龍谷大平安に学ぶ「意味のあるシートノック」

こんにちは、むかいです。

9月になり、各地で来年の春の甲子園に向けた地方大会が始まっています。僕は先日、京都の古豪・龍谷大平安高校のグラウンドに京都大会の1次戦を見に行きました。龍谷大平安は見事に1次戦を突破し、2次戦にコマを進めたのですが、そこで気づいたことがあったので書いていきたいと思います。

シートノックの目的

試合の前に行われるシートノック。時間は7分間だが、どのような目的で行われるか考えてみた。

①グラウンドの芝の状態や距離感などを確認する

②緊張で固まっている体をほぐす

③肩の強さやミスの少なさを見せつけて相手にプレッシャーをかける

などだろうか。③に関しては、いわゆる強豪校にありがちだと思う。(もっとも選手たちは普通にプレーしているだけで、相手が勝手にプレッシャーを感じることもあるだろうが・・・)龍谷大平安のシートノックもこれに当てはまる。とにかくエラーが少ないし、送球も山なりのものがない。しかし、龍谷大平安のシートノックの凄さはこれだけではない。

意味のあるシートノックとは?

龍谷大平安のシートノックは意味のあるシートノックだ。「意味のあるシートノック」とは何か。それは、試合でシートノックと同じような打球が飛んできたときに、シートノックと同じように処理できている、ということだ。以下に具体例を2つ挙げる。

①サード・奥村真大選手のゴロ処理

龍谷大平安のサード・奥村選手はプロ注目のスラッガーだ。しかし、彼の守備もよく鍛えられている。ここでは、彼のゴロ処理に注目したい。内野手がゴロを処理するという動作に対して、一般的に「正面に入れ」、「前に出てこい」といった指導がなされる。

この指導を全否定するわけではないが、写真の川﨑宗則選手のように奥村選手は球足の速いゴロに対して、無理に正面に入らずに身体を斜めに構え、バウンドが合わないとみると後ろに1~2歩下がって捕球するというスタイルをノックの時に貫いていた。普通の選手であれば、いざ試合となると緊張などからこういった冷静なプレーはできない。しかし、奥村選手は試合でもこの捕り方を終始貫いていた。シートノックのときと何ら変わらないスムーズな動きで確実にアウトを増やしていったのである。

②右中間、左中間の打球処理

右中間または左中間を破られた際に、外野手は早く打球に追いついて中継に入った内野手(カットマン)に返球しなければならない。これが遅れてしまうと、ランナーはどんどん次の塁に進んでしまう。シートノックを見ていて気付いたが、龍谷大平安の選手たちは、とにかくこの中継のラインを早くかつ正確に作る。そしてそのラインを通す送球も速い。

試合でこんな高度なことができるのか、と思いながら見ていると相手の打球が右中間のフェンス際まで転がっていった。2塁ベースにはショートの選手がつき、セカンドの選手が正確な位置に、しかも猛スピードで中継のラインを作った。ライトの選手が打球に追いつくと、すぐさまこのラインを送球が通ってショートの選手に届いた。2塁ベースをオーバーランしていた打者走者はあっという間にアウトになってしまった。ここでもシートノックでのプレーが忠実に再現されていた。

意味のあるシートノックを実現するために

選手が試合前のシートノックを意味のあるものにするためには、もちろん捕球・送球の基本動作が身体に染み付くまで練習しなければならない。それだけでなく、シートノックでの動きを実際の試合で落ち着いて再現できるようなメンタルも必要になる。

また、本番での再現性の高さを実現するためには、ノッカー(監督やコーチ)の技量も必要になる。トスしたボールを何も考えずにミートして、実際の試合では飛んでこないような回転数の少ない打球を打っている指導者をたまに見かけるが、それでは意味のないシートノックになってしまう。龍谷大平安は選手だけでなく、ノッカーの原田英彦監督もハイレベルなのだ。

#高校野球

#龍谷大平安

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