じるなど、診断前と後で生活は変わりましたか?

蛭子さん 自分としては全然変わっていません。不便もあんまり感じないです。(マネジャーに)なんかそういうことあった?

マネジャー いろいろ忘れていることはありますが、ちょっと触りを言えばすぐに思い出して普通に話ができるので、僕もそんなに変化を感じていません。

──認知症になってから嫌な思いをしたことはありますか?

蛭子さん それもないですね。俺はあんまりいろんなことに怒ったりしないし、たぶんすごくおとなしいほうだと思います。

なかまぁる

本当に加齢による物忘れの延長上みたいな感じで周囲もそんなに以前と変わらない印象なのかもしれませんね。

──今春、出された本『認知症になった蛭子さん~介護する家族の心が「楽」になる本』の中に、「(レビー小体型認知症による幻視で)認知症になったことでいろんなものが見えた」というお話が書いてありました。洗濯物を入れたカゴが、奥様が倒れているように見えたり……

蛭子さん ああ! なんかありましたね。なんでそんなのが見えていたのか不思議でした。

マネジャー デパートの売り場で「電車が走っている」と言ったこともあって、その様子を漫画に描きましたよね。

蛭子さん 知らないことが起きるとすごく興味が湧いてくる。でも最近は(幻視は)ないんですよ。周りの人からよく「もっと描いてよ」って言われるんですけど。

──今は、幻視は治まっているんですね。認知症のお薬は飲んでいらっしゃいますか?

蛭子さん いや、全然飲んでないです。

マネジャー 薬は毎日、昼食後に飲んでいますよ。

蛭子さん ああ俺が知らずに飲んでいる中にあるわけね。

──コロナ禍なので、通院も大変でしょう

蛭子さん そうですね。だから最近はあまり病院に行っていないです。

なかまぁる

知らずに飲んでいる・・・という感覚が興味深いですね。

──外出するのが億劫になった?

蛭子さん 外に出るのはすごく好きですね。近くに公園があって子どもたちが走ったりしていて、それをベンチに座ってコーヒーを飲みながら見ているのが好きで。以前は人と会うのはあまり好きじゃなかったんですが、最近はそうでもなくて、人の動きを見るのが面白いんだよね。

──ご自宅で過ごす以外にショートステイを利用なさっていると伺いました

蛭子さん 俺、ショートステイに行ってたっけ?

マネジャー 週2~3日利用しています。

蛭子さん 行ってたんだ。行ってないと思ってた(笑)

なかまぁる

ショートステイも利用しているとは思ってなかったので驚きでしたが、周囲のサポートが手厚いだけに、介護サービスをある程度導入してサポートしている人の疲労を軽減する事も重要と思います。

こういう外出の機会はこれからも維持していって欲しいですね。
外に出て全身で受ける刺激は本当に脳にいい影響があると思います。

──2020年の夏に初期の認知症であることを公表した時は、どんな思いだったのでしょうか?

蛭子さん 自分では割と簡単に考えていました。床屋に行くような感じです。いつもとはちょっと違うかもしれないけど、生活が大きく変わるようなこともない。だから周囲が認知症と言っているだけで、本当は認知症に罹っていないかもしれない、なんてね(笑)。周りが認知症だと言っているだけで。

なかまぁる

僕も認知症の診断が出ても最初は信じられないような気がしますね。
周りが言ってるだけって思いそう・・・。

──お仕事の調子はどうですか?

蛭子さん あまりしていないですね。たまに漫画を描いたり。でも働いていたいです。働いてお金が欲しい。やはりお金に対する思いが強いんですよね。働かなくてお金が入ってくるならそれが1番いいですけど。

──絵のタッチは病気になる前と、なってからでは変わりましたか?

蛭子さん そんなに変わらないと思います。自分ではよくわからないな。(マネジャーに)どう?

マネジャー 僕が見る限りでは、輪郭とか、少し変わったような気がします。

蛭子さん 雑になった?

マネジャー ちょっと雑になったかな。

蛭子さん 最近ちょっと絵が乱れていてあまり熱心にやっていない感じがして、それが気になっています。描くなら時間をかけてしっかり描きたいですね。

なかまぁる

仕事や何かをして収入を得るというのは、一定社会に貢献している、という事の実感にもつながりそうですから、そういう感覚っていうのも大切ですよね。
社会との繋がりは本当に大切だと思います。

漫画のタッチに変化(自分では気が付かない)があったり、仕事の内容が雑になっている様子やその実感が本人にある事も興味深い内容でした。

──認知症になって、奥様と一緒に過ごす時間が増えたそうですね

蛭子さん 女房は神社巡りがすごく好きなんです。俺も一緒に行っています。神社って必ず階段があるから、上り下りはいい運動になります。以前、バスで旅をするテレビ番組に出ていたときはいっぱい歩いてすごくきつかったですが、あのくらい歩いたほうが体のためにはいいよね。

──先ほど「働いてお金が欲しい」というお話がありましたが、奥様と旅行に行きたいとか?

蛭子さん 女房はそう思っていて、それがすごくわかりますね。

──蛭子さんの本に「最近は奥様にありがとうと言うようになった」と書かれていました

蛭子さん そんなこと書いたかな。でも昔は恥ずかしくて言えなかったけど、今はありがとうって言えるかな。

──自然に出てくるようになったのでしょうか?

蛭子さん 自然に言えていると思いますね。自分では全然考えた感じがしないんだよね。

なかまぁる

ポジティブな感じで受け止められていたり、ありがとうが自然に言えるようになったりが良いですよね。
周囲の環境がポジティブであったり、蛭子さんのありのままでいいと受け止めているような感じだからかなぁ・・・なんて勝手に想像しています。

──認知症になった方に、伝えたいメッセージはありますか?

蛭子さん 俺のようにすでに認知症になっていたら元に戻せるわけではないし、まあいいか、みたいな。人間だしこんなこともあるよねっていう感じです。やっぱり病気はなりたくないですよね、ならないほうがいいけど俺自身は変わらないから。

なかまぁる

病気になっても僕は僕自身で変わってないんですよ、という事って凄く大事な本人のメッセージだと思います。

病気にはなりたくない。
なりたくてなってるわけじゃない。
変わってしまうかもしれないけれど、僕は僕だから、僕を見て欲しい。
僕自身は変わってないんだから。

そんな声なき声が、認知症介護の現場では沢山あふれていると思います。
僕らはプロとして専門職として、その声に耳を傾けていく必要があります。

その為にも、やはり努力をし続けないとダメだな、と改めて思いました。

──蛭子さんが以前と変わらず生活できるのは、蛭子さんご自身の自然な心のありようだけでなく、奥様やマネジャーさんなど、そばで見守っている方々の存在も大きいでしょうか

蛭子さん みんな俺のことをよくわかっているし、いろいろ教えてくれるからすごく勉強になりますね。

──そばにいてくれると安心感がありますか?

蛭子さん それはもう。いてもらったほうがいいのに、俺が自分の好きなことを選んだり みんなで麻雀したり、そんなようなことばっかりして呆れられているから。それでもみんなそばにいてくれるのは、ありがたいですね。「いつもありがとう」って、言うしかないかな(笑)。

──すてきですね。ありがとうございました

なかまぁる

信頼できる人がそばに居てくれるという安心感は大きいと思います。

そういう信頼関係を築けるかどうか、介護職の役割ですよね。
その為にも、コミュニケーションの機会をふやすことは重要ですし、それしかないと思っていますし、この記事を読んで改めてそう思いました。

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