tochgin1029

てくてくと旧い街道を歩いています。歩きながら、見たもの思ったことをつらつら書いています。

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最近の記事

里沼と利根川の道

 スポーツジムに入会してマシンを使って歩いたり走ったりする様になって、それは身体のなまりを取るのには良いのですが、やっぱり実際に景色を眺めたりしながらウォーキングする代わりにはならなくて、外歩きの虫がうずくのでした。関東近郊の散策コースを探します。ただ歩くよりは最低限、その土地土地のテーマがあったり立ち寄る場所はあった方がうれしいでしょうか。  選んだのは館林。自宅から遠すぎず近すぎずのちょうど良い距離感が魅力に思いました。 JRで久喜駅に行って東武線に乗り換え館林駅。館林

    • 終わりがない道(東海道を歩く22)

       昨晩に泊まったビジネスホテルは、サービスを簡素にするのは良いけど、それがみすぼらしさを感じさせてしまっていて、少し外れだったなと思いました。微妙な違いですが、重要であることと簡素にして構わないことの線引きがおかしかったのでしょう。さっさと出発します。草津の市街地は中山道と東海道の合流する宿場町が発展したものです。前回は、賑やかで華やかで途切れなく人が行き交っている草津の街道筋だったのですが、どうも五年前に比べると寂れたかなという印象を受けました。これから行われる街道まつりの

      • 天井川の道(東海道を歩く21)

         東海道歩きもついに滋賀県に入りました。否が応でもまもなく京都だなと言う感覚が湧きあがってきます。米原まで新幹線で行き、米原で近江鉄道に乗り換えて水口に向かいます。数年前までは小さな集落が縮こまっていた米原の西口駅前には、いつの間にか市役所の立派な建物が出来上がっていました。近江鉄道への乗り換えるには60分近くも空き時間があって、待ち時間の間に市役所の屋上に登ると、はっきりと琵琶湖は見えないけれど、その方向に広くて明るい空が伸びている。近江鉄道わきでは、貸し自転車のスタンドが

        • あっけない峠の道(東海道を歩く20)

           二年前三年前の自分は、いまの自分と周りのありようが変わることを想像できていただろうか?といったことを、最近思います。毎月毎週のように歩いていたころの写真が、ときどきgoogle photoからスマートフォンに通知されます。今ではそれらをすっかり懐かしく眺めるようになりました。自分を巡るいまの環境が、その頃とははっきりと変わってしまったからなのでしょう。  前回の東海道歩きでは、三重県の関まで到達しました。今回は、関から鈴鹿峠を越えて滋賀県に入る予定です。梅雨入りしたはっきり

        里沼と利根川の道

          川を挟んだ道(東海道を歩く19)

           コロナ禍の旅行では、外食先を見つけるのにひと苦労するのがいつもの事になりました。いわゆるご当地グルメといったものの多くは、たいがいは居酒屋のような店で提供されることが多いと思いますが、飲酒を避けようとすればちょっと入りづらくなります。おのずとチェーン店のような店に入ることになり、ご土地メニューに出会うことがない食事となり、ちょっと味気ないなとも思います。  簡単なホテルの朝食をすませそそくさとホテルを出ます。朝になってみれば、昨晩にものすごく怖かった暗い道も、それほど人家

          川を挟んだ道(東海道を歩く19)

          途切れない道(東海道を歩く18)

          前回に桑名宿まで歩いてから1年以上が経ちました。その間に続いた移動制限によって、すっかり遠出すること自体を忌避する気持ちが増えてしまいました。そんな中で今回の歩きは出かけたのでした。自宅から桑名まで向かう行きの新幹線も、乗り換えた在来線も、乗っている間は適度に空いていて、感染さわぎが起きるまでの、いつも混雑した車中にくらべれば実は快適だったりするのが皮肉なものです。前回のゴールである桑名市の市立博物館を目指します。  桑名駅とその駅前は、JRと近鉄や複数の路線が乗り入れてい

          途切れない道(東海道を歩く18)

          陸地が遠い道(番外ー佐屋街道を歩く)

           そういえば、10月から11月にかけて、季節は変わり目になることが多くて、あっというまに秋冬の天気に変わります。今回の歩きでは油断して防寒できるような服を持ってこなかったのを、すこし後悔しています。昨夕とは逆の行程を一宮から津島に向かいます。名鉄尾西線の車中は、沿線へ通勤する人たちでそこそこ混んでいいます。  到着した津島駅は、昨夕よりもさらに閑散としています。高校生の通学時間はすでに過ぎていて、駅の利用者はマイカーを持たない老人と、所用を持つわずかな利用者だけ、いわゆる交通

          陸地が遠い道(番外ー佐屋街道を歩く)

          川を渡る道(東海道を歩く17ー佐屋街道を歩く1)

           昨日に泊まったのは、岡崎城ちかくのホテルでした。岡崎城のあたりは岡崎公園と称する公園になっていて、朝に散歩とばかり歩いてみると、以外と厳めしくて堅苦しい印象はありません。昨晩に訪れた居酒屋といい、それほど喧噪にまみれた感じはしないし、だからといって寂れた感じもなく、ほどほどのにぎわい。大きくも小さくもなく、岡崎はほどほどの規模の街です。  今日は、東岡崎のとなり岡崎公園前駅から乗車します。この時間の名鉄電車の乗客は高校生たちが主役。結構な頻度で途中駅でも乗ったり降りていきま

          川を渡る道(東海道を歩く17ー佐屋街道を歩く1)

          風の冷たい道(東海道を歩く16)

