なんと哀しい、そして美しい物語だろう。僕はこの映画を劇場でみることができて幸せです。あの空間で、他人と一緒にチャーリーの心と向き合えた時間は貴重な経験になりました。でかいスクリーンで観るアクション映画のような昂揚感とは別の昂揚感を味わいました。

人間は誰しも不完全で、取り返しのつかない失敗をしてしまいます。それは他人には言えず、自分の中でずっと長い間、燻り続けるものです。大切な娘への想いと罪悪感に苛まれていた男が、最期に勇気を振り絞る姿を涙無くして見ることはできませんでした。

昂揚感の頂点で終わるこの映画を僕は決して忘れないし、これからも度あるごとに繰り返し見ることになると思う。傑作。