虚無・ラ・ガエリ

はじめまして、虚無・ラ・ガエリです。 うんこな日常に石をぶつけて、うんこっぽい石、石み…

虚無・ラ・ガエリ

はじめまして、虚無・ラ・ガエリです。 うんこな日常に石をぶつけて、うんこっぽい石、石みたいなうんこをつくろうとしているコンテンポラリーアーティストです。よろしく。 https://naruhoudou.com/ Nao More Andとしても書いてます。また書きます。

最近の記事

死ぬことはなぜ怖いのか

俺という存在は28年分のリールが巻きついた一本のフィルムであるように考えられる。 分かりづらければ、長い長い筒状の絵巻物のようなものを想像すればいいだろう。 まあつまり、28年分の「記録」が一つに形をなしているなら、比喩はどうでも構わない。 だがよく考えてみると、このような「記録」が引き継がれるという出来事はこの「記録」の中には存在できない(のだからフィルムや絵巻物という閉鎖的ですでに繋がって一面的になっているものを例えに持ち出すのは、おかしかったのだ)。 すると、た

    • 人間機械論-なったようにしかなってないこと

      仕事の都合上、よく掛け算をする。 なぜか昔から暗算が上手い俺は、掛け算をするとなると俄然張り切り、誰よりも早く答えを出そうとする。「暗算の虚無・ラ・ガエリ」とは俺のこと。 だからふと疑問に思うのだが、みんなはどうやって暗算・計算をしているのだろう。 俺はたとえば28×6を暗算する際、小学校仕込みの表記法をとる。 まず28を書き、8の下に6を思い浮かべる。その後8×6をして繰り上げた4を2×6の答えに加えて計算する。これだけだ。たぶんこの方法を頭の中で行う人は少なくない

      • 悪魔宿しの子供

        親戚の結婚式に呼ばれた子供のころ、自分の中には悪魔がいることに気づいた。 もちろん、角が生えているとか、なにか魔的存在を召喚したとかではない。ある現象を「悪魔がずっと僕に言ってくるんだ」と語っていたのだ。 その現象は、「その時に自分が何を感じても、その反対の気持ちが常に後からやってくる」という性質のものだ。 同じくお呼ばれした親戚の子供たちとゲームをして遊んでいた時、ふと、「ああ、彼らといると楽しい」と漠とした感情に注意がいく。 その瞬間、『いや、彼らは何も面白くない』

        • 時には昔の話をやめようか

          今気付いたんだが、俺は昔から「過去編」や「回想編」が好きじゃないんだ。 ゲームだと、キングダムハーツみたいに、2の後にxⅢ機関設立の謎に迫るタイトルのソフトが出てくるとか、FF7シリーズの『クライシスコア』とか…。 漫画なんかだとコマとコマの間が黒塗りになってる回は、どうしても飛ばして読みがちだ。 どうしてなんだろうな、と考えてみるにこれは、 「現在を知った上で過去を見ていると没入感が無くなるから」だ。 全部遠巻きに見えるんだよね。 その時その時のキャラクターの止むに止

        死ぬことはなぜ怖いのか

          カラフルイデオロギー

          肉と米ばかり食べている。 来る日も来る日も鶏と魚を、米を食べている。 惰性で目にした5ちゃんねるの反応をまとめた動画は、そんな自分の有様を一考に付すような内容。 「ヴィーガンだけど何か質問ある?」 厄介な匂いがする。これ、草の薫りかな。 俺は逆ヴィーガンだ。納豆にまぶすネギくらいしか口にしないから筋金入りだ。 こんな真反対の存在だし背中合わせで分かるところもあるかもしれない、と思いつつ少し観る。 なんでも屠殺の映像を観た末に可哀想だから食べられなくなったのが始まりな

          カラフルイデオロギー

          「ほんもののファン」

          最近、ウェザーニュースの檜山って女子アナウンサー?が焚べられているらしい。 なんでも、アイドル売りされてて、黒髪清楚系、 恋愛経験がなくて優しい人が好き、コスプレが趣味で…といった属性満載で、ほんとうに清楚で優しい人々にウケてた人なんだそうだ。 が、実のところはほんとうに優しくなさそうな暴力的なテニスプレイヤーの彼氏がいて見事爆発炎上した、ということらしい。 当の清楚で優しいファンたちはどうか。 一方では怒り狂い幻滅する。これは厄介なファンだ。気持ちが悪く、夢と現を見紛う、

          「ほんもののファン」

          象さんのはなし

          「おやぁ、この象って生き物は長いねえ」 「いやぁ、この象って生き物は丸太みたいに太いねえ」 「いやいやぁ、この象って生き物は細いねえ」 「お前らみんな間違っとる。象というのはな…」 この哀れな衆生を見よ、アヌルッダよ。 彼らは己が盲目に蝕まれ、ガンジス川の砂つぶにも満たない一欠片の事実に縋りつき、それが全てであると思い込んで互いに諍いを起こすのだ。 真実に目覚めたものが争わないのは一を知って足りるとする忍辱を持つそれ故である。 なんと尊いことでございます善逝よ。 し

          片道切符

          朝の家畜小屋みたいな凝集率の電車に乗ってると、いくつか気にすることがある。 まずは身の回りに妙齢の女性がいるかどうか。 ついで自分の手を肩より上にどうにか持っていけるかどうかだ。 ケツ触ったやらなんやら言われるかもしれないし。困るだろう。 こんな限界状況だと、目の前に座る、同じく通勤中であろう人が羨ましく映る。 俺、妊娠しないかなぁ、やさしい人なら譲るだろうなぁ、なんてことを考えつつ満員電車の酸素の薄さから気を逸らす。いや、酸素が薄いからこんなこと考えてんのかな、とりあえず