           前回は、暑いさなかの歩きでよりくたびれる行程でした。けれど、テレビを通して伝えられる通俗的なイメージから、これまで、あまり好きな地域ではなかった中京地域に、それまでとは違う一面を見つけて面白いなとも思うようになりました。そして、今回の東海道歩きは岡崎宿から始めます。豊橋駅で降りて名鉄に乗り換え、名鉄の東岡崎駅を再び降ります。立て替え計画もある駅ビルを眺めると、まるで廃墟のような趣です。夏と同じように、街を歩いている人は少ないようです。なにはともあれ、歩き始めます。  多くの

          風の冷たい道(東海道を歩く16)

          名鉄電車とたどる道(東海道を歩く15)

            朝になっても昨晩をひきづったような暑さです。なんだかこれといって特徴のない豊橋の街が、ぼんやりとした街の印象を倍加させています。東海地方だと、真っ黒な壁の町屋が印象的な岐阜の街や、街中に水が張り巡っていた大垣の街が印象に残っていますが、豊橋はどこかつかみ所のない街だなあという印象です。ともあれ、先を急ぐように歩き始めます、豊川という隣の街の名前そのままの川を渡る橋は、これまた街の名前の由来なのか?豊橋という名前の橋をわたります。河口に近いこともあり水の流れはありません。

          名鉄電車とたどる道(東海道を歩く15)

          津波をかぶる道(東海道を歩く14)

           前回の街道あるきは関所のある新居宿までの歩きでした。東海道のちょうど半分をすぎた後で、まもなく静岡県の横断も終わり愛知県に入ればゴールも近いな・・・などと思い描いたところで、コロナ騒動と外出自粛。遠出も難しいなといろいろと逡巡しながら思案。人混みを目指す旅でも無しと思い直して、出かけることに決定しました。これまでの旅の楽しみのひとつは、沿道でたまたま行きあった当地の人とのちょっとした会話が孤独を紛らわして楽しかったりしたのですが、今は旅行者は歓迎はされないだろうなと思うと少

          津波をかぶる道(東海道を歩く14)

          風の強い遠州の道(その2)(東海道を歩く13)

           この日に泊まったホテルは、市街地ではなくロードサイドに立地しています。場所のせいかホテルの朝食会場には仕事の所用で泊まっている人たちが多く居ました。スーツではなく会社の作業着を着ています。これまで歩いてきた沿道の印象では、どちらかといえば静岡市が商業都市という印象を持ったのと比べ、浜松市には産業都市という印象を持っています。同じ静岡県内で同じような規模の政令市でもかなり色彩が異なるのだなと思いました。  昨日のゴールの地、姫街道との追分を探して、そこから再び歩き始めます。ぽ

          風の強い遠州の道(その2)(東海道を歩く13)

          風が強い遠州の道(その1)(東海道を歩く12)

           夏に歩いたあと、しばらく東海道歩きもやってませんでした。身辺が忙しくなり休みがとりづらくなっているせいかもしれません。というわけでひさしぶりの東海道歩き。かつてならせっせと青春18きっぷで掛川まで在来線で行ったことでしょうが、いまはその労力をもったいなく感じるようになってしまいました。新幹線で掛川に向かいます。  朝の9時前に掛川駅に着いてしまうのは、新幹線の恩恵です。前回は掛川城の大手門をのぞいていましたが、そもそも、本体の掛川城を見てませんでしたので、歩き始める前に

          風が強い遠州の道(その1)(東海道を歩く12)

          意外に難所な峠(その2)(東海道を歩く11)

           藤枝の宿をでたところ、日差しはないのですが湿気がものすごくてうだるような朝でした。まだ目も覚めないぼーっとした状態のまま歩き始めます。藤枝の郊外は何の変哲もない住宅地ですが、まったく補修されていない道路だったり、道ばたの落書きだったりとすさんだ景色がないのは昨日と同じです。静岡の人の気質など想像してみます。たぶん穏やかだったり、実利にさといとか、がめついところは少ないのだろうなと思いました。 しばらく歩くと、神社のお堂のわきに縁日の看板が。お祭りついでに歌謡ショーまでやっ

          意外に難所な峠(その2)(東海道を歩く11)

          意外と難所な峠(その1)(東海道を歩く10)

          台風一過のこの日は、とりわけ暑い一日でした。身の回りがあわただしく、日常の些細なことが気になってかけるのもおっくうになります。今回、静岡にむかうのは普通列車ではなく新幹線で向かいます。4時間位かかるはずの行程が、1時間で到着します。 降りた静岡の駅は、大都市の中心駅らしく人でごった返していますが、それでも都内ほどにあわただしく殺伐としていなくて心地よいいのがうれしい。静岡鉄道の新静岡駅ちかくにあった、前回の終点であった本陣跡を探します。この静岡鉄道という会社は、いち地方企業な

          意外と難所な峠(その1)(東海道を歩く10)

          梅雨の合い間の道(東海道を歩く9)

          梅雨まっさかりの中だろうがどうしても歩きたくなりました。すこし日常につかれてしまったようです。いろいろな他人の意図と自分の意図に折り合いをつけるような日々。そんな日常から少しでも離れたくて・・・少しでも離れないと自分が自分でなくなってしまいそうな切羽詰まった気持ちからの旅でした。天気が悪いのがなんだ!富士山が見えない?それがどうした!というくらいの気持ちです。  といわけで前回の歩きでの終点、蒲原を目指します。新幹線を使わずに、しかもそこそこ快適に静岡方面に行くには、意外と

          梅雨の合い間の道(東海道を歩く9)