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介護職の離職率と離職理由を解説します!・・・という記事の紹介です。

久しぶりに離職理由について調べてみました。

2023年4月11日に更新されている内容なので比較的新しい情報と思います。

記事でも書かれていますが、既に介護業界の離職率はそこまで高くない水準になってきています。
おそらく、処遇改善加算等による処遇改善が一定の効果を挙げているものと思われます。

1年間(平成30年10月〜令和元年9月まで)の訪問介護員、介護職員(2職種計)の離職率は15.4%。昨年度と比較して離職率は横ばい傾向です。

出典:令和元年度 介護労働実態調査結果|介護労働安定センター

一方、平成30年度の国内労働者全体の離職率は14.6%。
男性:12.5%
女性:17.1%

一般労働者:11.3%
パートタイム労働者:23.6%
と発表されています。

出典:平成 30 年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

介護ワーカー
やはり人間関係が上位にきますね。
以前から収入面での理由はトップ5以下だったので、処遇改善の対策が少ない額だとしても進んだ事で収入面での理由が下がっているような気がします。
指導してもらえなかったという理由がトップ5にいつも入っていた気がしたのですが、このランキングには出てきていませんね。
全産業の離職理由のグラフですね。
全産業では結婚出産育児で離職する人が多いですが、全産業となるとその割合は低くなってます。
また、女性の離職理由の上位に人間関係があるので、女性が多い業界なので人間関係が難しい職場がどうしても多くなってしまうという事なんでしょうか。

介護職は結婚、出産・育児とは両立しづらい仕事である可能性が考えられます。

また60歳以降も働ける環境であることや、さらに他職種に比べて「定年まで働き続ける」という意識は低く、よりよい職場へ転職をしやすい業界であると考えられます。

介護ワーカー

そうであれば、結婚出産育児が両立できる働き方ができる職場づくりが求められる、という事も言えそうですね。
おそらく潜在介護職も、結婚出産育児で現場を離れてしまった人が多いと思いますので、他産業に潜在介護職が流出してしまう前に対策が必要と思いますけど、もう遅いかもしれませんね。

介護職の離職理由1位:職場の人間関係に問題があったため

どんな職種でも起こりうる問題ですが、介護業界では離職理由の1位に挙がっている人間関係。

介護業界は特に女性職員が多いため、人間関係の問題が表面化しやすいのかもしれません。

特に施設介護の場合は、黙々と個人で行う仕事ではないため、職員同志の協力が不可欠です。

苦手な人ともコミュニケーションをとりながら業務を進めていかなければいけませんし、2人きりで夜勤をする場合もあるかと思います。

また職員同士の問題だけでなく、利用者との相性からくる問題もあるでしょう。

なかなか避けられない人間関係のトラブルやストレスで離職を考える人が多く、堂々の1位となっています。

介護ワーカー

全産業だと男性だとトップ3にも入らない離職理由というのが興味深いですね。女性では第3位です。

実際、僕自身の個人的な感想ですが、女性の集団をマネジメントしてきた経験から言わせてもらうと、どうしても男性職員より女性職員の方が扱いが難しくて困りました。
なので、必然的に優秀な男性職員がいると頼ってしまう傾向でした。

中にはちゃんと仕事は仕事として区別して動いてくれる女性職員もいましたが、100人いれば5人くらいの希少性のような気がします。(あくまで個人の感想です)

たとえば結婚出産育児で、その家庭環境等で柔軟な働き方を認めて働いてもらっていたとしても、チームの男性職員は特に意に介さない傾向が強いのですが、女性職員は”なんで?”とか”私の時はそうじゃなかった”とか、そういう事を必ず言う人が一人は居ました。そして、そういう事を言う人が一人いれば同調する女性職員が何故か少しずつ増えていく不思議もありました。

そりゃ子育てしながら働きにくくなるわな・・・と思いましたし、だから人手不足なんでしょうが、自業自得だわ、とも思いました。

介護職の離職理由2位:結婚・出産・妊娠・育児のため

特に女性に多い理由となっています。

現状、結婚や育児をしながら夜勤や変則的なシフトで仕事をすることは難しいという判断から離職する方が多いのだと考えられます。

そして介護業界ではまだまだ産休・育休や介護休暇を取りづらい環境であることがうかがえます。

たとえ制度はあったとしても取得できなければ意味がありません。

人手不足の職場では急な休みやシフト変更も申し出にくいでしょう。

多くの方が現実的に仕事と家庭の両立ができないと感じて退職を選ばれています。

介護ワーカー

結婚育児出産で仕事との両立が難しい事を一番共感できそうなのが同じ女性なんじゃないかと思っていたのですが、それはもう完全に個別性の問題だと思うようにしています。

中には助け合う風土のある職場もありますが、多くはなかった印象です。

無理だとか出来ないという事で先延ばしにしてきたツケが回ってきているような感じもします。

職場内保育とか、やろうと思えばできる事はありそうな気もします。

介護職の離職理由3位:法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

人手不足のなか、時間に追われ、介護事故の不安も感じながら働く職員さんにとっては、どれだけ改善を求めても変わらない運営のあり方や、何も動いてくれない上司、現場を見ようともしない経営者・・・・

色々な不満やストレスを抱えて転職を決断されるのではないでしょうか?

