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仕事は丁寧に。

育成指導において一番最初に教えないといえないと思っているのが、丁寧な仕事です。

これは僕自身が若い頃に雑な仕事をしてきて、その癖がなかなか抜けなかった苦い経験があって、一度染み付いた仕事に対する雑な感覚はなかなか矯正が難しかったから意識して教えるようにしています。

こういう物事に対する意識を変える事って、自分で常に意識し続けて、意識しなくてもできるようになるまで続ける必要があるんですが、なんにも考えないでいたら簡単に元にもどるんです。

自分のスキルに落とし込むまで常に自分の到達と客観的な事実とを比較して何が至っていないかを見極めつつ、それが意識しなくてもできるようになるまで続けるので、本当に大変でした。

今でも気を抜くと雑になる事があるので、僕自身もまだまだですが、これは最初からそういうものだ、という指導の上で必要なスキルとして訓練させて習得させておけば、そこまで大変な思いはしなくていいと思うんです。

なので、丁寧に仕事をするよう教えるんですが、すでに現場を経験している介護職には丁寧な仕事を遂行する事自体が難しいようで、勝手に手順を変えたり省いたり、あれはやるけどこれはやらなかったり、記録や報告書も項目を埋めればいいだけなのに空欄があったり、出した書類を元の場所に戻さなかったり、きちんと並んでいるファイルの順番を変えたり斜めに置いたり逆さにしたり・・・。

まぁとにかく雑な人が多いです。
全ての現場職員がそうではありませんが、10人いたら6人は雑な傾向ですね。根拠はなくてただの個人的な感覚ですけど。

一番イラッとするのが、A4用紙をファイルする時にパンチで穴を開けるんですけど、穴を開けてくれるのはいいんですが中央で揃えないで穴を開けるからファイルしても中身がガタガタになったり。
ちゃんと中央に合わせられるようにストッパーがついてるパンチでもこんな事が日常茶飯事に起こりますし、穴が真っ直ぐでなくて斜めに空いてたりして挟んだ書類が斜めになったりもよくあります。
もともと雑だった僕ですらこの現象がなぜ発生するのか理解に苦しみます。

そんな紙に穴をあける時間すら丁寧にできないほど何が忙しいの???

そもそも書類に穴を開けれるほどの余裕があるはずなので、紙をきっちり合わせたりする時間、1秒もないような時間をなぜ丁寧に使えないのか。

不思議な事にですね、こういうミスはだいたい同じ人が繰り返すんです。
何度も教えるのに何度も同じことをする。

最近は、穴を開ける時くらいゆっくり落ち着いてやりなさい、と伝えていますが、果たしてどこまで理解してくれているかどうか・・・。

仕事ができる人や仕事が早い人は、こういう丁寧さがしっかりしてて安心感があります。

おそらく、丁寧で完璧に仕事を完結させる事を繰り返して熟練度をあげているので、丁寧な仕事が早くできるんだと思います。

なので、まずは一つ一つの仕事を丁寧に確実にできる事を意識するように教えます、その質の仕事を繰り返せば自然にいい仕事が早くできるようになるよ、と教えます。

現場のケアでも同じで、最初に雑な対応で覚えてしまうと雑なままですが、最初から丁寧な対応を心掛けて経験を積んだ職員は、丁寧な対応ができた上でトータルでかかる時間も早いです。

時間がない、人手が足りない・・・という理由をつけてしまう職員の多くが、こういった雑に仕事を覚えてしまったせいで出来る可能性が見えなくなっているんだと思います。

なので、丁寧な仕事をするように指導するのですが、教える側にも丁寧な対応と根気が求められるのでなかなか簡単にはいかないのが現状です。

しかし、それであきらめていても仕方ないので、コツコツと伝え続けるしかない。
最後にそうするかどうかを選ぶのは本人なので、その心を動かせるまでどうアプローチするか、それぞれの個性に応じて対応も様々なので、それこそ介護現場のケアと同じで、10人いれば10通りの方法があると思います。

そういうのを探る楽しさもそこにはあるし、職員のそういう事まで把握して近づけるようにならないと、介護を必要とする利用者さんの近くまでもたどり着けないような気がしているので、悩みもありつつ頑張りつつ楽しんでいる今日この頃です。

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