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福岡移住生活#010日目 26歳男性、勧められたラーメン屋で野球選手のサインに出会う

これは生まれてからずっと実家で暮らしてきた26歳男性が、福岡の博多で一人暮らしをする様子を記録した日記である。

福岡で働くことが決まったあと、現地の美味しい店を会社の人がいくつか教えてくれた。会社には福岡出身の人や何度も観光に行ったことがある人がいたので、ご厚意に甘えることにした。
教えてくれた店の1つに行ってみた。

博多らーめんShinShin。福岡にいくつか店舗を持つ評判のラーメン屋らしい。会社から歩いていける距離にお店があったので、仕事終わりに行ってみた。

この青い看板が目印。ラーメン屋というよりもそば屋や定食屋のような趣を感じる。7時過ぎくらいに着いたが、すでに店の前には行列ができていた。並んでいる人の中には観光客と思わしき人もいる。持っている荷物や聞こえてくる会話から推察できた。ラーメンは4日目の日記で書いて以来だ。

前に食べたお店よりスープは白く、こってりしている。まさに「とんこつラーメン……!!」という感じで、イメージ通りの味にどこかホッとする。チャーシューとネギ、キクラゲはスタンダードなメニューを注文すればすべて付いてくる。高菜は追加のオプションで注文した。
福岡に来られて嬉しいのは、高菜の入ったラーメンが食べられること。高菜単体ではえぐみと酸味があって少し苦手なのだが、とんこつスープと交わるとまろやかになっておいしく食べられる。
とあるチェーン店で高菜が入れ放題のとんこつラーメン屋があったのだが、そこに行ってはどっさり高菜を入れていた。ラーメンばっかりだとアレだから少しは野菜もね、というよく分からない言い訳と共に。

お店には有名人のサインが壁を埋めるように飾られていた。多くの人が訪れ、腹を満たしていったようだ。アスリートのサインも数多くある。濃厚なスープは疲れた体にさぞ染みることだろう。

千葉ロッテマリーンズ監督の井口資仁のサインも飾ってあった。
ホワイトソックス時代とはまた懐かしい。あの頃はたくさんの日本人選手がイチローを追ってアメリカに活躍の場を移していた。
当時のダイエーホークスで数々の成績を残した井口はホワイトソックスからMLBの球団を転々とし、2009年には千葉ロッテマリーンズに入団する。翌年は強打の内野手としてチームのCS制覇、日本一に貢献し、2017年には自らの引退試合でホームランを打った。スピードとパワーを兼ね備えた、華のある選手だった。

このサインには11.7.06とある。11はおそらく西暦の下2桁だろうから、2011年に来店したときにサインしたのだろう。

……11年の井口は千葉ロッテにいるはずなのだが。背番号も5番ではなく6番だし。この当時マリーンズで背番号を付けていたのは当時ルーキーだった伊志嶺翔大という外野手だ。そして井口はプロ生活で15番こそ付けていた時期はあれど、背番号5番を付けた経験はない。


ラーメンの味が分からなくなりそうなので、僕は考えるのをやめた。
井口さん、あなたいつこの店に行ったんですか。


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