          華金 その3 俺は金曜日だけどお前はどうだ

          今日は金曜日だよ。 きみが間違ってる。 今は土曜日のしかも夜だと言うかもしれないが、 しかし誰が何と言おうと、今日こそが金曜日なのだ。きみが自分に嘘をついてるだけだ。 皆のいう土曜日、俺のいう金曜日である今日の、 トレーニング後の夕方から人間としての1日が始まる。昼の残り香、夜の門口、夕方は永遠の今だ。 夏という新鮮な季節が始まろうとしているからなのか、服が欲しくなった。 今ある服が洗濯のしすぎか何かで縮んでしまったので、俺が着ると変態趣味のデブに見えるから欲しくなった

          華金 その3 俺は金曜日だけどお前はどうだ

          仕事じゃないから

          仕事を終えて後、駅近くのスーパーに足を向かわせた。 冷蔵庫を持ってなかった学生の時には毎日のように食材を調達したこのスーパーだが、学生をやめて職に就いてもお世話になっている。 割引されたドリップまみれの鶏のミンチと、流行り廃りを繰り返すゾンビみたいな炭酸コーヒーを買ってもう帰ろうかという時、怒号が聞こえる。夕方特有の穏やかな時の流れるスーパーに似つかわしくない、衝くような声。 すぐに確認する。何をか。「適切」かどうかだ。 もっと濁さずに言えば、それが正常で理解できる状況

          仕事じゃないから

          華もちならない金曜日 その2 書くことないんだよね

          最近増量中だから毎食ビオフェルミン飲んでるんだけどね、なぜか今日になって気付いたんだよ。  「あれ、もうこんなに飲んだの?」って。 よく考えたらおかしいよな。毎日毎食飲んでんだから、毎日毎食同じだけ減ってるのに、なぜか今日、これまでの毎日毎食後の歴史がやってきた。 「つい昨日のようだ」なんて劇みたいなセリフってこんな時に顔を出すんだろうな。このビオフェルミンがユネスコに目をつけられる日も遠くないと固く信じる。いやほら、世界遺産だし。俺の胃も平和にしてるし。 なんか書く

          華もちならない金曜日 その2 書くことないんだよね

          華もちならない金曜日 その1 哲学の起源

          ということで、金曜日の夜に毎週投稿することにした。華もちならない金曜日、華金だ。 感情というのは生ものであり生物だ。 つまり、早く表現しないと腐っちゃうのに、早すぎると成長しないで未熟なまま。 適切な期間、そう、感情を煮詰めて腐らす直前の、「発酵」と人が呼べるくらいのギリギリな長さが欲しい。これがちょうど月曜日から金曜日までだ。土日すぎるともう昔になっちゃう。 てことで華金です。 100円の買い物に1万円出すと"増える"よね。 いや、増えないけど、"増える"だろ。

          華もちならない金曜日 その1 哲学の起源

          腹痛は俺を勇者にするし、お前を魔王にする

          腹痛いとさ、世界全てが敵に見えるじゃん。 たとえばさ、電車で腹痛いと隣のおっさんがLINEしてるのもすげえウザくなるし、目の前の学生がスマホを横にしてデイリーミッションをこなしてるのにも死んでほしくなる。 お前のライフラインも断ち切ってやりたいし、お前自身の連続ログインも今日で終わらせてやりたい。 こんなに俺はお腹痛めてんのにさ。なにやってんだよお前ら。どうかしてんだろ。どうにかしてくれ。 ともかくそんな敵意剥き出しな状態になる。 五感に与えられるものすべてが、この腹痛

          腹痛は俺を勇者にするし、お前を魔王にする

          「ーじゃあ、付き合ってみます?」

          この痛みが正しいものでなく誤ったものであると認めたのは、その日の夜だった。 痛みに""が付いてないから、なにか思想的な痛みではない。 スクワットで関節を痛めただけだ。フォームが乱れていたのだ。ゴムバンドで矯正しながらやった方がよかったみたいなのだ。 こんな具合で「疲労と教訓だけを得られた日」というのは、余裕を持って振り返られる前まで価値を持たない。 つまり、今のところ「徒労」という感が否めない。 昨夜はそんな日のそんな夜だったのだ。 意味を持たない疲れが、ただでさえ硬い

          「ーじゃあ、付き合ってみます?」

          洗濯機の元カレ

          あまりに印象的だったのでここに書いておきたいのだが、まず結論だけ述べれば 洗濯機にも他人の匂いってのがあるんだ。 これは本当だよ。 次に、どうしてそんな誉れ高い真実が判明したのかを書く。 まぁ細かいところは省略して、俺の部屋から洗濯機が回収されたのが最初だ。 もちろん金がなさすぎて差し押さえになったってわけではない。もともとレンタル品だったのだ。 1年以上この土地にいるかどうか分からなかった当時の俺の選択した結果が、今やってきただけだ。 で、今日やっと新入りが到着し

          洗濯機の元カレ

          橋の声が聞こえるもの

          ある町に横幅が狭くて一方しか通れない、劣化・損傷の激しい、不便この上ない橋があった。 不思議なことに町の人々はこの橋を尊んでいた。 「偉大なものがこの橋をもたらしたのだ」と口々に言うが、これは尊ぶ理由にはなっても、直さないでそのままにする理由にはならないだろう。 不思議だと思うのも無理はない。町の人は橋を尊んでいるのではなく、いつしか橋の不便さそのものを尊ぶようになったことを、多くの人は知らないからだ。 町の人々は橋が不便であることによってのみ、絆を保つ。 幅が狭いか

          橋の声が聞こえるもの