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推し、春秋

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君との思い出と、それから

君との思い出と、それから

その声を聞くと当時の記憶が蘇ってくる的なことが最近よくあって。

先日したツイートです。ドゥロワー、川口公演の3階席で見た景色をまだ鮮明に覚えています。風見さんを推すことを決めた「全力☆ランナー」の歌い出しでした。あの頃の、上手くはないけど下手でもない年相応の声が大好きで。あの頃に最も熱量をもってエビ中を推していたとかあの川口公演が数年振りに見るエビ中ワンマンだったとかもあって、当時の風見和香さん

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不在

推しのいないライブを見ました。
前日に体調不良で特典会を途中で去り、その後もSNSの反応が無かったので覚悟こそしていましたが。実際にその字面を睨んでみると不安と虚無がぶくぶく膨らんでしまって、そのライブに行く意義は、とか、推しがいないライブを楽しんじゃっていいのかな、とか、考えなくていいことで頭がいっぱいになった雨の目黒駅でした。とりあえず落ち着こうとドンキでお酒を買って、木陰で雨を凌ぎながらなん

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5年

思えば当時から、試練とか、それに伴う縛りとか、要するにエビ中の型が決められてしまっていた2019年ごろ(6人時代後期)がとても苦手で、別に9人時代や8人時代のエビ中が特別好きというわけでもなく、しかしパフォーマンスにストイックであることが正義、みたいなアイドルはずっと苦手で、アイドルにはずっと笑顔でいてほしいしずっとポジティブを振りまいていてほしい、というのもあるけれど、それよりも私自身がずっと楽

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熱よ

ライブのあとは寒い方が好きです。ライブ中は会場の空気が暑かろうが寒かろうが体温が上昇するくらい楽しめればそれで構わないのですが、ライブが終わり、いつものアナウンスを聞きながら人の波に仕方なく体を任せつつ(この時点ではライブの余韻から抜け出せず、意識こそはっきりしているものの頭を働かせる気にはならない)自分の脚でなんとなく身体が建物の外に押し出された時、鼻から一気に吸って肺を満たした冷たくて澄んだ空

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疑うことなく旅する雲

――ずっと青春ぽいですね。

先日風邪をひいた時に、頭痛に苦しみながら夜、ベッドに寝転んでアマゾンプライムで呪術廻戦を見、眠くなったら寝、怖いくらい寝て起きたらお昼だったから一応ベッドから出てシャワーを浴び、立つのも辛いのに丁寧に髪を乾かしてやっとの思いでベッドにもどって倒れるように二度寝する、みたいな生活が体調が悪ければ許されることに気づいて、罪悪感もなく怠けられるのって最高だと思いこれからも定

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盲目オタク

盲目オタク

これが「あるある」なのか分からないが、私は階段、特に登りの階段が苦手だ。登っていると、後ろから追われている感覚をなぜかおぼえるからである。廊下を歩いていても同様で、後ろに何かがいて、それが全速力で追ってくるような感じがする。なので階段を上がる時は(TPOに応じて)全速力で駆け上がることで、私はいつも未知の危機から逃れている。

人間にとって最も怖いものは、いつも目に見えないのだと思う。人間の視野は

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日記

地下アイドルを見ていると、ライブを見ながら「地下だなあ」としみじみ感じることもあれば、なぜエビ中がぴあアリーナMMでやってこちらはWOMBなのだろう、と心から思うこともある。メジャーデビューしてしまうと数字という錘が常に首に括り付けられ、少しでも結果が伴わないと錘から伸びる紐を知らない第三者に引っ張られ、かといって結果が伴った場合でも第三者はなんとか粗を探して紐を引っ張る。他人の推しを批判する書き

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