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育てる事は見守る事。

指導育成は本当に難しいと思う今日この頃ですが、そもそもそんな難しい難題を現場を回しながらこなさなければならない環境自体が異常である事も理解はしつつ、きっとこんな職場はウチの会社だけだと信じつつ、その中でもやれる事を丁寧にやらなくては僕自身のためにならないと思って日々取り組んでいます。

きっとこれからの人材不足が深刻になっていく状況の中で、どれだけ指導育成を丁寧にできるリーダー層を育てられるかが、今後の経営戦略を考えた上で大きな鍵だと思っています。
だから無理も承知で頑張っているんですが、周囲の横のつながり(管理者同士)で贔屓目にみても、10人管理者がいたら育成に目を向けているのが2〜3人という現実もありまして、経営の数字ばかり追っかけていて忙しくて丁寧に育てる暇など無い、というのが実際の所なんですが、そもそも僕らの仕事って現場の職員が頑張ってサービスを提供して、それに満足頂けたり自立支援の効果が実感できたりして求められるサービスになっていくと思うんですが、こういう話をしてもほとんど同僚や上司から共感を得られないのでどうしたものかと悩みがつきません。
経営で苦戦している事業所ほど、育成に力をいれず単価や加算の取得を優先していて、定員に対する稼働率が低いケースが多いです。
なぜ定員がうまらないのか、という分析をしてもそういう事業所管理者たちは、自分たちのサービスに問題はないと盲目的なのでちょっとどうしようも無い気がします。

僕自身は、自分が売っている商品については少しでも品質が高くお客様に満足していただいたうえで笑顔になってもらえるようなモノを提供したいと思っていますので、これで良いなんて思える事ではなく、常により良いものを追求すべきだと考えていますし、そうあるべきだと思っています。そして、その課題を解決するためには、現場の職員さんの質そのものの問題に直結していると思うんです。

だからちゃんと育てたいし、僕が1人で現場職員全てを指導育成できる訳がないので、現場を指揮できるリーダー(サービスの質の管理を最前線でチェックできる)を複数しっかりと育てる必要があると思って取り組んでいるのですが、こればっかりは指導育成対象の職員の資質やベースにどの程度の学力があるのか、どんなスキルを既に習得できるのか、どんな性格なのか、仕事に対しての姿勢はどうなのか、理念を理解しているのか・・・様々な要素が重なり合うので基本的に全く同じ指導育成の内容でリーダーを量産できるとは思ってないんです。

これが医師や看護師のように専門職として必要なスキルを一定水準以上習得してから現場に入ってくるのであれば、そもそも1番手間暇のかかる基本的な育成の部分が省略できるので、あとは実践の中で練度を高めて質を高めていけばいいと思うんですが、最初にも書いた育成指導の困難さの大きな原因は、1番大切で専門職としてしっかりと身につけた上で実践に入らなければならない部分の習得レベルの評価をほとんどしないでどんどん現場に専門職として投入してきた結果、同じ教えるにしても、1からスタートする人もいれば、5からスタートしたり、既に10まで習得していたりと、本当に個別の能力に差があって、その上に介護の現場対応は、個々の利用者さんの個性や人生によって全く同じ対応やケアはほとんど通じない現実もあって更に難解にしているんだと思っています。

現場を回しながら座学はできないんです。
ひとつひとつのケアの実践を指導しながら理念に結びつけて指導するように工夫はしていますが、それでは弱いと思っています。だけど現場としてそういう方法しかとれないんです。なので育成にも時間はかかりますし、必要なら時間外の研修も長時間必要になったりします。
これって教える側も教わる側も疲れるんですよね、現場で一人前の仕事をしつつ指導育成を長続きさせるのってほんとに双方が疲弊します。

なので無理な詰め込みはしないようにしているんですが、僕のこれまでの経験ではいつも中途半端に僕が別の事業所に異動させられてしまうんです。
ある程度育ってきたタイミングで上がもう任せて大丈夫と判断してしまうんですが、ある程度任せてからの方が本当は大切なんです。本人がある程度失敗の経験を積んでそれでも1人で立ってられるようになるまではある程度近い距離で見届けてあげる方が良いと思うんですが、僕だけがそんな感覚のようである上司からはそんなのは育成ではないと否定もされました。

結局、僕が育てたリーダーのほとんどが退職していきました。僕の育て方が悪いと言われたらそれまでですが、せっかく良いところまで育てたのにその後のフォローを一切しないで失敗を責める構図が何度も続いて、みんな耐えきれなくなって辞めていきました。

そんな事もあって今は自分の育成方法にあまり自信がもてません。ただ、僕にはこの方法しか今のところわからないので続けています。
常に指導している職員の動きを見守りながら、一緒に成功を喜んで失敗に対しては一緒に悩む。
いつも見ているからこそ、褒めることや認めること、注意することや叱ることが本人に正しく伝わると思っています。

介護の現場でも大切な見守りですが、育成指導でも大切な事だと思っています。

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