介護職は業界内での転職も多いので、多数の事業所を経験されている方は前職と比較することもあるでしょうし、同僚から他事業所の話を聞いたりすることもあるかと思います。

介護ワーカー

理念とやっている事が合ってない、というのは良く聞きます。
特にコロナ禍と物価高騰で経営が難しくなってきている状況では、とにかく経営を守る方向にベクトルが向いている事業所も多いのではないかと思います。

経営が悪化して事業所がなくなればケアも提供できない、というのは良く聞きますが、まず商売をしている前提で物事を考えると答えは簡単なような気もします。

要は、その状況で売れる商品を売り出さないとダメなわけで、商品が売れなくなってから経営改善をするにしても、そもそも売れない商品を売るわけですからいずれ本当に売れなくなります。
ですので、なぜ売れないのか、どうすれば売れるのかをちゃんと研究して商品開発をしてその状況に対応した商品を開発して売り出さない限りは経営は改善できないはずなんです。

介護事業でいうと、この商品は提供しているサービスです。
ですから、サービス利用が減って経営が傾いてきて”いままで通り”のサービスを売ろうとしたって無理があると思います。
そこを改善しない限りは状況を改善するのは難しいでしょうし、その改善の鍵となるのは現場でサービスを提供している職員であり、その職場や職員をマネジメントして指導教育しているリーダーです。

この部分を変えていかない限りは経営が良くなる事はないだろうと思っています。

介護職の離職理由4位:自分の将来の見込みがたたなかったため

将来を考えての離職は、特に男性に多くみられます。

介護職は低賃金、キャリアアップの道筋が少ないといった問題があります。

処遇改善制度が新設されるなど年々改善の動きがあるとはいえ、他産業と比べるとやはり基準を下回っている状況です。

男性の場合は、家族を養うための経済力が必要と考える方が多いのではないでしょうか。なかなか昇給しない、管理職につけない・・・と将来への不安を感じて転職されているようです。

介護ワーカー

将来の見込みがない、という理由での離職は男性介護職に多いようです。
確かに、この物価高騰で家計が苦しい中で家族を支えるためには介護職の給与では物足りないだろうと思いますし、ここでいう将来の見込みがない、というのは既に役職が埋まっていて、そこに穴が開かない限りどう考えても自分が昇進できるチャンスがない、という事なんじゃないかと思います。

そう考えると、他産業でも労働環境やお給料の面でもよくてキャリアアップが出来る職場があれば転職を選択する人はこれからも増えていきそうです。

個人的には、こういう視点で組織を観たり評価できて転職という行動に移せる職員は結構有能なので、介護業界としては非常にもったいない状況になっていると思います。有能な人材が流出している状況が生まれていそうです。

介護職の離職理由5位:このほかにいい仕事職場があったため

もっといい条件の職場を探して離職する方が介護業界に多い理由は、やはり他職種よりも転職しやすい業界というのが大きいのではないでしょうか。

有効求人倍率を見ても、他の業界と比較して圧倒的に高くなっています。

特に経験者であればすぐにでも来て欲しいと望まれる事業所は少なくありません。また職員同士の横のつながりも多いため、紹介で入職しやすいこともあるでしょう。

介護ワーカー

これは単純に他産業へ転職した、と思っていたのですが、この解説だと同じ介護業界の中での転職と読めます。

今はどこでも人手不足ですもんね、介護業界に関わらずです。

介護業界でも職員紹介で採用した職員の方が定着率が高いと言われていますし、僕自身も経験上そう思います。
中には紹介制度でうまく採用を進めている会社もあるみたいです。

紹介会社にお金を出すくらいなら、職場に職員を紹介してくれた職員に報酬を渡した方がよさそうなもんですよね。


さて、久しぶりに介護職の離職理由を調べてみましたが、今までとほとんど変化ないランキングだったと思います。

女性の離職理由の上位に人間関係があって、介護職の離職理由でも上位で、一方で結婚出産育児の離職理由が介護職では上位だけど、全産業では少ない割合だったのは興味深いデータでした。

定着率を高めるには離職理由を把握した上で対策するしかありませんので、今後の職場づくりではポイントにしておきたい内容ですね。


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