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過ぎたる医療は及ばざるが如し

 COVID-19にイベルメクチンは効果がないのか?という疑問に対する記事を過去に書きましたが、このお話をより分かりやすくしたいと思いました。

 イベルメクチン推しなのか、と思われそうですが特別にひいきしているわけではありません。本当に問題なのはイベルメクチンの是非ではなく、イベルメクチンのような薬がなぜ治療に使用されないのか?という点にあります。

〇状況をふりかえる

 もっとも犠牲者を出した変異はデルタ変異で、デルタが強毒だったからと決着されていますが、国内における最初期の感染爆発で、当時は対処方法もよく分からず、治療が不適切だったせいで亡くなる人が増えてしまった可能性があります。

 以前も書いたように、まずウィルス性肺炎の症状に対する理解がなかったと思います。このようになってしまっていた事には複数の原因があると思いますが、インフルエンザ肺炎に対する処置自体も、理解・経験がないのですべての病院で有効なものが確立していなかったのではないかと思います。その証拠にインフルエンザ肺炎で亡くなる人はCOVID-19以前も大変多かったのです。

 もちろん未知の感染症に対してどのように治療すれば良いか分からなかった、類似の感染性肺炎に対してもノウハウを掘り下げて来なかったので応用も効かなかったというのもありますが、しかし、本来的には治療方針を誤っていたことが原因です。

 肺炎が進行した人に対して、原因がウィルスが増える事であると考えて処置をしましたが、実際には肺細胞を攻撃しているのはウィルスではなく免疫です。

 炎症は免疫が起こすものです。

 今ではステロイド(免疫による炎症を抑制する)が効果があると分かっているので、このような処置の誤りは少なくなっていると思われますが、まったく無意味な治療をして効果がない、恐ろしい病気だと言っていたのだと思います。

 肺炎になってからイベルメクチンのような抗ウィルス薬を(そのような効果を期待して)投じても、免疫の過剰応答は全く別の系統の反応ですから効くわけがない、という説明になります。

 ウィルス量が一定量を超え、免疫抑制細胞が減少し、免疫応答が過剰になってからウィルスを減らそうとしても免疫の働きは止まりません。ひどい事にウィルスを消滅させるために免疫力を上げなければならないと考えた者もいたと思いますが、これは全くの逆効果で、狙い通りにいった場合は劇症化させてしまいます。

 さらにこの状況を悪化させたのが、免疫のバランスが崩れるほど免疫の要素の一つを増やす試みでした。ワクチン接種が集中的加速的に行われた結果がどうなったか?については以前記事に書きました。

 極めて限定的に初期の感染を防ぐ効果もありましたが、免疫を過敏に応答させ、応答を抑制する免疫細胞を減少させました。これにより肺炎も重症化するケースが増えました。

 報道されないだけで亡くなる人は減っていません。依然自体は好転していないが、ノウハウが少しずつ浸透して治療の対応力が上がった余裕から、弱毒化したなどと経済活動の理由をつけた状態ですが、仮に重症化のレベルが軽減したという印象があるのであれば(仮にですよ)、それはワクチンによる過剰免疫応答から、免疫が自然レベルに低下し、汚染環境に生活するうちに自然免疫で免疫がバランスよく成長したからだと思われます。

〇治療・予防の考え方が異なる

 以上がご説明ですが、ワクチンに関する是非が医療関係者の間でも決着しません。両方の立場の人がいますが、薬剤単独の是非以前に治療に対する考え方の差異が大きいと感じます。

 COVID-19の問題は感染力の強さです。本当はこれが一番に解明され、解決され、対応されなければならない事です。医療はそのアプローチを出だしで捨てました。なので、今もほとんど話題に上がりませんし、全く解明が進んでいません。

 代わりにどうしたかというと、当初は汚染、しばらくして感染も許容して、感染しても良いように体に抵抗力をつけておくという発想で事後対応を選択しました。

 ここに力を入れすぎました。ワクチンさえ打てば後の問題は解決、と簡単に事を済ませたいという欲求を精査せず、医療も社会も欲求そのままに従ったからです。
 めんどくさいからいちいち感染対策などしていられない、さっさと儀式を済ませて安心したいという焦りから起こった行動選択です。根拠などありません。

 力が入ったせいで抗体量だけを過剰に上げるアプローチが取られました。ここまでやれば大丈夫だろうというわけですが、自然体の自然免疫の三倍以上の抗体量を一定期間持続させるためにmRNAや強力なアジュバント(一部の薬剤)を利用し、RNAは難分解性にして長期に体内に存在するようにしました。倫理的にそのアプローチを避けた国産ワクチンは軒並み開発中止となりました。
 結果、感染を防ぐ抗体は増えますが、抑制免疫が減少するなど免疫システムのバランスは狂いました。

 本来、対処が適切であれば、症状に関してはそれほど恐ろしい病気ではなかったのではないかと思います。対処を「信用していない・自信がないので」感染したら終わりだという発想がワクチンと、その過剰効果の原点にあります。
 不安と恐怖から思慮を欠いた行為、行き過ぎた対応に走ってしまいました。

 ですが、機序を理解して適切に処置ができれば適度なアクセルと信頼性の高いブレーキを要所でタイミングよく使うだけで越えられた山道だったのではないかと思います。

 過剰に高出力なエンジンのアクセルで時には限界を超えて走行させ、時にはコースアウトまでさせて犠牲を出してもスピードは落とさせず、強力で難しいブレーキ操作を強いることで攻略しようとしたために事故が増えている印象があります。

 前者がイベルメクチン、後者がワクチンである事がお分かり頂けたでしょうか?

 前者が知恵と理解、後者が不安と恐怖と不信である点も今一度再考下さい。

以上です。ありがとうございました。

なぜこうなったかというと、亡くなる人が高齢者等に限られるとか確率的に少ないという理由で対応を怠けてきていたからだと思います。
 ですので、犠牲になる人を数や身体的な弱さで特殊化して、原理を追及しないどころか、問題がない事にしようとする事は間違いです。
 このような処置に適当な言葉は、怠惰とか堕落になると思います。
 怠惰を正当化するために専門用語を紐解くなど格式張るので情緒的にも受け入れ難いものになります。そんな解説に延々時間をかけるより機序を明らかにする研究をしたほうが良いのではないでしょうか?

サポート頂けると嬉しいです。