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レポ25:石狩灯台(2019/6/2)

広大な北海道内に設置されている灯台で最古の灯台である石狩(いしかり)灯台。明治25年に初点灯し、幾度も移設や周辺環境の変化を乗り越えてきた某灯台映画の聖地を巡ります…

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ25:石狩灯台(2019/6/2)

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北海道の石狩(いしかり)川の河口に設置されている石狩灯台。今回はレンタカーを借りて向かいました。石狩平野の一帯を突き進むと赤と白の特徴的な姿が見えてきました。

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背の高い草原地帯を抜けると、青空に映えて赤と白の縞模様の灯台がひょっこり顔を出します。

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石狩灯台は明治25年(1892年)1月1日に初点灯した、現役灯台の中では道内最古の灯台です。とはいえ、外装の塗り替えや移設なども繰り返されているようです。、

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観光名所となっている、はまなすの丘公園内に建てられている(厳密には後から公園が出来たと思いますが)だけあり、6月は丁度ハマナスの開花時期で見頃でした。

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元々、海運の要衝であった石狩川に入る船舶を河口から導くための灯台でした。現在は河口入口から1.5kmも離れた場所に建っているように見えますが、かつてはこの辺りが入口だったそうです。

年々堆砂が増えてきて、どんどん入口が伸びていったんですね。

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近くには灯台守の夫婦が登場する映画『喜びも悲しみも幾年月』の記念碑が。

映画のロケ地としても使用され、そもそも当時の石狩灯台は白塗装一色だったのが、当時の映画がカラー映像の出始めで、「映え」狙いで現在のような赤と白の横縞模様の塗装が施されたよう。2017年に塗り直しされた時も赤白スタイルです。

雪が積もっても分かりやすいですしね。北海道の大型灯台では赤白横縞模様がスタンダードになっています。

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以前は現在地の手前にある一段下がった場所にあり、洪水の増水時に地盤をえぐられ倒れたこともあるそうです。そのため、1998年に海側に14mお引越しし、現在地に移設されました。

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あまり人気はありませんでしたが、延々と続く河口までの道のりを歩いてみます。

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歩き続けること約15分。河口入口まで来て、日本海の自然を体感します。

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 灯台側に目を向けると、遠方に小さーく石狩灯台が。ここまで遠いと、夜間にどのように見えるのか是非眺めてみたくなりますね。

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ちなみに石狩灯台のそばにはヴィジターセンターがあり、その中には灯台関連展示や石狩灯台の歴史などが詳しく紹介されており、灯台好きの方は必見です。

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現在、歴史的意義のある建物という意味で、石狩灯台はCランク保存灯台に指定されています。

自然の経年変化を顕著に感じ取ることの出来る灯台です。

村上 記

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。